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「小学卒業までに1回はプラモデル作りを」〝公衆電話〟話題のあの街

「プラモデル化計画」忠実に再現したオブジェのクオリティがすごすぎる

プラモデル化計画を進めている都市とは
プラモデル化計画を進めている都市とは 出典: 静岡市のHPより

目次

プラモデル出荷額が全国1位の都市はどこか知っていますか? その自治体が、着々と「プラモデル化計画」を進めています。プラモデルをイメージしたオブジェ「プラモニュメント」はSNSでも話題になり、多くの人が心を動かされました。「プラモデルや模型が盛んな街」という認知向上を目指す取り組みを取材しました。

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「プラモデル化計画」に取り組むのは

プラモデルの出荷額が全国トップで、8割以上のシェアを誇るのは、静岡市です。

4月下旬には、X(旧Twitter)でJR静岡駅北口にあるプラモデルの形をした公衆電話が話題になりました。「ランナー」と呼ばれる枠を模していて、2台の公衆電話が組み立て前のプラモデルのようです。

これは、静岡市が2020年から取り組むシティプロモーション「静岡市プラモデル化計画」のひとつ。「プラモニュメント」と呼ばれるオブジェで、公衆電話のほかにも、郵便ポストや自動販売機、灰皿など、現在12基が設置されています。

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自動販売機とベンチのプラモニュメント
自動販売機とベンチのプラモニュメント 出典: 静岡市提供

「プラモデル化計画」を担当する産業振興課プラモデル振興係の係長・石川直哉さんによると、計画には「環境づくり」「人材づくり」「コンテンツづくり」の三つの柱があるそうです。

「環境づくり」は、「静岡市=プラモデルや模型が盛んな街」という認知を広げていくこと。「人材づくり」は、ものづくりやプラモデルの魅力を発信する人を増やしていくこと。「コンテンツづくり」は、プラモデルに触れる機会を作っていくことを意味します。

行政だけではなく模型メーカーや地域の企業、市民など、多くの人が関わってプラモデルで街を盛り上げていくそうです。

「模型の世界首都 静岡」と書かれたプラモニュメント
「模型の世界首都 静岡」と書かれたプラモニュメント 出典: 静岡市提供

反響が大きかった〝公衆電話〟

プラモニュメントは日常に溶け込んでいるものを中心にデザインされています。2021年3月に市が郵便ポストなど4基を設置したあと、地域の企業や団体に呼びかけていきました。プラモニュメントを1基設置するためには300万~600万円程度かかるそうですが、250万円を上限として費用の2分の1を市が補助しているといいます。

デザインの監修はプラモニュメントのガイドラインをもとに市が担います。ガイドライン作成には、静岡県内に本社を構える模型メーカー・タミヤやハセガワ、青島文化教材社などのアドバイスを参考にしました。

ガイドラインをもとに、「ゲート(ランナーとパーツをつなぐ細い軸)」も再現しています
ガイドラインをもとに、「ゲート(ランナーとパーツをつなぐ細い軸)」も再現しています 出典: 静岡市提供

設置されている12基の中でも特に反響が大きかったのは、2022年にNTT西日本静岡支店が制作した公衆電話です。「ランナー(枠)」や「ゲート(ランナーとパーツをつなぐ細い軸)」に似せて作っているため、設置当時から「忠実に再現している、プラモデルに似せて作っているんだね、という反響が大きかった」と振り返ります。

今回再び話題になったことを受け、「プラモニュメントが一過性で終わらず注目を浴びているのは、みなさんの好評を得た証しなんだろうなと思います。引き続き注目いただいていることは大変ありがたいです」と話します。

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公衆電話のプラモニュメント
公衆電話のプラモニュメント 出典: 静岡市提供

小学校で出前講座も

石川さん自身、「プラモデル化計画」の担当になって、小学生のとき以来およそ30年ぶりにラジコンを組み立ててみたそうです。

石川さんが危機感を持っているのは「プラモデルを作った経験のある子どもが少ない」ということ。ニッパーやドライバーの使い方が分からない子どもたちもいるといいます。

2023年に開催された「静岡ホビーショー」で小中学生1292人にプラモデルを作る頻度について調査したところ、約7割が「ほとんど作らない」「作ったことがない」と回答しました。

「私たちの時代はミニ四駆ブームもあり、多くの子どもがプラモデルを作ったことがありました。今の子どもたちにも、地場産業である『ものづくり』を楽しんでもらいたい」と石川さんは話します。

「静岡ホビーショー」に子どもたちを招待し、プラモデルやものづくりの魅力をアピールしているそうです
「静岡ホビーショー」に子どもたちを招待し、プラモデルやものづくりの魅力をアピールしているそうです 出典: 静岡市提供

現在、「プラモデル化計画」の一環で、希望する小学校で市と模型メーカーが出前講座を開き、子どもたちにミニ四駆やロボットなどのプラモデルを作ってもらう活動をしているそうです。年間1000~1500人ほどが授業で地場産品であるプラモデルについて学んでいます。「子どもたちが小学校を卒業するまでの間に1回はプラモデルを作ってもらうのが目標です」

静岡市では今後も、プラモニュメントの数を増やして「プラモデルの街」をアピールし、12月には全国の高校生を対象にした「全国プラモデル選手権大会」を初めて開催するそうです。

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