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2017年05月05日

その芸名「親の顔が見たい」と言われても貫く理由 社会の多様性問う

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自分の芸名を「社会の多様性を見る一つの指標」と語るぱいぱいでか美さん

自分の芸名を「社会の多様性を見る一つの指標」と語るぱいぱいでか美さん

 バラエティー番組や音楽ライブで幅広く活躍するタレントのぱいぱいでか美さん(26)。ちょっとドキッとする芸名を貫くのにはワケがありました。彼女の考える「生きやすい社会」とは――。


ツイッターではたたかれました

――CDデビューした2014年、バラエティー番組「有吉反省会」(日本テレビ系)に出演するようになり、全国区になりました。

 テレビに出たことで、男女問わず幅広い世代から応援していただけるようになりました。ただ、ツイッターでは「親の顔が見たい」「ブスが調子乗ってる」などとたたかれました。

 芸名だけ見ると仕方のないことですが、「性を売りにする下品なタレント」と勘違いされ、音楽表現の思いが伝わらないのはつらかったです。

 でも、芸名を変えたいと思ったことは一度もないんです。芸名のお陰で、テレビに出させてもらえたし、覚えてもらいやすいし、インパクトも強いし、いいことの方が断然多かったので。

「芸名を変えたいと思ったことは一度もない」という

「芸名を変えたいと思ったことは一度もない」という

先輩につけられたあだ名です

――芸名の由来は何ですか?

 元々は、専門学校時代に入っていた隣の大学のバンドサークルの先輩につけられたあだ名です。理由は「サークルの中で一番胸が大きいから」。

 それまであだ名らしいあだ名がなかったので、うれしくて軽い気持ちで即採用しました。最初はメンバーですら恥ずかしがるほどだったので、後々まで使い続けるとは思ってもいなかったですね。

ぱいぱいでか美さんのニューシングル「PPDKM/桃色の人生!」(限定版)=パーフェクトミュージック提供

ぱいぱいでか美さんのニューシングル「PPDKM/桃色の人生!」(限定版)=パーフェクトミュージック提供

――あだ名への反応は?

 アマチュアバンド時代はライブで自己紹介すると、男性客から苦笑されたり、女性客から「何その名前、絶対無理」と露骨に嫌悪感を示されたり。ただ楽しくやって目立ちたいだけで、コンセプトは特になかったんですが。

 親に言うのはさすがに勇気が要りましたけど、反対されるどころか、「覚えやすいし面白いじゃん」と好意的でした。こういう親だから、私もこのあだ名を気に入ってしまうんだなと(笑)。

女性客から「何その名前、絶対無理」と露骨に嫌悪感を示されることも

女性客から「何その名前、絶対無理」と露骨に嫌悪感を示されることも

中学時代はジャスコが遊び場

――生まれも育ちも三重県ですね。

 松阪市の実家は辺り一面、田んぼだらけ。父はサラリーマン、母は専業主婦で、やりたいことを自由にやらせてくれる放任主義の両親でした。

 小さな頃から「ハロー!プロジェクト」などアイドルが大好きで、歌手になるのが夢でした。

 中学時代はジャスコが遊び場。ガタガタのあぜ道をチャリで走って学校と塾に通いました。塾の帰り道、コンビニで肉まんを買って食べるのが楽しみでした。

芸能活動の原点はハロプロだったというぱいぱいでか美さん=パーフェクトミュージック提供

芸能活動の原点はハロプロだったというぱいぱいでか美さん=パーフェクトミュージック提供

「自分は自分でいい」と割り切る

――高校時代の思い出は?

 行動範囲が広がり、ライブを見によく名古屋に出かけました。終電で帰っても両親にうるさく言われることはありませんでした。

 学校では難関大を目指す同級生の中で音楽関係の専門学校を志望していたのは私だけでした。周りは受験モードなので、悩み相談ができないのはつらかったな。

 でも、両親は歌手の夢を応援してくれていたので、「自分は自分でいい」と割り切ることができました。

「両親は歌手の夢を応援してくれていた」という

「両親は歌手の夢を応援してくれていた」という

先入観に縛られない表現を

――女性として芸能活動をする中で違和感を感じたことはありましたか?

 グラビア活動をしたり、露出の多い衣装を着たりしていると、ネット上で男性から「若いうちからこんな仕事したらダメだ」と「説教」されることがあります。

 私はグラビア活動が好きだし、水着の種類も露出の程度も自分で決めているんです。

 でも残念なことに、グラビアは「男性に消費されるモノ」という偏ったイメージがある。私は男性に喜んでもらえるセクシーなポーズをするのも好きですが、女性から「きれいな体」と楽しんでもらえるのもうれしいんです。

 先入観に縛られずに自由に表現できるようになれば、もっと多くの女性が芸能界で活躍できるんじゃないでしょうか。

胸を強調した衣装をあえて着る=パーフェクトミュージック提供

胸を強調した衣装をあえて着る=パーフェクトミュージック提供

無意識に刷り込まれた感情

――とはいえ、まだまだ風当たりも強いのでは?

 この芸名がたたかれる背景の一つに「女性なのに下ネタなんてはしたない」という考えがあるのだと思います。社会には、そんな無意識に刷り込まれた感情がたくさんあります。

 「女性だから上品にしないと」「花束を渡すのは女性」「男だから荷物持ってあげないと」。誰かが決めた女性らしさ、男性らしさに縛られる必要はなく、「その人らしさ」を互いに尊重し合えたらいいな、と思います。

ぱいぱいでか美さんのニューシングル「PPDKM/桃色の人生!」(通常版)=パーフェクトミュージック提供

ぱいぱいでか美さんのニューシングル「PPDKM/桃色の人生!」(通常版)=パーフェクトミュージック提供

生きづらい人、少しでも自由に

――そうなったら、もっと生きやすい社会になりますね。

 今こうして私が活動できていること自体、以前と比べれば自由になってきていると思います。芸能界ほどでなくても、個性を認め合う雰囲気が社会全体に広がれば、もっと居心地が良くなるかもしれないですね。

 「ぱいぱいでか美」が受け入れられるかどうかも、社会の多様性を見る指標の一つになると思います。

 「自分は自分」という思いで、芸名を貫いたからこそ、今の自分があると思っています。生きづらさを感じている人が、テレビなどで私の活動を見て少しでも自由になってくれたらうれしいです。

     ◇

ぱいぱいでか美(本名・仲井優希=なかい・ゆき)。1991年、三重県松阪市生まれ。津高校を経て、東京の音楽専門学校に進み、バンド活動を始める。2015年のNHK紅白歌合戦に、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のバックコーラスとして出演した。4月にニューシングル「PPDKM/桃色の人生!」が発売された。

ぱいぱいでか美さん 芸名で「社会の多様性」問うタレント
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ぱいぱいでか美さん。「もはや私のパーツのひとつ」というバラエティー番組用の衣装でインタビューに応じた=東京都内
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