MENU CLOSE

連載

#17 特派員フォトリレー

【特派員イチオシ旅】白壁・赤屋根・青い海…美しき旧ユーゴスラビア

ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルにある世界遺産「スタリ・モスト」
ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルにある世界遺産「スタリ・モスト」

目次

 世界のあちこちに住み、出張取材も多い朝⽇新聞の特派員が、おすすめの旅行先を写真でご紹介します。今回は旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロの3カ国です。日本から見てなじみがあるとは言い難い国々ですが、ユネスコの世界遺産に登録されている歴史的な建造物や、魅力的なビーチ、さらには紛争の痕など見どころ満載。この地域で知名度が高いのは「アドリア海の真珠」として知られるドブロブニクですが、一足伸ばしてみませんか。(朝日新聞国際報道部)

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

世界遺産の橋、残る砲弾の痕

 まずは稲垣康介記者、ボスニア・ヘルツェゴビナの南部にある都市、モスタルから。

モスタルはボスニア・ヘルツェゴビナの南部にある
モスタルはボスニア・ヘルツェゴビナの南部にある
 「『世界遺産』と名が付くところには行ってみたくなるのが、人間誰しもが持つミーハーな感情かもしれません。ユネスコのお墨付きはやはり、心が動かされるものです。

 ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルには、ネレトバ川に架かる「スタリ・モスト」という石橋があります」
夜間にライトアップされる「スタリ・モスト」
夜間にライトアップされる「スタリ・モスト」
 「オスマントルコの支配下にあった16世紀に造られ、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1993年に破壊されましたが、2004年に復元。翌2005年に世界遺産に登録されました。

 特に夜にライトアップされた石橋とモスク、キリスト教の教会は幻想的です」
スタリ・モストで行われた「飛び込み大会」
スタリ・モストで行われた「飛び込み大会」
 「私が取材で訪れた7月29日は毎年、7月の最終日曜日に開かれる橋の欄干からの飛び込み大会で大いににぎわっていました。

 物価も安く、トルコ料理のケバブ風の肉料理は食べ応え十分で、腹持ちもいいです。地元のビールとの相性も抜群です」
夜のモスタル
夜のモスタル
 「ヨーロッパとイスラムの文化が融合する古都モスタルは、その美しさだけでなく、旧ユーゴスラビアでの民族紛争の激戦地としても名をとどめます。

 旧市街にはいまだに砲弾や銃弾の痕が残る建物があります。悲惨な虐殺の歴史を教えてくれる博物館を訪れれば、平和の尊さを考える機会にもなるでしょう」

「アドリア海の真珠」

ドブロブニクの市街地
ドブロブニクの市街地
 「モスタルへのアクセスはボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボからバスで2時間半ほど揺られるか、『アドリア海の真珠』とうたわれ、観光地として人気沸騰中のクロアチアのドブロブニクからも行けます。

 こちらは入り組んだ国境を3回通過するので、4時間ほどかかります」
ドブロブニクの街なみ
ドブロブニクの街なみ
 「世界遺産のはしごをするなら、ドブロブニクの旧市街も登録済みですし、赤い色の屋根で統一された街並みは一見の価値あり。

 ただ、あまりの人気で、城壁巡り、博物館、そしてレストランなどの物価は年々上がっているようです」
サッカー・クロアチア代表のユニフォームも売っていた
サッカー・クロアチア代表のユニフォームも売っていた
 「ドブロブニクからモスタルへの日帰りツアーの案内も出ていますが、せっかくなら1泊ぐらいはしないと、本当に駆け足の旅になります」
ドブロブニクから見ることのできるアドリア海
ドブロブニクから見ることのできるアドリア海

モンテネグロもおすすめ

 東京・国際報道部の神田大介記者から、稲垣記者の紹介した2つの国に隣接するモンテネグロの情報も。

アドリア海に突き出したモンテネグロ・ブドヴァの旧市街
アドリア海に突き出したモンテネグロ・ブドヴァの旧市街
 「ドブロブニクに比べると日本での知名度はだいぶ落ちますが、勝るとも劣らない魅力的な街が隣国モンテネグロにもあります。ブドヴァはその一つ」
ブドヴァの旧市街
ブドヴァの旧市街
 「壁に囲まれたなかに家々がひしめくように建っているさまは、ドブロブニクと非常によく似ています。

 しかし、比べると物価は低く、混雑もさほどではありません。ドブロブニクは観光客が世界中から集まるので、夏の観光シーズンはとんでもない人ごみになります。その影響でしょうか、周辺国やクロアチア国内の他の地域に比べて、とりわけ物価が高くなっています」
ブドヴァのビーチ
ブドヴァのビーチ
 「ブドヴァにはきれいなビーチもあり、のんびりできます。旧ユーゴスラビアのころから随一の海水浴場として有名で、もとは同じ国だった隣国のセルビアやボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアなどから来る人が多いようです」
かつてのユーゴスラビアは、6共和国2自治州からなっていた
かつてのユーゴスラビアは、6共和国2自治州からなっていた

ツアーではもったいない

モンテネグロ・コトルの街なみ
モンテネグロ・コトルの街なみ
 「モンテネグロでは、バスでブドヴァから1時間弱、ドブロブニクから2時間ほどのコトルもおすすめ。この街も世界遺産なんです」
コトルの旧市街
コトルの旧市街
 「コトルで楽しいのは、旧市街の狭い路地をあちらこちらと歩き回り、古い教会を訪ね歩くこと。12世紀に建てられたものなど、歴史的な建築物がいくつもあります。教会内のフレスコ画も見どころです。

 また、城壁を登ることができ、上から見る海と街の様子は格別です」
コトルの街を取り囲む城壁
コトルの街を取り囲む城壁
 「コトルもまた、ドブロブニクから日帰りのツアーが出ていますが、宿泊してじっくり見るといいと思います。内陸部に深く入り組んだ地形をしており、周囲を高い山々がぐるりと囲むさまは他のアドリア海岸の街とはひと味違いました。

 モンテネグロは『黒い山』という意味。その理由をはっきりと感じることができます」

 旧ユーゴスラビアの国々では1991年から2000年ごろまで各地で紛争がありました。あれから20年近くが過ぎ、復興もずいぶん進みましたが、今なお日本からの旅行者はあまり多くないようです。

 飛行機はウィーンやイスタンブールを経由するとアクセスしやすいですよ。

【特派員フォトリレー・連載一覧】
(昼ごはん編1)ヤギ肉・湖の魚…、お国柄見える「サラメシ」たち
(昼ごはん編2)海越えたシリアの「弁当」 ウズベキスタンの食は
(昼ごはん編3)ど迫力のローストポーク! 肉肉肉な国と言えば…
(タバコ箱編1)体への害、警告「どぎつい」国々 2500円の国も
(タバコ箱編2)警告画像「ヘビー級」の国々 もはやホラー…
(タバコ箱編3)体への害、警告「抑えめ」な国々 北朝鮮製の箱も
(街の乗り物編1)路面電車、各地で活躍 なんと2階建ての車両も!
(街の乗り物編2)ロープウェーも市民の足 各地で日本の旧型車両活躍
(街の乗り物編3)2階建てのロンドンバス、デコトラ風味の異色バスも
(街の乗り物編4)タイだけじゃなかった!世界で活躍するトゥクトゥク
(街の乗り物編5)ロバも牛も馬も…最後の頼りは動物 船や自転車も
(おやつ編1)マーチしないコアラ、「国宝級」のチョコがある国は
(おやつ編2)あの国民的「棒」が中東に?中国ではやっぱり「種」
(おやつ編3)アメリカのグミがやばすぎる お尻ふき味に靴下味…

リクエスト募集中

検索してもわからないこと、調べます。

リクエストを書くリクエストを書く

連載 特派員フォトリレー

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます