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ヒロト&マーシーのあふれるアナログ愛 あの名曲に隠された誕生秘話

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利が、アナログ盤への思いから、あの名曲の誕生秘話まで語り尽くした。かつてのインタビューを振り返る。

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影 出典: 朝日新聞
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利=2012年12月、西田裕樹撮影
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利=2012年12月、西田裕樹撮影 出典: 朝日新聞
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「聴く人には『俺の歌だ!』思ってほしい」

 ――歌詞についてお伺いします。インタビューなどで、あれこれ深読みされたり、誤解・曲解されるのは好きではないですか。

 ヒロト どうぞどうぞ。どんどんしてください。ものすごくして。(作品は)あなたのものです。自分が手に入れた曲とかCDとか、覚えた曲とか、自分のもんなんだよ。「これはクロマニヨンズの音楽だからクロマニヨンズのものだ」と思って聴いてほしくない。聴く人には「俺の歌だ!」と思ってほしい。そんで自分なりの解釈で納得してほしい。

 ただ、すり合わせをされるとさ。「こういう歌なんですよね?」と言われると、どう答えていいかわかんないよね。違うとは言えないしさ。

 ――楽曲全体の中で、歌詞が占めるウエートはそこまで大きなものではない?

 ヒロト いや、ウエートは大きいです。だけど、その意味というのは、取り方も色々あるし。字面の意味っていうのは、あまり、どうでもいいかな。それはね、サウンドもそうです。エレキギターでギャーンと鳴ってるとか、フォークギター、アコースティックギターで静かにやっているとか。そんなことは、その曲の特徴ではないんです。

 ――その曲をその曲たらしめているものは、もっと……。

 ヒロト それは、説明できないんですけれど。

「震災・復興・原発・TPP・憲法改正…すべて生活レベルの問題」

 ――東日本大震災以降、様々なアーティストが、直接・間接にメッセージ性を持った曲を発表しています。クロマニヨンズの場合、歌詞がメッセージや過剰な意味を帯びてしまうことに対して、邪魔に思ったりすることはあるのでしょうか。

 ヒロト 邪魔とは思わないよね。

 マーシー 思わない。

 ヒロト そこはフラットでいいんじゃないかな。僕はそういう問題は、生活の問題だと思うんです。震災のことであるとか、復興に関することであるとか、原発、TPP、憲法改正の問題であるとか。そういうものはすべて、生活レベルの問題なんですよ。

 お母さんたちが、夕方買い物に行って、晩ご飯をつくったりすることと同じことなんです。あそこのスーパーが安いとか、ここの野菜が安全だとか、掃除をするのにほうきがほしいとか、洗濯機買い替えたいとか。生活のこと。

 布団ほさなきゃなとか、窓ふかないと汚れてきたなとか。そういうことなんですよ。生活の話。決して特別なことじゃないんだ。だから、そんなにそれを全部、今その中でそれだけを取り上げて、歌わなきゃいけないというのは、何かちょっと窮屈な気がするけれども。

 ――マーシーさんはどうですか。

 僕は別になんも考えてないっす。ただ、その時に自分の中から出てくるもの。それだけです。自然に生きてれば、色んなもの、見るじゃないですか。生きていて、同じものを見たり、聞いたり、同じ空気吸ったり、同じもの食べたりしてるんだから。その中で、自分の中から出てくるもの。

 ヒロト 並列だよ。

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