連載
#35 平成家族
副業あっせん170人、起業家が語る成功のコツ「今すぐ◯◯できる人」
「副業元年」とも呼ばれる今年、副業の関心は高まっています。便乗した詐欺も後を絶ちません。副業紹介サービスの会社を立ち上げた起業家に、副業で成功するコツを聞きました。
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#35 平成家族
「副業元年」とも呼ばれる今年、副業の関心は高まっています。便乗した詐欺も後を絶ちません。副業紹介サービスの会社を立ち上げた起業家に、副業で成功するコツを聞きました。
「やばい仕事ばかりだった」。働き方改革で「副業元年」とも呼ばれる今年、副業への関心は高まっていますが、中には便乗した詐欺も後を絶ちません。会社員時代、痛い思いをしたことから、副業紹介サービスの会社を立ち上げ、170人に副業をあっせんしてきた起業家に、ずばり聞きました。副業で成功するコツって何ですか?
副業希望者と企業をマッチングする「シューマツワーカー」(東京都)は、スタッフが「コンシェルジュ」として、本業と副業の両立ができるよう時間管理を手伝う、手厚いサポートが売りです。
社長の松村幸弥さんは「気持ち良く仕事ができるよう、コンシェルジュの人選も工夫しています。副業は1人でやることが多く、モチベーション維持が大切ですから」と話します。
確かに、かわいらしいコンシェルジュが、利用者とメッセンジャーで会話しています。稼働がうまくできていないと「作業量は合っていますか?」、逆に稼働時間が多すぎると「働き過ぎていませんか?」などと相談に乗ってくれるそうです。
かわいいコンシェルジュというキャラ設定にこだわる松村社長。もともとソーシャルゲーム会社の社員でした。「六本木で美女たちと裏社会に挑む」といったゲームなどのディレクターをしていたそうです。
ところが、渋谷で「金持ちになりたい」と息巻いていたある日、200万円の投資詐欺に遭い、借金を負うことに。給料だけでは返しきれないと焦り、副業を探しましたが、「やばい情報ばかりだった」。
その経験が「ちゃんと副業したい人が仕事できるようにならないといけない」と副業紹介のビジネスを始める動機になりました。
今は、都内中心に魅力のあるスタートアップ企業に絞って、80社の仕事を紹介しています。これまでに170人ほどに副業を紹介してきました。
松村さんのサービスに登録する副業希望者はエンジニアが7割ですが、デザイナーや人事、広報など人材はさまざま。まずはすべての希望者と面談をして、適性に合う仕事を紹介します。
自ら手痛い失敗を経験し、副業ビジネスの暗部も見てきた松村さん。副業を成功できる人について持論があるそうです。
それは……。
「『今すぐ返信』を徹底できる人ですね」
副業側の会社に行くのは週1回程度で、あとはリモートワークのため、いつも以上に密にコミュニケーションを取り、信頼を積み上げるのが重要とのこと。
「優秀な人材を得るために、会社側にも、正社員、派遣、以外に『副業社員』という選択肢が増えている」という松村さん。
いずれ、出身地の石川県など、人手が足りない地方企業に、都会の優秀な「副業社員」を派遣していきたいと話していました。
この記事は朝日新聞社とYahoo!ニュースの共同企画による連載記事です。家族のあり方が多様に広がる中、新しい価値観と古い制度の狭間にある現実を描く「平成家族」。今回は「働く」をテーマに、4月28日から公開しています。
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