連載
#227 #withyou ~きみとともに~
大人視点の「しっかりした子」って? 「意味わかんない」と言った彼
勝手にジャッジしていませんか?
中高生が言葉や態度で自身を表現できる場面に遭遇したとき、大人はこう表現するのではないでしょうか。「中学生なのによく考えてるね」「高校生なのにしっかりしてるね」――。生きづらさを抱える10代に向けての企画「#withyou」を3年前から続け、中高生を中心とするZ世代への取材を重ねてきた中で感じているのは、彼らの多くは、大人が想像する以上に思考を重ね、時にそれが言葉としても表現できているということです。ネットで彼ら彼女らの声に直接、触れられるようになった時代だかこそ、「大人フィルター」で見ていないか。我々が勝手にジャッジする裏で、実は向き合えていないことがあるのではないか。これまでの取材から、考えました。
インターネットがなかった時代、「しっかりしている」子どもを取材するのは、何かの大会で活躍したり、ボランティア団体などで活動していたりするような場面が多かった気がします。
もちろん、そういう場面でも彼ら彼女らの本音に触れることはできました。でも、やはり、そこには「大人フィルター」があったと感じています。
今はnoteやツイッター、インスタなどで、直接、子どもたちの声に触れることができます。
だからこそ、ネットに対しても「大人フィルター」で見ていないか、自分の価値観に縛られていないか、注意する必要があります。
男子高校生が連発する「意味わかんないですよ」の根っこにたどり着くのは、大変でした。だけど、ようやく、彼の本当の思いに触れられた時、大人が書いたどんな記事よりも大切な気づきがありました。
大人は、子どもたちの言葉や態度以上のことを聞こうとする姿勢、時間を持てているでしょうか。
そんなことを自問しながら、これからも中高生の言葉に耳を傾けようと思っています。
1/88枚