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マハラジャで〝シニア婚活〟の男女「結婚がゴール」ではない出会いも

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東京・六本木のディスコを埋めつくして楽しそうに踊るのは、50~60代の男女たち。「シニア婚活」のパーティーのようすです。どんな思いで参加したのか、現場を取材しました。(朝日新聞記者・富永鈴香)
東京・六本木のディスコ「マハラジャ」で4月に開かれたイベントで、自分の親世代の男女が出会いを求めて踊る光景を目の当たりにしました。
会場には、周囲より一段高く目立つ「お立ち台」があります。ダンスタイムが始まると、女性たちは我先にと、そのお立ち台に上ります。
そんな女性たちに熱視線を送りながら、男性たちも力いっぱい身体を動かしていました。
開かれていたのは、シニア婚活のパーティー。予定の2時間が過ぎても、集まった50~60代の男女約100人に帰る様子がありません。ほとんどが延長戦に参加していました。
記者はあまりの熱気に圧倒されました。
ある50代男性は「みんなで誘い合って踊って、今の50代、60代のパワーはすごいよね」と語ります。
60代女性も「若い世代に負けていないよ」と話していました。そう、参加するみなさんは若々しいと感じました。
いま、シニア向けの婚活市場は活況だといいます。熟年離婚や晩婚などの広まりを背景に、参加者は増加傾向です。
出会いを求める積極的な姿勢は若い世代と同じ……。いや、上回っているかもしれません。
一方で、取材を深掘りしようと1人ずつ話を聞いてみると、その熱気の裏に、シビアで切実な現実が見えてきました。
離婚歴のある女性に結婚観を聞くと、相手に求めるのは「人相」「お金より正しいことしてくれる人」とのこと。
多くは語りたがりませんでしたが、離婚に至るまでの苦労が垣間見えました。
複数の男性は「孤独死」への恐怖を口にしていました。
新鮮だったのは、少なくない「婚活」パーティーの参加者たちが、「必ずしも結婚をゴールにしていない」と語っていたことです。
「結婚が前提」の価値観が、シニア世代でも変化していると感じました。