興味深いデータを見つけました。ニッセイ基礎研究所が行っている
「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」です。全国の15~69歳の男女2,400名に対して、2020年1月のビフォーコロナ時代に比べ、消費行動や働き方などについてどんな変化があったのか調べています。2020年9月末に行われた調査では、テレワークや出張など働き方への影響が調査されました。
年代ごとに、以前と比較した「在宅勤務やテレワークの頻度」を聞いてみると……、実は「増えた」が最も多かったのは20代(26.1%)でした。一方、少なかったのは50代(20.2%)でした。若者のほうがテレワークへの意識が高く、活動を減らそうとしているようです。
ただ意外なのは、「出張の頻度が増えた」かどうかを聞いてみると、これまた20代が最も多く(19.6%)、50代は圧倒的に少ない(1.2%)結果でした。対面の会議・打ち合わせも、20代のほうが増えています。テレワークの結果と矛盾して、ちょっと混乱しますね。
調査を実施するニッセイ基礎研究所は、さらにデータを深ボリした結果として、次のように指摘しています
<20歳代で勤務先への出社が増加した層では建設業や製造業従事者が、在宅勤務などのテレワークが減少した層では建設業従事者が、対面での会議・打ち合わせが増加した層では運輸・郵便業や卸売・小売業、情報通信業が多い傾向がある>
つまり対面の会議・打ち合わせや出張が「増えた」と答えた層には、テレワークがしたくてもできない、建設業や製造業などのエッセンシャルワーカーが多かったということ。そしてこうした現場仕事で出張し、地域の現場に行って働くのは、どうしても若者層が中心になるということかもしれません。
さらには、次のようにも指摘しています。
<在宅勤務が可能な業種であっても企業文化によっては、若いほど就業上の地位が低く、業務における自己裁量の幅が狭いことで、在宅勤務がしにくい雰囲気もあるのかもしれない>
そうそう。日本の企業に流れる「若いもんが外で働け」的な空気も、外に出て働かなければならない要因の一つになっていそうです。だとすると、それって「若者のせい」なのでしょうか?