2017年05月18日

臨死体験は国で違う?幽霊を130年研究?あなたの知らない心霊世界

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専門記者がこたえます

専門記者がこたえます

出典: 朝日新聞

 「わたし、霊感強いんだよね」っていう人、周りにひとりはいますよね。「死にかけた時に、死んだおばあちゃんが『まだ来るな』って言ってくれた」なんていうのも、よくある話です。こういう「霊」にまつわる話って、実は大まじめに調べられているそうですよ。専門家に聞きました。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

皆神龍太郎さん

皆神龍太郎さん

出典: 朝日新聞

 皆神龍太郎さん(ペンネーム)です。
 超能力から、ネッシー、ツチノコ、死後の世界、生まれ変わり、予言、水素水、ホメオパシーまで。超常現象かいわいのテーマを30年間取材し続けている、専門家です。
 (そして、朝日新聞社員です)

【超常現象を30年取材してるけど、質問ある?】
1.UFO編
2.フリーメイソン編
  前編 日常を知りたい
  後編 歴史を知りたい
3.ミステリーサークル編
4.ニセ科学編
5.心霊現象編(今回)

心霊現象研究会

超常現象に興味津々な若者たちを前に、語ってもらいました。

 

若者

「わたし、霊感強いんだー」っていう人っていますよね。「霊が見える」っていう人もいるし。うさんくさいけど、幽霊なら、なんかいてもおかしくないかなって思います。真面目に調査されたことってあるんですか?

 

皆神さん

心霊現象の研究自体の歴史は長いですよ。
1880年代に英米でほぼ同時に研究会が設立されて、すでに130年を超える歴史があります。

 

若者

そんなに長い間、調べ続けてるんですか!

 

皆神さん

研究歴は長くても、それで心霊現象が「ある」と証明されたというわけでは全くないというのが、これまたなんともなところですけどね。


「霊感が強いんだ」っていう人、いますよね(画像はイメージです)

「霊感が強いんだ」っていう人、いますよね(画像はイメージです)

出典: PIXTA

 

若者

幽霊に近いところで、「スピリチュアル」なものが好きな女性って多いですよね。
パワースポットとか、オーラとか、守護霊とか。いろいろグッズも売っていますし。

 

皆神さん

占いとかもそうですが、スピチュアルとかパワースポットなどに惹かれるというのは、なぜか女性の方が多いみたいですね。感性で惹かれているものに、「科学的にありえない」とか小うるさいことをいちいち言っても仕方ないので、
趣味の範囲でたのしんでくださいね
と、いう辺りがいいと思うんです。

ただその範囲をこえてのめり込んでしまうと、前にも言ったように、健康とか財産を失うことにもなりかねないのでご注意ください、というところでしょうね。


「パワースポット」のブームで参拝客が増えた静岡県熱海市の来宮神社。本殿奥に樹齢2千年超といわれる大楠がある

「パワースポット」のブームで参拝客が増えた静岡県熱海市の来宮神社。本殿奥に樹齢2千年超といわれる大楠がある

出典: 朝日新聞

科学で検証できない「天国」

 

若者

天国ってあるんですかね? 死後の世界とか。

 

皆神さん

むちゃくちゃ難しい質問ですね。
なにしろ、自分も未だ死んだことがありませんし、間違いなく私が行ったのは天国で、そこから再びこの世に戻ってまいりました、って確実にいえる人も誰もいませんからね。

 

若者

たしかに(笑)


死んだ後は何が待っている?(画像はイメージです)

死んだ後は何が待っている?(画像はイメージです)

出典: PIXTA

 

皆神さん

死後の世界とは違いますが、近いものだと臨死体験と呼ばれているものがありますね。死にかけた時に、三途の川が見えて、向こう岸に死んだおばあちゃんがいて、「あんたはまだ来なくていい」って言われたので帰ってきたら、ぱっと目が覚めて生き返った、とかいう体験です。

 

若者

あるある!

 

皆神さん

超常現象は、「ある」のか「ない」のかはっきりしないものですが、各種の研究によれば「臨死体験」という体験そのものは、間違いなく存在しているようです。

 

若者

おお、断言ですね(笑)

 

皆神さん

でもこの臨死体験は、あの世の存在を保証するものだとはいえないんです。
あくまで死にかけただけで、本当に死んだわけじゃないんですから。
だから、死にかけた状態の人間が見るビジョンや幻覚だと解釈するのが妥当でしょう。

で、その幻覚の中身なんですが、日本人だと、川があって、お花畑があって、あちらには死んだ人がいて、っていう感じが定番ですね。

 

若者

ええ。そういう話をよく聞きます。


青森・恐山の「三途の川」

青森・恐山の「三途の川」

出典: PIXTA

臨死体験のパターンって?

 

皆神さん

たとえば、死にかけた人が子どもだったとすると、どうなると思いますか? 
子どもって、大人みたいにすでに亡くなった知り合いなど周りにそういませんよね? 
となると、「向こう岸」に出てくる人がいなくなっちゃうわけです。で、その代わりに、学校の先生とか友達とか、今生きている人たちが出てくる場合があるそうなんです。
でもそれで「あんたはまだ来ちゃいけない」って言われても、「いやいや、そういうあなただってまだ死んでないでしょ」っていう事態に陥るわけです。

 

若者

「まだ来るな」はブレないんですね(笑)

 

皆神さん

どうやら、臨死体験にはパターンがあるようなんです。
体外離脱とかトンネルをくぐるといった感覚を感じるのは結構世界共通なのですが、あちらで出会う人には偏りが見られます。


「トンネルをくぐる」臨死体験(画像はイメージです)

「トンネルをくぐる」臨死体験(画像はイメージです)

出典: PIXTA

 

皆神さん

たとえばキリスト教徒だと、光の中にキリストが見えたり、仏教徒だとエンマ様が見えたり。
熱心なキリスト教徒でありながら、あの世で「エンマ様にあった」っていう話は、残念ながらまだ聞いたことがないですね。

つまり、その人がもっている考え方や宗教観、死生観などが瀕死状態の時にみる幻覚に影響を与えている可能性が高いわけです。

 

若者

へー。面白いですね。さっきも研究のお話しがありましたが、臨死体験も、まじめに研究されているんですか?

 

皆神さん

他の超常現象とちょっと違って、国際臨死体験研究会といった国際学会もあったりして、医師や心理学者、脳科学者などアカデミックな立場の人たちがかなり研究をしています。でもこれは「あの世」があると思ってやっている研究ではなく、あくまで瀕死状態の時に、人は何を見たり感じたりするのか、またその体験はなぜ起こるのか、といったことに関する研究です。


臨死体験は真面目に研究されている

臨死体験は真面目に研究されている

出典: 朝日新聞

「夢に出てきたおばあちゃん」はホンモノか?

 

皆神さん

昔、ある講演会で心霊現象について話をしていたら、会場にいた女性の方からこんな質問が出たんです。

「私は、死んだおばあちゃんが大好きだったのですが、その死に目に会うことが出来ませんでした。だから、そのことをずっと悔やんでいたんです。そうしたらある日、死んだおばあちゃんが夢に出てきてくれた。夢の中でおばあちゃんは、生前のお礼を私に述べて、さようならとあいさつして『あの世』に戻って行きました。それ以来、悔やんでいた気持ちはきれいに消えてしまったんです。死に目に会えなかった私のために、おばあちゃんが最後のお別れのあいさつをしに来てくれたんだって思っているんですが、これってどう考えれば良いんでしょうか」

と言われたんです。

 

若者

うーん……リアクションに困ります


死んだおばあちゃんが夢で語ったことは、本当?(画像はイメージです)

死んだおばあちゃんが夢で語ったことは、本当?(画像はイメージです)

出典: PIXTA

 

皆神さん

でもこれって、「勘違いだ!」とか「その解釈は科学的には正しくない!」とか言う筋合いのものなんでしょうか? 

その方のおばあちゃんに対する心残りが夢として現れた、そしてその夢のおかげで心のわだかまりはとけていった。それなら、それでいいじゃないですか。最後のお別れをわざわざ言いに来てくれた大好きだったおばあちゃんに感謝をして、その想いを胸に明日から前向きに生きていけばいい。
それだけのことでしょう?

こんなごく個人的な心の中の想いにまで、「それは科学的解釈じゃない」とか言って踏み込めるほど科学ってそもそも偉いもんなのかい、と僕は思いますが。

 

若者

白黒つけるべきだとも限らないわけですね

 

皆神さん

知人や世間を巻き込んで迷惑をかける、人の健康を害する、他人の金を巻き上げる、こういった問題がなく、趣味と呼べる程度の軽いものならば、そう目くじら立てて騒ぐほうが大人げないのでは。まぁ、しゃーないなという辺りの話でしょう。
我々は別に「科学」を信奉するために生きているわけでもないんですから。


――幽霊はいるのかいないのか。「謎のまま」がいいこともあるのかもしれませんね。次は「予言」です。

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出典:朝日新聞
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