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5円玉「漢数字だけ問題」、新しいお金でも継続…洋数字入らず60年
1万円札と5千円札、千円札の紙幣が刷新されることになりました。500円硬貨についても新硬貨の発行が発表されましたが、5円硬貨については、今回も刷新が見送られました。60年前から同じデザインの5円硬貨は、漢数字のみの額面であることから「外国人には分かりにくい」と洋数字追加の要望がツイッターでたびたび出ています。またまた刷新が見送られた理由について、財務省に聞きました。(朝日新聞記者・丹治翔)
1959年に現在のデザインとなった5円硬貨は、稲、歯車、水が描かれた面に「五円」の文字があしらわれています。一方、反対側には双葉の絵と日本国の文字に加えて年号のみ。他の硬貨にはある洋数字の額面がありません。
洋数字がないことについては、ツイッターでの疑問のほかに、造幣局サイトのQ&Aでも取り上げられています。そこでは「数字や文字についても、その書体を含めた全てが貨幣デザインの一部であり、5円貨のデザインとして、算用数字のない現在のものが選ばれた」と回答されています。
新紙幣は、外国人が使うことも考慮して、洋数字の額面が表も裏も大きくなります。こうした事情もあり、9日の発表後は「外国人を意識するなら5円玉の漢数字をやめるべき」などとツイッターでつぶやかれています。
しかし、5円硬貨については「今回のタイミングでは、変更の必要性がなかった」と財務省。取材に応じた職員も、漢数字の額面のみに疑問が出ていることを把握していましたが、「図柄を変更すると、取り扱う機器の改修など影響が大きい」と話します。
以前造幣局を取材したときと同じく、「今の5円は社会に浸透し、レジの検銭部分や両替機などが現行のデザインを基に設計されているので、変えるのは難しい」という発想です。
一方、500円硬貨については、金額が大きいことから偽造を防ぐため、「紙幣と同様、定期的な変更がされている」と説明する財務省。5円硬貨が今後刷新されるかについては、「セキュリティー上、予定については答えられない」としました。
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