連載
#11 #就活しんどかったけど…
「就活生が知りたい情報」は?「10分で業界研究」できる動画が好評
現役の大学生・大学院生たちが運営に関わるYouTubeチャンネルがあります
「OB・OG訪問/インタビュー」「業界研究」「大学別就活シリーズ」「就活生密着」「24卒座談会」「ニュース(本選考・インターン締切)」ーー。
YouTubeチャンネル「名キャリ」には、ジャンルごとに数多くの動画が並んでいます。
チャンネルは、動画制作事業などを手掛けるBETA(名古屋市)が2019年に立ち上げました。
当時、YouTube上で就活について情報収集できる機会は少なく、同社にインターンをしていた学生たちから「もう少しカジュアルに企業がYouTubeに出てほしい」「学生と企業の垣根をなくしてほしい」と言われたことがきっかけだったそうです。
立ち上げ当初は、インターン生である2021年卒の名古屋大学の学生が、業界研究をして、視聴者の就活生に理解を促すコンテンツを中心に配信していました。現在は、企業と連携して業界や業種を伝えるコンテンツにも力を入れています。
業界研究や企業研究にとどまらず、今まさに就活をしている学生が知りたいことを、学生目線で発信している点もチャンネルの特徴です。
「25卒インターン・本選考締切【9/25~9/30】」「【25卒就活】これだけで面接変わります【実践編】」「サマーインターン終わって、どんな感じ?【雑談会】」「24卒就活生の失敗から学んでおきたいこと【9月~12月】」といった具体的なコンテンツは、学生から好評を得ているといいます。
現在、BETAでインターンをしている学生からは、「学生同士で就活状況を話したり、ナレッジシェアをしている動画が参考になった」「インターンシップのESの締め切りカレンダーの動画が助かった」という声がありました。
同社のYouTube担当者は、就活生から支持されるコンテンツの背景には「学生主体、学生目線にこだわった運営」があると話します。
2019年以降、同社の拠点がある名古屋や東京のインターン生70人がコンテンツ企画や出演、営業にかかわってきました。
就活中の学生や、就活を終えた学生が出演しており、視聴者は就職活動についてリアルな声を聞き、同世代の就活事情や進捗状況も知ることができます。
「OB・OG訪問/インタビュー」や「業界研究」のコンテンツなどで企業にインタビューする際の質問も、学生の「知りたい」がいかされているそうです。
チャンネルの開設はコロナ禍とも重なり、登録者を伸ばしていきました。
「オンラインで情報収集せざるを得なかった状況が、追い風になったのかもしれません」と担当者は話します。
2024年卒の大学生は、入学時からコロナ禍で人との接触が制限されていたため、友だち同士の情報交換や、これまで対面でできていたOBOG訪問、就活相談も難しい状況でした。
そんななか、YouTubeで学生が就職人気企業の社員に業界の成長性ややりがい、年収など「ぶっちゃけ」話を聞くコンテンツを見られることが、「学生のニーズとマッチした」と手応えを感じています。
「スーツを着なくても家で10分ほどで業界研究ができる。『動画で就活するのいいよね』と、就活情報がカジュアルに取得できる世界を作れたかなと思います」と話します。
「ここで慢心せず、学生インターン主体で今までになかったコンテンツをさらに作っていきたい。就職活動においてなくてはならないようなインフラになるのが、我々の目標です」
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