連載
#1 特派員フォトリレー
【世界の昼ごはん】ヤギ肉・湖の魚…、お国柄見える「サラメシ」たち
ところ変われば品変わる。世界のあちこちに住む朝日新聞の特派員が、同じテーマで写真を撮ってきました。今回のテーマは「昼ごはん」。ふつうの会社員、労働者が集まる、気取らない食堂やレストランの味が集まりました。あなたはどの国のランチが気になりますか?(朝日新聞国際報道部)
はじめは東南アジアの国々から。ミャンマーから染田屋竜太記者と、カンボジアから鈴木暁子記者です。案内役は前テヘラン支局長で、世界60カ国以上に渡航経験のある東京・国際報道部の神田大介が務めます。
どちらもボリュームたっぷりで、しかも安い! カンボジアの「湖でとれる魚」と「ごはんにのせるとうまい魚の発酵食品」という、あいまいな2品が気になります。
ミャンマー料理が脂っこいというのはなんだか意外な感じがします。地理的に、中華料理圏とカレー文化圏のせめぎあいがあるようです。続いては、今月インドネシアに赴任したばかりの野上英文記者。
インドネシアやタイといった国々では、辛さもおいしさの重要な要素の一つになっているようですね。次はトルコの其山史晃記者と、イタリアの河原田慎一記者。
トルコ料理って野菜をたっぷりとるんですよね。それと、欠かせないのがヨーグルト。アイランというヨーグルトドリンクもあって、これは日本と違って甘い味はついていません。さっぱりしていて、ケバブなどの肉料理にあいます。
イタリアはさすがというか、さりげなくうまそうですね。きっとゆで加減も最高なんでしょう。以前イタリア人に、「君らだってコメの焚き具合にはこだわるだろ。俺たちはパスタのゆで加減に命をかけてるんだ」って言われたことがあります。
続いてはイギリスから下司佳代子記者と、アフリカ・ケニアの石原孝記者。
ロンドンのは、名物のフィッシュ&チップスを上品に皿に盛りつけただけという感じがしなくもありませんが、フィッシュ&チップスこそがイギリスで最もうまい食べ物だという意見もあります。わりと同感です。
ケニアの焼き肉は私も食べたことがあります。ごちそうなんですよね、確かにおいしかった。ちなみに、ケニアの一部の人たちの間ではシロアリを食べる習慣があるそうで、これも食べてみましたが、酸っぱくてもさもさしてました。
シメは日本のおとなり、台湾から西本秀記者。
オフィスのまわりには、400円程度で食べられるお店がたくさんあるとか。台湾は家庭で料理をつくるより、昼も夜も外食が主流なんだそうです。
これはうらやましい。食事ってメニュー決め、事前の買い物、調理、食器洗い、洗った食器の片付け、残った料理の保存、生ゴミの処分などなど、家事の中でも相当なウエイトを占めていますよね。日本ももっと思い切って、外食に依存してもいいのかも。
煮卵がうまそうです。しかし卵って、高級食材というわけでもないのに、半熟で出てきたり、味がしっかり染み込んでいたりしたときのあの特別感、なんなんでしょう。ニワトリの卵が「タマゴ」というポジションを代表しちゃってるのもすごい。これは英語の「egg」でも同じですね。
ところで、ここまで見てきて感じたんですが。日本は手軽に使えるチェーン店こそ多いものの、家庭でも使われている食材を使い、味付けもふつうで、それを手頃な価格で出すような「ちょうどいい食堂」が、すごく減っているような気がします。
というわけで、世界の昼ごはん、外食編でした!
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