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#33 #就活しんどかったけど…

「オワハラって本当にあるんだ」とっさのウソ 内々定辞退の苦い経験

「他社を見ないで」「すべて辞退を」と言われた学生

「オワハラ」の苦い経験を語ってくれました(画像はイメージです)
「オワハラ」の苦い経験を語ってくれました(画像はイメージです) 出典: Getty Images

目次

正式な内定を前に他社への就職活動を終わらせるように迫る「オワハラ(就活終われハラスメント)」。withnews編集部には、内々定を辞退をする際に悩んだという学生から体験談が届きました。内々定が伝えられた電話で、採用担当者から「ほかに受けている企業はありませんか?」「他社を見ないでくださいね」と言われ、とっさにうそをついてしまったという学生。「大学の就職課に相談して、企業に辞退を伝えた」と苦い経験を語ってくれました。

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就活しんどかったけど…

「他社を見ないで」「これで就職活動終わり」

「オワハラって本当にあるんだなと思いました」

九州地方に住む大学4年生の女性は、自身の就活をそう振り返ります。

大学3年生の終わり頃から企業にエントリーして数十社面接を受け、第一志望群だった3社に内々定しました。最初に内々定が出たのは5月頃で、ホテル業界だったといいます。

政府が経済界に呼びかけている就活ルール上では「正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降」となっています。内々定とは、正式内定前の〝約束〟のようなもので、法的拘束力はありません。

内々定の連絡を電話で受けた女性。吉報を喜びましたが、内容はそれだけではありませんでした。

「ほかに受けている企業はありませんか?」

ほかの業界も受けていた女性ですが、とっさに「ありません」と答えてしまったそうです。採用担当者からは「他社を見ないでください」「これで就職活動終わりですね」と念を押され、不安にかられたといいます。

「どうしても早く内々定がほしかったので、うそをついてしまいました。内々定をもらうことが最優先だったので、受けている企業は『ない』と言ったほうが近道かなと思ってしまって」

担当者からは内々定者向けの研修会も案内され、「拘束されているのでは」と感じたそうです。

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画像はイメージです 出典: Getty Images

「高圧的に感じた」電話

女性はうそをついてしまったことが気がかりで、後日採用担当者と別件で電話をする際に「実は選考を受けている企業があります」と打ち明けました。

すると、採用担当者から「全て辞退してください。他社を見てはいけないと言ったじゃないですか」と迫られたといいます。

さらに「どこを受けていますか?」「内定が出る時期は何月ですか?」と問われ、時期を答えたら「そこまで待てません」と返ってきたそうです。

そのやりとりを「高圧的に感じてしまった」と女性は話します。いったん電話を切り、女性は「内定辞退」についてネットで検索をしました。しかし、情報がありすぎて何を信じていいか不安に思い、大学の就職課に相談したそうです。

「『待てない』と言われたので、承諾するか、辞退するかの2択で今決めないといけないんだなと思いました」

就職課で内々定の書類やLINEの採用アカウントでのやりとりなどを見せると、「職業選択の自由を妨げる行為なので辞退をしてもいい」とアドバイスをもらったそうです。

その日のうちに採用担当者に電話をし、「御社のルールに則ると辞退しなければならないと思いました」と伝えました。

企業の姿勢に不快感を示す一方で、女性は内々定ほしさにうそをついてしまったことを反省し、後悔したと話します。

「『早く内々定がほしい』は誰もが通る道だと思いますが、うそをついてまでもらう必要はありませんでした。自分がモヤっとするし、気を付けないといけないと勉強になりました」

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オワハラ、14.7%が経験

2023年に経団連や日本商工会議所に対して政府が出した要請文によると、オワハラとは、「就職をしたいという学生の弱みに付け込んだ、学生の職業選択の自由を妨げる行為」としています。

就職情報会社マイナビが2024卒の学生を対象に「オワハラ」に該当する7つの具体事例を挙げて調査したところ、14.7%がいずれかの例に該当すると答えました。

最も高かったのは「他の企業の選考や内々定を辞退するよう言われた」(8.8%)。次いで「内々定承諾書を提出しない場合内々定を取り消すと言われた」(3.3%)、「他の企業の選考や内々定を辞退すれば内々定を出すと言われた」(1.9%)という結果になりました。

政府の要請文では、学生が安心して就活に取り組めるよう、学生からの苦情や相談に対応することを企業に求めています。

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