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2017年12月04日

あいつの戦闘力は? ポスドクが気になる…研究者の「見える」業績

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ポスドクの「戦闘力」って?

ポスドクの「戦闘力」って?

 研究者には「好きなことを気ままに研究している」イメージがありますが、研究業界は超成果主義・過当競争の世界です。影響度の高い学術雑誌への掲載数などが、そのまま研究者の「戦闘力」に。博士研究員というポジションで、教授や助教ほど「偉くない」研究者、ポスドクの運命を左右するのが論文の影響度。一撃必殺の大物狙いから、数で稼ぐ小技タイプまで。ライバルの実力に一喜一憂するのです。過酷な公募競争を戦うポスドクが「偉く」なった先に待つものとは? 連載「ポスド苦日記」最終回です。


研究者は気ままな仕事?

 こんにちは、ポスドク研究者のポス・ドクえもんです。

 研究者と言えば、「気ままに好きな研究に打ち込んでいる」というイメージがあるようです。古き良き時代の研究者か、映画など創作の中の研究者から来ているイメージでしょうか。

 そんな期待に応えてか、研究者自身が自らをステレオタイプな研究者像に当てはめていることもあるかもしれません。

自分の好きなことを好きなときに研究する、そんなイメージはありませんか?

自分の好きなことを好きなときに研究する、そんなイメージはありませんか?

 私も取材を受けたり、アウトリーチイベントで講演をしたりする時には、「好きな研究に打ち込めることが幸せ」「好奇心が原動力」などと、TPOに配慮し、世間のイメージに合ったことをついつい言ってしまいます。

仕事明けに塩を舐めながら呑むストロング・ゼロが原動力」なんて言ったら夢が壊れますからね。

ポスドクの日常・教授の日常

 実際、ポスドクの日常は確かに気ままな一面もあります。

 年に数回、論文を出版し、学会で成果発表できるように研究をコントロールしていれば、割と自由な時間をつくることができます(※)。
 ※業界・雇用契約に依ります。

 平日の昼間にふらっと出かけて買い物したり、休日より空いているディズニーランドを楽しんだりする時には、この仕事の恩恵を感じます。

自分の研究のコントロールができれば、平日に自由な時間をつくることもできます

自分の研究のコントロールができれば、平日に自由な時間をつくることもできます

 先輩たちを見ていると、キャリアアップしていくにつれ、しだいに大学や研究所の運営など、自分の研究以外の仕事が増えていくようです。時間的な制約も多くなってくるので、この気ままさはポスドクの特権かもしれません。

 大学教授ともなると毎日何かしらの会議や研究以外の仕事があるので、とても平日ディズニーとはいかないようです。

 中には忙しい状況を嘆き、「ポスドク時代に戻りたい」などと冗談を言う教授もいらっしゃいます。そんな言葉を聞かされる、ポスドクたちの胸中は正直穏やかではないですが…。

研究業界は過当競争の世界

 これまでの連載「ポスド苦日記」でも書いてきましたが、将来の見通しが立たないポスドクの生活は、気ままで楽しいことばかりではないのです。

 つまり、研究業界は超成果主義・過当競争の世界です。

やはり「気まま」だけじゃない、競争の世界

やはり「気まま」だけじゃない、競争の世界

 研究業績は、影響度の高い論文誌に何本論文を掲載できたか、その論文が他者の論文に何回引用されたかで厳しく評価されます。

 論文誌の影響度はインパクト・ファクター(IF)と呼ばれる数字で表されます。

 IFがトップクラスの論文誌はかの有名なNatureやScienceなどで、その数字は40前後です。一方、知名度の低い論文誌にはIFが1を切るものもあります。

 掲載誌のIFがその論文の価値を決めるわけではもちろんないのですが、重要度を測る客観的な指標として使われることは多いです。

研究者の「戦闘力」?

 研究者にとって、この論文誌IF・論文数・引用数という3つの数値がバトル漫画で言うところの“戦闘力”です。“戦闘力”が高いと一般的に、研究職公募に通りやすかったり、研究費を獲得しやすかったりします。

 論文数は少ない一方、IFの高い論文誌に論文を出版している一撃必殺タイプや、IFの低めな論文誌でたくさん論文を出版している小技タイプなど、研究者の個性(?)が垣間見えます。

 ポスドクたちの研究職公募競争においては、他のめぼしい候補者の“戦闘力”をついついチェックしては一喜一憂してしまいます。

実績が「戦闘力」のように見えるので一喜一憂することも…

実績が「戦闘力」のように見えるので一喜一憂することも…

つら楽しい日々の先に

 全5回の連載「ポスド苦日記」では、ポスドクという仕事とその生活についてお伝えしてきました。

 ポスドクは任期の期限があり、将来のことを考えると早く助教以上の「偉い」研究者になりたいのですが、偉くなればそれだけ研究以外の様々な仕事が増えていくようです。

 もしかするとポスドクは、研究者のキャリアパスの中で、好きな研究に多くの時間を割ける、恵まれた時期と言えるかもしれません。

 早く偉くなりたい気持ちは変わりませんが、現状を愚痴るばかりでこの貴重な時間を過ごすのはもったいないことです。

 これからもそれなりにつら楽しくやっていきたいと、そう思う今日この頃です。

 またどこかで、できれば次はキョージュえもん日記でお会いしましょう。

【4コマ】「あいつの戦闘力は…」やっぱり競争激しいポスドクの世界
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研究者は自分の好きなことを好きなときに研究する、そんなイメージはありませんか?
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