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ヒロト&マーシーのあふれるアナログ愛 あの名曲に隠された誕生秘話

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利が、アナログ盤への思いから、あの名曲の誕生秘話まで語り尽くした。かつてのインタビューを振り返る。

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影 出典: 朝日新聞

 新作アルバム「JUNGLE9」を引っさげ、全国ツアー中のザ・クロマニヨンズ。CDとモノラル録音のLPレコードを同時発売するなど、アナログ盤にこだわっています。アルバム「YETI vs CROMAGNON」(2013年)発売時の朝日新聞によるロングインタビューでは、ボーカルの甲本ヒロトとギターのマーシーこと真島昌利が、あふれるアナログ愛や名曲の誕生秘話を語っていました。定額制ストリーミングや動画サイトなど、音楽の聴き方が多様化する今、改めて当時のインタビューを振り返ります。

「楽しく演奏する。それを、テープレコーダーまわして録音する」

 ――アルバムタイトルは、いつも通り、なりゆきで、という感じですか。

 マーシー 意味はないですね。

 ヒロト 今から考えるのも大変なので……。

 ――レコーディングは楽しく進められましたか。

 ヒロト うん、楽しいよ。レコーディングっていうか、演奏するだけです。楽しく演奏する。それを、テープレコーダーまわして録音すれば残るだけで。

 ――あっという間に終わってしまう。

 ヒロト そうですね。やっぱり3分間の曲は、どうしても3分間かかりますよ。はい。

 ――前回のスタジオは、出前がおいしかったみたいですね。今回はどうでしたか。

 マーシー 今回は前回と別のところで。出前スポットはないけど、歩いて食べに行ったりしたよ。それも楽しさの一環。

「皆さんがCD屋さんで買うやつは、アナログのダビングものです」

 ――2009年の「MONDO ROCCIA以降、モノラル録音のアナログ盤も並行して出していますね。

 ヒロト 僕たちは普段から、楽しみとしてアナログを聴くんですよ。だから、CDはつくらなくてもいいんですけど、CDほしがる人がいっぱいいるから。僕は聴かないんですけど。だから、「CDも」出してます。

 僕らのCDは、まずアナログ盤をつくって、それをレコードプレーヤーでかけるんです。そこからCD-Rに落とす。そうやってつくってるんですよ。皆さんがCD屋さんで買うやつは、アナログのダビングものです。

 デジタルマスターから直接、CDをつくるのではなくて、アナログをかけて。だからね、大変なんですよ。ホコリとかでパチッというと、その音が入っちゃうから。もう1回やらなきゃいけないし。

 ――こういうやり方をしているのはクロマニヨンズだけでは。

 ヒロト もう少しいるかな。でもすごく少ないと思う。すごくめんどくさいけれど、やらなきゃ……CD出さないわけにもいかないもんねえ。

 ――直接デジタルから音をとるのではなく、アナログ盤を経由することで、やっぱり音は変わりますか。

 ヒロト きっかけはね、ある日、自分の家に録音のできるCD-Rのマッシーンを導入した時に、レコードをCDにダビングしてかけてみたんです。そうしたら、市販のCDよりもその方が好きだったんですよ。いい音かどうかは分からないんですけど、好きな音だった。

 それは、お料理の味見と同じなんです。どこがいいとかなんかわかんないけど、「あ、うめっ!」っていう感じ。「こっちの方がおいしい」と思ったらさ、料理人としてはそっちを出すでしょ、お客さんに。一手間かけた方がおいしかったんだからさ、それをはしょってお客さんに出すことはもうできないよ。

ザ・クロマニヨンズの最新アルバム「JUNGLE9」
ザ・クロマニヨンズの最新アルバム「JUNGLE9」

「ロックンロールバンドはモノラルでガン!ときてた方がいい」

 ――マーシーさんも同じようにアナログを聴いていたんですね。

 マーシー 今でも聴いてるし。なんか好きなんですよ、アナログの音が。口で言うのは難しいですけど。

 ヒロト 僕は、人間って感動した時に、涙が出たり、鳥肌がザーッとたったりとか、こらえきれない体の反応ってあるじゃないですか。もちろん、心が反応して、体が反応するんだけど、目に見える反応。「うわ、すごい鳥肌立ってる」とか、人に見せられない顔で泣いてたりとか。アナログでレコードを聴いてると、日々、そういう体験をするんですね。でもCDだと、そういうことがめったにない。その理由は知らない。

 ――以前のインタビューで「レコードには宇宙的で莫大(ばくだい)な情報が入ってる」とおっしゃってますね。

 ヒロト そう感じるんだよ。実際のところは知らないよ。それも人それぞれだからね。

 ――アナログでやる時に、ステレオでなくモノラルで、というのは自然な流れだったのでしょうか。

 マーシー うん。ロックンロールバンドはモノラルでガン!ときてた方がいい。僕自身もレコード聴く時は、そういうバンドのレコードってモノで聴きたいし。

 ヒロト 今は、色んな人のレコードがステレオ盤とモノラル盤、一緒に発売するなんてことないでしょ? だから、聴き比べることもできないよね。だけど、1960年代のステレオっていうシステムが世の中に普及し始めた頃は、モノラルとステレオが同時に発売されてたんですよ。たとえばビートルズや、ローリング・ストーンズの初期の時代には。

 僕らは両方聴き比べることができたんですよ。それで僕らの好みとして、モノラルの方をよく聴くんですね。

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