MENU CLOSE

エンタメ

17654

ヒロト&マーシーのあふれるアナログ愛 あの名曲に隠された誕生秘話

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利が、アナログ盤への思いから、あの名曲の誕生秘話まで語り尽くした。かつてのインタビューを振り返る。

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影 出典: 朝日新聞
ザ・クロマニヨンズ
ザ・クロマニヨンズ 出典: アリオラジャパン

「親におねだりして、自分で意識して買ったのは…」

 ――お2人が最初に買ったレコードは何ですか。

 ヒロト 親におねだりして、自分で意識して買ったのは「チキ・チキ・バン・バン」かなあ。「チキ・チキ・バン・バン」の映画を見て、すごく楽しかったので、「そんな気持ちにいつでもなりたいな。あの音楽をレコードで買って帰って、家でかけたら、また思い出せるし、楽しいな」と思って、親におねだりして、シングル盤買ってもらったんですよ。7歳とか6歳の時に。

 で、その時に、親は僕のそんな心がわかったのかわかってないのか、日本語版のシングル盤を買ってきちゃった。僕はあの映画の、あの気分を味わいたいから、英語版でよかったんですよ。だけど、子どもには英語版よりこっちの方がいいと思ったんだろうね。日本語版は山本リンダさんが歌っていて、親には申し訳なかったけど、ガッカリしたんですよ。

 でも、今になってみると、素晴らしいコレクションになりました(笑)。楽しいよ。時々、聴いてます。

 マーシー 多分レコードじゃなくてね、ソノシートかな。「ウルトラセブン」かなんかだったと思う。

 ヒロト お話も入ってた?

 マーシー 入ってた、入ってた。

 ――お話と歌が入ってるんですね。

 マーシー そうそう。当時売ってたんですよ、ソノシートって。見開き8ページとか10ページとかの冊子があって、そこにソノシートが一緒についてて。歌と、ちょとした物語が入ってるっていう。幼稚園ぐらいだったかなあ。それか、もしかしたら「ウルトラマン」だったかもしれない。ウルトラ系ですね。

2013年発売のザ・クロマニヨンズのアルバム「YETI vs CROMAGNON」
2013年発売のザ・クロマニヨンズのアルバム「YETI vs CROMAGNON」

「それまで音楽がカッコイイなんて思ったこと一度もなかった」

 ――ロックへの目覚め、ということで言うと、きっかけになった曲はありますか。

 マーシー 中学に入る直前、友達の家へ遊びに行って、「何してたんだよ?」って聞いたら、「レコード聴いてたんだよ。ビートルズって知ってる?」って言われて。「名前ぐらいは知ってるよ」って言ったら、「カッコイイんだぜ。聴いてみろよ」って。

 カッコイイわけないじゃんって思ったんだ。聴く前は。それまで音楽がカッコイイなんて思ったこと一度もなかったから。で、聴かしてもらったらひっくり返っちゃいました。しびれちゃった。

 ――何のアルバムだったか覚えてますか。

 マーシー 覚えてますよ。「ステレオ!これがビートルズ VOL.1」っていう日本盤の編集のやつで。入ってる曲は、イギリスのファーストアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」と同じなんですけど、曲順がなぜか日本独自に変えられていて。

 A面の1曲目が、イギリス盤は「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」で始まるんですけど、日本盤はA面の1曲目が「プリーズ・プリーズ・ミー」。で、B面の1曲目が「ツイスト・アンド・シャウト」なんですよ。

 僕が友達の家に行った時、ちょうどA面を聴き終わってひっくり返しているところで、B面を聴かせてくれた。だから、B面の1曲目の「ツイスト・アンド・シャウト」を初めて聴いたんですよ。カッコイイっていうより「すげえ!」っていう感じ。

 ――ビートルズがはやってたのは10年ぐらい前ですよね。

 そうですね。僕が聴いたのは、74年の2月の終わりぐらいです。

「原因がわかんない。なんで僕、泣いてるんだろうって」

 ――ヒロトさんは。

 僕はラジオですね。まあ友達いなかったですから。音楽にも興味なかったから、ラジオで音楽が流れてても聴こうとしなかったし、楽しもうと思ってなかった。で、ラジオをかけっ放しにしてたんですよ。そしたら、急に泣いてたんです。原因がわかんない。なんで僕、泣いてるんだろうって。部屋の中、見渡したんですけど、特に変わったこともないし。ラジオがずっと流れてて、もしかしてコレ!?って思ったんです。

 その時、多分、感動したんですよ。慣れないことでびっくりしちゃって、悲しくもなくて何にも起きてないのに、涙が止まらなかった。英語の曲が流れていて、何の曲かも分からないし、英語だから外国人のための番組だと思ってたんですよ。

 それからですね。これは何なんだろう、と。ロックだとも何とも、分からなかったけど。(当時は)曲名も、アーティスト名も分からないし。ただ、その番組でその後、かかる曲にことごとく反応してたんですよ。

 ――後から曲名は分かったのですか。

 ヒロト 結局ね、突き止めたのは2、3年後だったんですけど。マン・フレッド・マンの「ドゥ・ワ・ディディ・ディディ」だったんです。どうも60年代の、イギリスのビートグループの特集番組やってたみたいなんですよ。びっくりした。

 さっきの「チキ・チキ・バン・バン」の映画と同じで、そんな気持ちになりたいんだ。あんな涙が出て止まらないような感動ってやつを、何度も何度も味わいたいんですよ。それでレコード屋さんとかで探すんだけど、ちんぷんかんぷんで全然わかんない。だから、すごく周り道しながら、ちょっとずつ聴いてったよ。

関連記事

新着記事

PR記事

コメント
CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます