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ネットの話題

スイミー、くじらぐも…教科書の表紙「懐かしい!」検索サイトが話題

童心に帰りませんか?

光村図書が出版してきた国語の教科書の表紙
光村図書が出版してきた国語の教科書の表紙 出典: 光村図書

目次

スイミーやくじらぐも、スーホの白い馬……。小中学生の頃に国語で学び、覚えている作品はありませんか? 誕生日を入力すると、国語の教科書の表紙と収録作品を教えてくれるサイトがオープンしました。「国語の教科書は、子どもの心を耕すものであってほしい」と話す担当者に、企画の理由を聞きました。(朝日新聞デジタル企画報道部・高室杏子)

「教科書クロニクル」ができるまで

誕生日を入力すると、小学1年生から中学3年生までに使った国語の教科書の表紙と収録作品を教えてくれる――。この検索サイトは「教科書クロニクル」です。

小中学生の使う国語の教科書のシェア6割(2020、21年度)を占める、教科書出版の大手・光村図書が企画しました。

広報部長の木塚崇さんによると、1950年創刊当初から現在までの平均で、光村図書の国語の教科書のシェアは約5割。日本の約半数の人が教材として使ってきたことになります。

小中学生の子どもがいる保護者たちから、〝あの物語をもう一度読みたい〟〝作品のタイトルを思い出すことができない〟といった問い合わせが多く、2000年代から発刊年度で教科書を検索できるサイトを公開していました。

「教科書クロニクル」のトップページ
「教科書クロニクル」のトップページ 出典:光村図書のHPから

サイトを更新することになり、「より探しやすく、多くの人に懐かしんでもらいたい」と広報部で考え、誕生日で教科書を検索できるようにしました。

公開してから1週間のサイトの閲覧数は約100万回。

ネット上では「教科書の表紙がめっちゃ懐かしい!」「音読の宿題で『スーホの白い馬』を母に聞いてもらってた時、泣きそうだったけど泣くのを我慢して、お風呂で泣いた……」「表紙を見ただけで、教室とか友達とか先生とか一気にぶわぁぁ!っと、当時のことを思い出した」といった反応が寄せられました。

教科書の変遷

収録する物語や詩、論説は編集部が選びます。約半世紀にわたって、繰り返し教科書に収録されている物語もあります。

編集長の経験もある木塚さんによると、祖父母から孫まで家族3世代が教科書で読んだ物語には『スーホの白い馬』や『くじらぐも』などがあるそうです。

「時代を映す説明文は、その都度、生活に根ざした時事性の高いものを選びますが、物語は『子どもの心を耕してくれるもの』を採用しています。そのため3世代にわたって親しまれるものもあります」

教科書では、「学習指導要領に沿った内容」「子どもが飽きないように興味を持ち続けられる・記憶に色濃く残ってくれる」「自社の独自性がある」といった条件を満たすものを目指してきたといいます。

恐竜の模型の写真を添えるために奔走したり、尾瀬の自然保護のルポを書いた新聞記者に教科書向けの書き下ろしを依頼したり……編集者のエピソードも光村図書のサイトの企画「教科書time travel」で紹介しています。

光村図書HP内の「教科書 time travel」では編集者のエピソードを読むことができる
光村図書HP内の「教科書 time travel」では編集者のエピソードを読むことができる 出典:光村図書HPから

古い教科書どうする?元編集長の思い

学年が進んだり、授業が終わったりすると、資源回収の日などに出してしまいがちな、使わなくなった教科書。木塚さんは「何かの折に取り出して開いてみると、きっとかつての自分に出会えると思います」といいます。

「端がすり切れたり、書き込みがあったり、挿絵に落書きしてあったり……。古い教科書はタイムマシンの扉のようなものでもあると思います。また、物語に再び触れて子どもの頃に気づけなかった味わいにも出会えます」

ロシアによるウクライナ侵攻などが連日報道されるなか、木塚さんは「今の時代は血と鉄が人々を苦しめている」と憂慮します。

「でも言葉は、争いや暴力に抗う力を持っていると信じています。子どもたちが語彙を増やして、いつまでも心を耕し続けるものであるようにと国語の教科書を作ってきました。サイトをきっかけに、大人たちも再び触れる機会になればと思います」

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