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ヒロト&マーシーのあふれるアナログ愛 あの名曲に隠された誕生秘話

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利が、アナログ盤への思いから、あの名曲の誕生秘話まで語り尽くした。かつてのインタビューを振り返る。

ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影
ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト(右)と真島昌利 =2012年12月、西田裕樹撮影 出典: 朝日新聞
ザ・クロマニヨンズ
ザ・クロマニヨンズ 出典: アリオラジャパン

「バッテンロボ丸事件が起きたのが…」

 ――ブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズと三つのバンドを一緒にやってきたわけですが、お2人の関係性を表現するのに、どんな言葉が一番しっくりきますか。

 ヒロト 意識してそれを言葉にしたことはないけれど……。なんだろうな……。ほかにはいないなあ、と思います。それは、みんなそうなんですけど。うーん……。(マーシーに)なんだと思う?

 マーシー まあ、おちゃらけ仲間じゃないですか(笑)

 ヒロト ふふ。それは確かだね。もっと増やしたいね、おちゃらけ仲間を。

 ――お2人の関係性がうかがい知れるエピソードとして、「バッテンロボ丸」事件(※バンドの今後についてマーシーが話している最中に、ヒロトが子ども向けの特撮番組「バッテンロボ丸」を見始め、怒ったマーシーがヒロトのテレビを撤去してしまった事件)の話がとても好きなのですが、改めておうかがいしてもいいですか。

 ヒロト その話が強烈だったみたいで、みんな覚えてるんですよね。昔、した話だね。

 ――お2人が出会ってすぐぐらいの話ですか。

 ヒロト 出会ったのが84年ぐらいかな。

 マーシー うん。

 ヒロト で、その「事件」が起きたのが、(ブルーハーツを結成した)85年の春か冬か、1月か2月かそれぐらい。

「数少ない友達を悲しませてはいけない、と思ったよ」

 ――ヒロトさんの家にマーシーさんが居候していたんですよね。

 マーシー うん。

 ヒロト 当時、倒産した工場の廃虚みたいなとこだったんですけど、家賃もいらないし。最終的に8人ぐらい住んでたんじゃないかな。誰の許可も得ずに。

 最初1人で、すごく寂しくて怖かったんだけど、そこに何人か集まってきて暮らしてたんです。冷蔵庫拾ってきたりして。冷蔵庫3台ぐらいあったなあ。ストーブも3、4台。みんな拾ってくるんですよ。電気代、誰が払ってたんだろう。

 ――その一人にマーシーさんもいて。

 ヒロト そうです。

 ――その時点で、ヒロトさんとしては、一生懸命に曲をつくろう、というモードではなかった。

 ヒロト 実感がなかったんですよね、マーシーとバンドをやるっていう。いや、マーシーは「やろうよ」って言ったんだよ。で、僕も「よし、やろう」って言ったんだけど。その直前まで、マーシーはちゃんとバンドをやっていて。僕から見てもイイ線行ってて、そのままメジャーデビューするんじゃないかな、っていう勢いに見えたんですよね。

 だから、僕と一緒にバンドをやるっていうビジョンが僕の中に浮かんできてなかったんですよ。急に、84年の暮れぐらいに「バンドやろう!」って言われて、なんかセッション的な感じ、うやむやな感じで自分としてはとらえていたところがあるんですけど。

 その後、共同生活が始まって、みんなで愉快に暮らして、時々、楽しく音楽を演奏してっていうモードだったのかなあ(笑)。

 ――マーシーさんがヒロトさんのテレビを持って行ってしまう、というのは相当な怒りですよね。

 マーシー しかも、居候のクセにあるじの部屋のテレビを持っていくっていうね(笑)。

 ヒロト でもあれで、この人の腹のくくり方、この人がバンドやろうっていうテンションは本気なんだとわかった。数少ない友達を悲しませてはいけない、と思ったよ。

「悶々としてればいいんじゃないですか。それは全然、悪いことじゃない」

 ――それで、「リンダリンダ」と「ブルーハーツのテーマ」をつくったんですよね。

 ヒロト そうそう。(テレビを持って行かれた後)やっべーと思って近所の公園に行って、ギター持って。

 ――で、曲をつくって持っていったら、マーシーさんも何とか怒りをおさめて……。

 マーシー いや、おさめたっていうか、当たり前だろ!って(笑)。

 ヒロト ははは。

 マーシー 大事なんですよ、最初の瞬発力と初期衝動ってのは。何か物事やり始める時ってのは、そこでグイッと勢いつけないと。なし崩しでダラダラしちゃうんですよ、人間って。

 ヒロト 結構、まわりはみんなダラダラしてたからな、その頃。

 ――「初期衝動」というのはキーワードですね。

 マーシー よし、やろうって決意・決断したら、やるしかないんですよ。

 ――悶々(もんもん)としてくすぶっている若い人たちに、メッセージをいただけますか。

 マーシー 悶々としてればいいんじゃないですか。それは全然、悪いことじゃない。

 ヒロト 今でもしてるよ。

 マーシー それはね、死ぬまでするんですよ、悶々と。

 ヒロト 解決しないんですよ。

 マーシー 何か答えがあると思っちゃうから、煮詰まる。

 ヒロト 混沌(こんとん)。混沌です。

 ――四十にして惑わず、と言いますが。

 ヒロト 惑いましょうよ、死ぬまで。そして、イラついてさ。悶々としたりさ。何も解決しないですよ。

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