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連載

#30 特派員フォトリレー

【激ムズ】世界のどの国かわかる? #おみやげクイズ、写真にヒント

えっ、ハンドクリームが甘くて辛くてすっぱい?
えっ、ハンドクリームが甘くて辛くてすっぱい?

目次

さあクイズの続きです。世界のあちこちに住む朝⽇新聞の特派員が、おみやげの写真を各地で撮ってきました。ですが、誰でも知っている名物ばかりではありません。あなたはどの国のおみやげか、見分けられますか? 手加減なしの難易度です。(朝日新聞国際報道部)
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おみやげクイズ前編はこちら→【ちょいムズ】世界のどの国かわかる? #おみやげクイズ、写真に…

まずはわかりやすいところから

 というわけで、まずは写真をお見せします。いったいどこのおみやげなのか、国や地域の名前をお答えください。

 では始めましょう。まずは1カ所目から。写真は2枚、モノとしては3種類ありますが、共通しているのがデザインです。

 とは言え、デザインだけで分かったらよほどの通。むしろ、ジャージの胸のあたりにかかれている文字に注目した方がわかりやすいでしょう。この国にある航空会社の名前です。
かっこいいデザイン
かっこいいデザイン
胸のあたりに大ヒントが!
胸のあたりに大ヒントが!
 正解はオーストラリアでした。ジャージの胸にあるのはカンタス航空のロゴですね。小暮哲夫記者から。
 「オーストラリアの先住民、アボリジナルピープルのアートです。独特の絵は魅力的ですが、買うと数万円はします。

 手軽なのはアートの図柄がほどこされた石。伝統的に狩猟に行く際に持っていったそうです。また、絵そのものは変えなくても、マグネットなら手頃な値段。主な図柄がどんな意味があるかを説明してくれるマグネットも売っています。

 ラグビー豪州代表ワラビーズのジャージにも、この先住民アートのデザインをほどこしたものがあります。昨年、シドニーで売っていたものを衝動買いしました」
 2カ所目は袋詰めのキャンディーです。売っている国の名前はすぐにわかると思いますが、できれば都市名までお答え下さい!

 実はしっかり、袋に書いてあります。
おじさんの顔がどーんと載ったキャンディーです
おじさんの顔がどーんと載ったキャンディーです
 正解は中国・瀋陽です。平井良和記者。
 「『君はもちろん林さんを知っているな?』……そう問いかけてくるような顔写真の迫力。

 林さんが創業し、瀋陽人なら知っていないといけない、瀋陽では有名なお菓子メーカー『不老林』の新作キャンディー。左からチョコレート味、ゴマ味、ハッカ味です。育毛剤ではありません」

ラスタカラーでこんにちは

続いて3カ所目はこちらのお菓子。一見、どこにでもありそうですが……。
あまーいお菓子です
あまーいお菓子です
 正解はアルゼンチンでした。よく見ると、パッケージに「アルヘンティーノ」って描いてありますね。遠田寛生記者から。
 「アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスのエセイサ国際空港で店員さんから勧められたお菓子です。名前はアルファホール。

 日本でいうチョコパイのようなスイーツで、『甘党ならばぜひ試してみて』と言われて購入しました。とっても甘いです」
 4カ所目です。いきなり難易度が上がりますが、並んだ写真からこのおみやげたちが売られている国を類推してみてください。
これは日本でいう太鼓です。派手な色使いにご注目
これは日本でいう太鼓です。派手な色使いにご注目
やはり楽器です。店員さん大あくび
やはり楽器です。店員さん大あくび
鳩の形をした壁掛け。キリスト教に関係しています
鳩の形をした壁掛け。キリスト教に関係しています
やはり鳩の形をした壁掛けです
やはり鳩の形をした壁掛けです
 正解はブラジルでした。岡田玄記者。
 「写真は、ブラジル北東部バイーア州サルバドールで撮影しました。

 サルバドールはブラジルの最初の首都で、中心部は歴史地区として世界遺産にもなっています。ブラジルのカトリック教会の中心的な場所でもあり、アフリカ大陸から砂糖などの農場での労働力として連れてこられた黒人たちの子孫が多く住む土地。おみやげも、そんな歴史を反映しています。

 まず太鼓は、オルドゥンという太鼓だけの楽団で使われるものです。伝統的な楽団かと思いきや、実は1980年ごろに始まり、90年代に人気になったもの。

 この色、何かに似ていませんか。そう、レゲエのラスタカラー。オルドゥンそのものが、黒人の権利獲得や黒人解放運動と結びついたため、ラスタファリ運動の影響を受けたと考えられます。

 店番のお兄さんがあくびしている写真は、カポエイラで使われる楽器『ビリンバウ』。弓のような形をしていて、リズムをとります。

 カポエイラは、植民地時代からサルバドールなどを中心にブラジル北東部で発達したとされる踊りです。踊りのふりをして、黒人奴隷が支配層の白人に反抗する戦いの練習だったという説もあります。そのため、禁じられることもありましたが、生き残りました。現在、広まっているカポエイラには空手の影響もあると言われています。

 鳩の形をした壁掛けは『ジビノ・エスピリトゥ・サント』です。カトリック教会の中心地だけあり、信仰に関わるお土産です。キリスト教の、神、イエス、聖霊の『聖霊』がこれです。鳩の後ろに光りがでている様子を木彫でつくっています。家のドアの上などに飾ります」
 さて、5カ所目。こちらは中東全般で広く見られる木の実で、どの地域で採れたものなのかを写真だけで判別するのは現地の人でも不可能でしょう。

 LUNA SEAやX JAPANのギタリストとして知られるSUGIZOさんが最近、難民支援のライブをしたことで話題になりました。
日本の食べ物でたとえると、干し柿に近いような味がします
日本の食べ物でたとえると、干し柿に近いような味がします
 正解はパレスチナでした。渡辺丘記者です。
 「お土産の写真はパレスチナ最古の町といわれるヨルダン川西岸エリコ産のデーツ(なつめやしの実)。中東土産の定番ですが、会社に持って行くと、その見た目からか意外に不人気だったりします。

 ただ、これは『デーツの王様』とも呼ばれるメジョールデーツ。スッキリした品の良い甘みが特徴で、断然おいしいです。地元の養蜂農家サミーさんの庭のなつめやしの木からとれたものをもらいました」

その発想はなかった!

 6カ所目も中東から。空港のみやげもの店で撮った写真です。
この国で昔使われていたお札です。このヒゲの男性、見覚えありますか?
この国で昔使われていたお札です。このヒゲの男性、見覚えありますか?
日本でいうペナントでしょうか。右上のものにこの国の形が書かれています
日本でいうペナントでしょうか。右上のものにこの国の形が書かれています
なぜかテンガロンハット。国旗の色に染まっています
なぜかテンガロンハット。国旗の色に染まっています
 正解は、イラクでした。高野裕介記者。
 「南部の油田地帯バスラの空港では、首都バグダッドの空港よりもお土産が充実していました。理由は不明ですが、オイルビジネスで外国企業の人たちが訪れることも無関係ではないかもしれません。空港の係官も『お~、ジャパニーズ!』となんだか外国人になれた様子でした。空港からは火をあげる油田がいくつも見えます。

 ただ、バスラでは高い失業や公共サービスへの不満から、今夏はデモが頻発。一部が暴徒化し、州庁舎が焼き打ちされるなどの被害が出ていて、早く安定することを願うばかりです」
 7カ所目。これは手に塗るクリームです。ヒントはイラスト。日本人にもおなじみの、この国の名物料理が描かれています。
チューブに入ったクリームです
チューブに入ったクリームです
拡大してみました
拡大してみました
 正解はタイでした。驚きのクリームについて、吉岡桂子記者から伝えてもらいます。
 「タイを代表するスープ、酸っぱ辛いトムヤムの香りがするハンドクリーム。バンコク中心部にあるセントラルデパート内のドラッグコーナーで買いました。130バーツ(約500円)。まさに、あのトムヤムクンの香り。ライムの香りも入っているそうですが、打ち消されている感じ。

 友人に渡したあと、自分でも使ってみました。うーん。果たして、お味噌汁が好きな外国人旅行客が、自分の手に帰国後もお味噌の香りを塗りたいだろうか、と思うほど、リアル。トムヤムクンが大好きな方は、ぜひ。

 ほかにも、タイのデザート、もちごめ&マンゴーやドリアンアイスクリームの香りのものも並んでいました」

 文章だけ読むと、おふざけタイプのおみやげなのかという印象を持ってしまいますが、ハンドクリームとしてガチの見た目なんですよね。イラストちっちゃいし、バッグからさっと取り出しても違和感なさそう。いやあ、奥深いですタイ。

用途をあててください

 さて、最後の問題なんですが、これは世界各地で集めた「同じモノ」です。そこで、国名や地名ではなく、これはいったい何なのか、何に使うものなのかを当ててみてください。
様々な柄がありますが、カップではありません
様々な柄がありますが、カップではありません
カップよりも大きさとしてはかなり小さいです
カップよりも大きさとしてはかなり小さいです
金属製のものもあります。この写真、大ヒントです
金属製のものもあります。この写真、大ヒントです
 正解は「指ぬき(シンブル)でした。ベテランの沢村亙記者です。
 「特派員になりたてのころ、出張先で時間があると、気張って大きなお土産(食器とか)を購入したこともありましたが、これが実に家族の間でなんとも評判が悪いのです。

 まず帰国した時に、わがウサギ小屋の自宅には置き場所がない。ほとんど使わない。そもそも何よりもセンスが悪い……。そのうち、出張から戻る度に『まさかお土産は買ってないでしょうね』と言われる始末。

 そんなときに、小さくて置き場所に困らない(しかも安い)、いいお土産を見つけました。ご存じの方はご存じと思いますが、シンブル、『指ぬき』です。もともとは縫い物をするときに指先を保護する裁縫用具ですが、これは実用のものではなく、飾りです。

 欧州各国や米国、カナダなどでは、ご当地の『指ぬき』がほぼ必ずといっていいほど売られています。いまやたまりにたまって400個ほど。オランダのものは風車がついていたり。定番の陶器製だけでなく、金属製や木製も。ドイツにはジョッキの形のものもありました。

 旅情とともに、ああ、あの時は取材が大変だったなあ、などさまざまな記憶がよみがえります」

 いろいろな国や地域で集めやすく、置き場所に困らないものと言えばピンバッジやキーホルダーが定番。ですが、コレクションするならこのシンブルも楽しそうですね。「しかも安い」というのがポイント高いです。

 そういえば、日本を訪れる外国人観光客に、小銭を消費できるガチャガチャが人気なんだそうですね。あれが世界中にあったら楽しいのに……。

 というわけで、以上です! お疲れさまでした。あなたは何問わかりましたか? 以上、おみやげクイズでした!

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