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連載

#209 #withyou ~きみとともに~

文化祭中止「学校来る意味なくなった…」コロナで感じた「おかしい」

自分が知らないことがあるから、わからないんだって思ったんです。

休校期間を経て男子生徒は2つのことを決断しました=写真はイメージです
休校期間を経て男子生徒は2つのことを決断しました=写真はイメージです 出典: pixta

目次

新型コロナウイルスの影響で休校になった期間、高校2年生の男子ショウさんは「自分たちの大切な時間がどんどん奪われていく気がしていた」と言います。「けっして進学校ではない」公立校に通うショウさんですが、コロナを経て「大学行かないとダメだなあ」と思うようになりました。「中止の雰囲気」の文化祭、「不満ありすぎ」の休校中の課題。一人の高校生が感じた「おかしい」をたどってみました。

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「いましかない時間」痛切な訴え

都内の公立高校2年生のショウさんは6月、withnewsで休校で感じた不安についてのアンケートをとった際、このような気持ちを書き込んでくれました。

「体育祭や文化祭がなくなってしまう。大人たちには私たちのこの高校生活は今しかないということを理解してほしい。私たちが過ごしているこの時間はもう今しかないんです。これから先どんなに頑張っても取り戻すことはできません」

ショウさんの回答から感じたのは「いましかない大事な時間を奪われてしまっている」という、感染症対策だから仕方がないとはいえ簡単には割り切れない、モヤモヤとした気持ちでした。
ショウさんが夏休みに入った8月、短かった1学期、どのように過ごしたのか聞くと、思いがけず、「新しいこと」にチャレンジしていることがわかりました。

休校明け、なんと生徒会に入会

実は生徒会入ったんですよ。7月に選挙があって、当選しました。
うちの高校って、「出禁」の商業施設があるような感じで、結構やんちゃなんですよね。休校中、そんな学校のイメージを変えたいと思い始めて、生徒会に入りました。

【学校のことを考えると、自然と学校行事にも目が向くようになりました。ショウさんが通う高校は進学校ではなく、多くの生徒は卒業後、就職したり専門学校に進みます。「行事が一番大事だったという友だちもいる」】

本当なら、5月に体育祭があったり、9月に文化祭があったりするんですけど、多分なさそうです。先生からは、ばっさりとは言われていないけど、中止の雰囲気はあります。
先生たちもきつきつなんじゃないかなと思うんですけど、教えてほしいなってめっちゃ思うんですよね。

行事がなくなるってことで、周りの子たちの目標なくなってしまってるんです。
周りの人たちって行事が一番大事だったみたいなんですよ。「学校来る意味なくなっちゃった」って声も聞きます。
授業も駆け足になってしまって、先生も忙しそう。そんな中で行事がなくなってしまうと、みんな学校に来る目標なくなっちゃうんですよ。

友人の中には、行事の中止を受け「学校行く意味なくなっちゃった」と話す人もいるそう=写真はイメージです
友人の中には、行事の中止を受け「学校行く意味なくなっちゃった」と話す人もいるそう=写真はイメージです 出典:pixta

文化祭中止、でも「一緒に何かする」はできる

【「文化祭や体育祭って、一生のうちでいましかできないこと」と考えるショウさんは、ソーシャルディスタンスに配慮したいくつかのイベントの構想を練っています】

行事で一番大切なことは、みんなで一緒に何かをすることだと思うんです。だから、行事を中止にするんじゃなくて、コロナに対応できるような、新しいイベント作れないかと思っているんです。

中学生のとき、合唱コンクールで実行委員長をやったんですけど、コンクールの4日前まで全然まとまっていなかったクラスが、コンクールのためにガッと練習したら優勝しちゃって。
自分、それで感動しちゃって。こんな大人数でひとつのことをやるって、いましかできないんじゃないかって思うようになったんです。

だから、いつも通りの文化祭や体育祭じゃなくていいから、ソーシャルディスタンスをとって、イベントができればいいと思ってるんです。自分のクラスの人たちと力を合わせてなにかをやれば、それだけで経験、思い出になると思う。

例えば、クラスごとに協力して作った作品を展示したり、クラスごとに練習したパフォーマンスをグラウンドで披露し、その他の生徒が教室からそれを見るという行事ができたらいいなと思っています。

「みんなで一緒に何かをすることが大切なら、行事以外にできることもある」=写真はイメージです
「みんなで一緒に何かをすることが大切なら、行事以外にできることもある」=写真はイメージです 出典:pixta

なんと大学受験も決断、その理由は

【さらに、もう一つ、休校期間を経て、ショウさんが挑戦を始めたことがあります。大学受験のための勉強です】

大学に行くことを決めました。おかしいなと思うことを、変えたいって思うようになった。

休校前まではニュースはまったく見ていなかったんですけど、学校が休校になって、新型コロナウイルス関係のニュースが気になり始めたんです。

そしたら、9月入学どうなるかなとか、東京アラートを出す時期とか、政府からのマスクが緊急事態宣言解除後に届いたこととか…意味分からないなって。なんかおかしい、変えたいって思うようになりました。

でも、変えるためにどうしたらいいのかわからなくて。自分が知らないことがあるから、わからないんだって思ったんです。そしたら、勉強するために大学行かないとダメだなあって。

親には、行きたい大学のことを話して、「予備校に行かせてほしい」っていいました。6月から予備校に通い始めて、毎日勉強しています。っていっても、中学時代の復習から始めているんですけどね。

でもやっぱり納得できないこともある

【新たなチャレンジを始めた一方で、休校中に感じた不満はいまも解消されていません】

先生も大変だったとは思うんですが、休校期間中の課題って、もっと効率のいいやり方があったんじゃないかなと思うんですよね。「課題出して終わり」に見えた。
休みに入ってすぐ、夏休みより圧倒的に多い量の課題が出されました。しかもほとんど授業でやってない範囲の課題。
一番おかしいと思ったのは、ひたすら教科書を写すだけで、「やらなかった人は成績『1』にする」とか言われたこと。納得いかないですよ。
課題はさっさと終わらせて、自分の勉強進めました。学校の課題には不満ありすぎました。意味わかんなかった。

でも、学校の先生からはまじめなやつだと思われていると思うので、その気持ちは言えませんでした。不満を言うとそのイメージが崩れてしまいそうで。
不満は同じようなレベルの大学を目指している友だちと共有していました。

学校から出た課題についても不満がありました=写真はイメージです
学校から出た課題についても不満がありました=写真はイメージです 出典:pixta
【ショウさんが休校期間を経て大人に思うことは「大人の事情を押しつけないでほしい」ということです】

一生戻ってこない高校生活を充実させるためにも、9月入学にしてほしかった。でも実際はそうならなかったのは、経済とか色んな理由があるんだと思う。理由があるなら、言い訳に聞こえないように説明してほしいし、大人にも最善を尽くして欲しいと思うんです。

【お知らせ】TikTokライブでのご意見募集中

withnewsでは8月29日午後6時から、芸人でグランジの遠山大輔さんら出演のTikTok教室「みんなの『それな!』」をライブ配信します。部活の大会や夏のイベントなどがなくなった不完全燃焼感や、オンライン授業や課題への戸惑いを抱く10代の「モヤモヤ」を、共有していく番組です。ライブ配信はwithnewsのTikTokアカウントから見ることができます。

【モヤモヤ募集中】
番組の中では、小学生から大学生のモヤモヤを紹介する予定です。以下のフォームからご意見をお寄せください。
ご意見募集中! 「夏、どう過ごしましたか?」

10代のための相談窓口あります

チャイルドライン
18歳以下の相談窓口。電話やチャットで相談できます。サイト内では、誰にも見られないように「つぶやく」こともできます。
Mex(ミークス)
10代のための相談窓口まとめサイト。なやみに関する記事や動画も見れます。
 

withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。
 


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