世界のあちこちに住み、出張取材の機会も多い朝⽇新聞の特派員が、おすすめの旅行先を写真でご紹介します。今回はイタリアとイギリスから。イタリアの首都ローマの近郊には、泳げるほどきれいな湖があり、ハリウッドセレブなじみの古城があり、温泉もあるという1粒で3度おいしい街が。イギリス領・北アイルランドの中心都市には、あちこちに壁画が並んでいます。その背景には長年にわたる紛争がありました。(朝日新聞国際報道部)
ローマ近郊で湖水浴ができる
まずはイタリアから、河原田慎一記者。
水質がきれいで、湖なので波も静か。
湖畔のレストランやホテルがプライベートなビーチにしているところもありますが、公共の湖水浴場エリアも充実していて、駐車場がただです。ビーチパラソルとベッドを借りるには、近くのバールでお金を払います」

近くに温泉もあるそうなので、1日過ごせます。日本で言うと箱根みたいな感じです。箱根よりも近くて混んでないのもおすすめです。ローマに観光に来られた際に、足を伸ばすのも良いかもしれませんよ」
北アイルランドの壁画に「英雄」たち
続いては、アイルランド島にありながらイギリス領という「北アイルランド」の中心都市ベルファストから、沢村亙記者。
アイルランドは独立戦争を経て1922年にイギリス連邦内の自治領となり、1949年には完全に独立。しかし、北アイルランドはイギリス領のまま残ったという経緯があります。

北アイルランドでは、アイルランドへの帰属を求めるカトリック系住民と、イギリスによる統治の維持を求めるプロテスタント系住民が対立。
双方の過激組織によるテロも頻発し、1960年代以降、約3000人が命を落としました」

5年前に訪れたときは、アイルランドのダブリンから乗車した鉄道をベルファストの駅で降りると、すかさず客待ちのタクシーの運転手のおじさんが『ヘイ! テロツアーに行かないか』」

こうした車両の姿はほとんどなくなりました。何より、遠回りしなくてもそれぞれの地域を行き来できます」
観光で売り出しはかる

実はベルファストは、あの大西洋に沈んだ客船・タイタニック号の建造地。2012年には港にタイタニック博物館もオープンしました。
紛争の暗いイメージを払拭し、むしろそれを逆手にとって国際観光都市で売り出そうと懸命です」

チャーターしたタクシーの運転手がカトリック系なら、プロテスタント地区では怖がって車の外にまでなかなか降りてくれません。逆もしかり。
やはり心の中の壁はなかなか消えないのだなと感じました」

日本でも戦争や災害、事件の跡などを巡る「ダークツーリズム」が注目を集めています。
清教徒革命、名誉革命といった歴史の教科書くらいでしかなじみのないことば。複雑な宗派対立の歴史。平和なイメージのあるイギリスで今なお紛争の爪痕がくっきり残っていること。学びもまた、旅行の大事な効用の一つです。
タイタニック博物館もおもしろそうですけどね!
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