連載
#9 役所をやさしく
ついに完成!外国人のための文書改革に落とし穴… #役所をやさしく
「コウザフリカエ」って何ですか?
「小難しい」言葉の代名詞ともいえる「お役所言葉」を、市民にとって、もっとやさしくすべく、神戸市が「やさしい日本語」で進めている公文書改革。ついに完成した「やさしい日本語」の文書が、本当に日本語が苦手な人にとって分かりやすくなったのか、検証が始まりました。でも、舞台になった窓口からは、意外なつぶやきが聞こえてきました。「対象の外国人がいない」「やさしい日本語の使いどころが分からない」ーーいったいなぜ?
【前回までのあらすじ】
小難しい「お役所言葉」を変えるべく、神戸市の若手や外国出身の職員チームは手始めに年金や医療保険について説明する文書を「やさしい日本語」に変えようとしますが……。
神戸市役所の若手や外国人職員による「やさしい日本語推進チーム」は、試作した「やさしい」文書を、窓口で使って、外国人の反応を確かめる検証を始めました。
協力したのは、中央区保険年金医療課。日本独自の「国民健康保険制度」「国民年金制度」を扱う部署です。
土屋係長
土屋係長
窓口の本音を聞いて、神戸市役所やさしい日本語推進チームの中井係長は、ヤケ酒が止まりません。
中井係長
土屋係長
中井係長
窓口での試験運用ではなかなかサンプルが集まらないことが分かった中井係長。
さて、今後、どのように効果検証を進めていけばいいのでしょうか。
中井さんの励まし役でもある、ベトナム人職員のダンさんはこんな声をかけました。
ベトナム人職員ダンさん
〈土屋係長〉
神戸市中央区国民健康保険料収納担当。当課に配属されて2年目。保険料算定、保険料の収納対策を統括する。
〈中井係長〉
神戸市役所 市長室 国際部国際課。やさしい日本語推進プロジェクトの中心的役割のはずなのに、落ち込みがち。酒好き。
〈多文化共生専門員 ダンさん〉
ベトナム人。来日9年目。神戸市役所 市長室 国際部 国際課 多文化共生専門員。神戸市ベトナム語版Facebookの開設・運営など、外国人の視点から神戸市の多文化共生関連事業に携わる。プロジェクトでは、自分の経験に基づき、外国人に求められる情報ややさしい日本語について監修。
ダンさんのコラムは、神戸市ベトナム語版Facebookで読むことができます。
1/4枚