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2018年09月10日

【特派員イチオシ旅】ファン垂涎「国境線の村」 店内まで境界を徹底

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店内に国境が。奥がオランダ、手前はベルギー

店内に国境が。奥がオランダ、手前はベルギー

 世界のあちこちに住み、出張取材の機会も多い朝⽇新聞の特派員が、おすすめの旅行先を写真でご紹介します。今回はヨーロッパから。ベルギーとオランダの国境地帯には、建物の中にまで国境線が走っているふしぎな村が。ワインで有名なフランスのブルゴーニュ地方は、ぶらりと散歩をするのにうってつけでした。(朝日新聞国際報道部)

オランダのベルギー領にオランダ領

 まずは、ベルギーとオランダの国境地帯からは、沢村亙記者。

国境にあるスーパー、左側がベルギーで右はオランダ

国境にあるスーパー、左側がベルギーで右はオランダ

 「もし読者に『国境フェチ』または『飛び地フェチ』の方がいれば、身もだえしそうな場所を紹介します。

 それはベルギーとオランダの国境地域にあります。オランダ領バールレ・ナッサウ(Baarle Nassau)村の中に22のベルギーの飛び地(バールレ・ヘルトフ〈Baarle Heltog〉村)があります」

こちらは左がオランダ、右がベルギー

こちらは左がオランダ、右がベルギー

 「さらに、ベルギー飛び地領の中にオランダの飛び地が7カ所。かくして村中いたるところが国境線というありさまです。

 公道などでは白い十字のマークで国境が示されていますが、たどっていくと、あれれアパートを突っ切ったり、スーパーや衣料品店、さらには一軒家を貫いたりしていきます。

 写真で国境線の横にある『B』のマークがベルギー側、『NL』がオランダ側です」

店内に国境が。奥がオランダ、手前はベルギー

店内に国境が。奥がオランダ、手前はベルギー

 「写真にあるように酒店では店内の床にオランダとベルギーの国旗の色をした『国境線』が描かれています」

12世紀のなごり

道路の真ん中に国境線

道路の真ん中に国境線

 「12世紀の領主間の領地争いの名残で両国の国境線が複雑に入り組んでしまったとか。もともと同じオランダ語圏で、いまでは通貨も同じユーロ。もとより国境検問所があるわけでもなく、警察署ではオランダとベルギーの警察官が仲良く同じ部屋で机を並べています。

 それでも祝日が違ったり税制が微妙に異なっていたり。まあ国が違えば当然ではありますが。今では観光案内所も共通で、仲良く『国境線の村』をアピールしています」

建物の真上にも国境線

建物の真上にも国境線

 「ベルギーの首都ブリュッセル、オランダの首都アムステルダムのいずれからもレンタカーで1時間半ほど。

 のどかな田園地帯をドライブして、到着した後は徒歩でふたつの国を行ったり来たり、さらにそこでのんびり暮らしている人を眺めたりしているうちに、世界のいたるところで『国境線』をめぐって人がいがみ合っていることがなんとなくむなしく思えてきます」

 日本に住んでいると、国境イコール海なので、国境を陸路で越えるという経験があまりありませんよね。

 ゆえに国境というと、かつてあったベルリンの壁のようなものを想像しがちですが、実はけっこういい加減なことも多いようです。

「黄金の丘」を歩く

 続いてフランスから、疋田多揚記者。

 「フランス東部、ブルゴーニュ地方はワインや美食で有名な地域ですが、そのブドウ畑を歩く旅をおすすめします。

 観光地らしいものは何もありません。

 しかし、『黄金の丘』と呼ばれる、広々としたブドウ畑の景色をのんびり気持ちよく歩けます。ワインが好きな方は、途中の小村で試飲もできます」

散歩の起点に選んだ、ラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)のバス停。下車案内はまったくないので、運転手さんに下車するバス停を告げておいた方がいいです

散歩の起点に選んだ、ラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)のバス停。下車案内はまったくないので、運転手さんに下車するバス停を告げておいた方がいいです

 「起点はパリからTGV(フランス版新幹線)で1時間半ほどのディジョン(Dijon)駅。中世の一時はフランスをしのぐほどの勢力を誇った、ブルゴーニュ公国の中心都市です。

 その駅前から、ボーヌ(Beaune)行きのバス(C44)に乗ります。

 このバス、『ブルゴーニュワインの首都』の異名を持つボーヌ行きというだけあって、道中、右手に車窓からブドウ畑が眺められます。かの超高級ワイン『ロマネ・コンティ』の畑も、この景色のどこかにあるはずです」

畑の合間を縫う小道。サイクリングロードにもなっているようです

畑の合間を縫う小道。サイクリングロードにもなっているようです

ワインの試飲や食事も

 「どこで降りてもいいのですが、私が旅したときはラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)というところで下車しました。

 車道を離れ、ブドウ畑の方へ上がっていくと小道があり、それに沿って、区画で区切られたそれぞれのドメーヌを眺めながら、ボーヌへと南下します。

 途中、アロース・コルトン(Aloxe-Corton)という村があり、そこでは、いくつかの感じのよいワイナリーがあります。

 コント・スナール(Comte Senard)というところでは試飲だけでなく食事もできます」

畑の名前や所有者を示す石造りの看板があちこちに

畑の名前や所有者を示す石造りの看板があちこちに

 「ボーヌまでは10キロ弱ありますので、そこそこの脚力が必要です。加えて、バスの頻度は低い上、道中トイレもなかなかないという不便がありますが、アクセスが悪いだけにとても静か。

 パックツアーに飽きた方や、ガイドブックにない旅を求めている方はご検討下さい」

写真は晩秋(11月中旬)に撮影されたもので、すでに収穫を終えていました

写真は晩秋(11月中旬)に撮影されたもので、すでに収穫を終えていました

 「なお、ディジョンにはブルゴーニュ運河が通っていて、その脇には自転車向けの道が(ほぼ果てしなく)整備されています。自転車をディジョンの街中で借りて、運河沿いにサイクリングするのもおすすめです」


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フランスの「黄金の丘」、ベルギーとオランダの「国境だらけの村」
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フランス・ブルゴーニュ地方のブドウ畑は「黄金の丘」と呼ばれる
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