Q そもそもなぜ「ガクチカ」を書かせるのでしょうか?
採用担当者は、ガクチカや自己PRに、華やかなエピソードや輝かしい実績ばかりを求めているわけではありません。何にどう取り組んだかを見て、あなたがどんな人かを知りたいと思っています。
ガクチカが「補欠に選ばれました」でもいいの? と思った人いませんか? いいんです!
失敗や挫折があったときにどのように乗り越えたのか、目標を達成する過程で思うような結果が出なかったとしても、そのときどう取り組んだのかを企業側は知りたいのです。
コロナ禍の学生生活で、思うように活動できなかったという人もいると思います。それは採用担当者もちゃんとわかっています。
多くの制約があってモチベーションが下がるような状況でも、自分なりに考えて乗り越えてきたこと、コロナを言い訳にせずに行動してきたこと。たとえ地味な経験だったとしても自信を持って伝えてください。
Q ガクチカには「具体的な数字や、体験を盛り込もう」とアドバイスされますが、本当ですか?
例えば、以下のA/Bの文章を比べた場合、どちらが印象に残りますか?
<A> 高校時代はバドミントン部でした。初心者だったので全体練習に参加させてもらえず基礎練習ばかりしていました。一緒に入部した同級生はみな辞めてしまい、私も辞めたくなりましたが、負けずに頑張りました。
<B> 高校時代はバドミントン部でした。初心者だった私は、入部後3カ月間はほとんど体育館に入れてもらえず、毎日外周5キロ、素振り1000回からのスタートでした。毎日のように辞めたいと思いました。ですが、「負けてたまるか!」と仲間と励まし合いながら乗り越えました。40人いた新入部員の大半が辞めて、夏休み明けまで残ったのは私を含めて3人だけでした。この頑張りが認められ、夏休み明けの新人戦では補欠に選んでいただくことができました。
数字や体験をつづった<B>の方が、印象に残りますよね? 具体的なイメージがわくからです。
数字や具体例を出すことで、採用担当者とイメージの共有ができ、「確かにそうだよね!」と相手に納得してもらうことができるのです。
Q ガクチカでどんなことをアピールしたらいいのでしょうか? 主体性?コミュニケーション能力?
主体性でも、コミュニケーション能力でも、向上心でもなんでもOKです!
大事なのは、「主体性があります」と書くのではなく、主体性が感じられるエピソードを具体的に説明し、それにより採用担当者に「○○さんは主体性があるタイプなんだな」と感じてもらうことです。
アピールしたいことを自分から言うだけでなく、採用担当者に感じてもらう、それがポイントです。
また、就活では自己PR・ガクチカ・困難を乗り越えた経験など複数の質問をされると思いますが、アピールすることの「一貫性」を意識することも大事です。
Q 「ガクチカ」を盛らなくてもいいって本当ですか?
採用担当者により伝わりやすくなると思えば、少しくらい盛ってもいいですし(笑)、無理して盛る必要もありません。
ガクチカでは、何かしらの「結果」を出していないとダメ、「達成」していないとアピールにならないと思っている人が多いようですが、決してそんなことはありません。
目標に向かってひたむきに頑張った経験はそれだけで十分に素晴らしいことです。思うような「結果」を残せていなくても大丈夫。だって、実際に働きだしてみれば上手くいかないことの方が圧倒的に多いのです。
苦しくても、上手くいかなくても、腐らずに前向きに頑張れること、その小さな努力の積み重ねがいつか大きな成果につながることを知っていること、これこそが大きなアピールポイントです。