話題
「恋に落ちて食欲がなくなる」この気持ちに名前はある?世界を探すと
チリ・イースター島の「ラパヌイ語」では…
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チリ・イースター島の「ラパヌイ語」では…
恋に落ちて食欲がなくなる。好きな気持ちが高まって、相手のことが頭から離れなくなる。この気持ちに名前があったらーー。日本語ではひとことで表せない気持ちを、世界中の言語で表現した展示会が東京都内で開かれています。主催した大学生は「世界にはおもしろい言語がたくさんある」と話します。
2月3日、東京・渋谷で展示会「#この気持ちに名前があったら展 ~恋の語彙力、アップデートしよ?~」が始まりました。
「世界のことばで恋バナする」をコンセプトに、世界の様々な言語の中から「自分の気持ちにぴったりの言葉」を見つける企画です。
会場には、恋愛にまつわる気持ちと世界中の言語が書かれたパネルが30枚以上展示されています。
例えば、「恋に落ちて食欲がなくなる」という状況は日本語の単語で表すことができませんが、チリ・イースター島で話されている「ラパヌイ語」には、「Manabamate(マナバマテ)」という言葉があります。恋に夢中で胸がいっぱいになる感覚を指すとされる言葉です。
「好きな気持ちが高まってその人のことが頭から離れなくなる」状況を表すのは、インドネシア・ジャワ島の西部で話されている「スンダ語」の「Kasmaran(カスマラン)」。
「誰かが来るのが待ち遠しくて何度も外を確認する気持ち」は、「イヌクティトゥット語」で「Iktsuarpok(イクツァルポク)」。イヌクティトゥット語は、イヌイットの人々に話されている言語です。
日本語では、「蛙化現象」(好きだった相手が自分に好意を持って両想いになった途端、その人に対して興味を失う心理現象)が紹介されていて、恋愛を表す言葉の幅広さも感じられます。
パネルのほか、映像や比喩を使った展示で言語を楽しめる仕掛けもありました。
会場のモニターに流れていたのは、チリの先住民族の「ヤーガン語」をテーマに大学生の恋を描く短編映画です。
ヤーガン語は、2022年に最後の話者が亡くなり、事実上消滅した言語とされています。
お互いが望んでいるけれど、どちらも行動を起こそうとしないことを意味する「mamihlapinatapai(マミラピンアタパイ)」という言葉から着想を得ました。
比喩を使った展示では、関連する作品のそばに世界の言語の直訳と比喩が書かれていました。
例えば、キャベツが入った電子レンジ。上にはイタリア語で「Cavoli riscaldati(カーヴォリ・リスカルダーティ)」、日本語で「温め直したキャベツ」と書かれた紙とスタンドが置かれています。
紙をめくると「一度終わった恋をやり直そうとすること」という説明が出てきます。
直訳からは想像しにくい言葉の世界に触れられる展示です。
展示を企画したのは、大学生8人でつくるグループ「kotoha(コトハ)」。
「世界のことばでエンタメをつくる」をミッションに、世界中の言語の魅力を映像や企画展、商品開発を通して人々に届けるプロジェクトを進めています。
「翻訳できないことば」をテーマに、これまで3回展示会を開いてきました。
今回はバレンタインデーを前にした展示会で、「恋」をテーマにしました。企画したきっかけは、メンバー同士の恋バナ(恋愛話)。話の中で「ネタ」として世界各地の言語を混ぜたときに盛り上がり、展示のコンセプトにしたそうです。
共同代表で慶應義塾大学4年生の巴山未麗さんは、「日本語ではなんと表現したらいいかわからない気持ちも、世界の言葉ではぴったりの名前があります。自分のモヤモヤや気持ちを表現できる言葉と出会えるはずです」と話します。
入場料は1000円(小学生以下無料)。2月9日まで、渋谷モディ(東京都渋谷区神南1丁目)1階イベントスペースで開かれています。
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