MENU CLOSE

連載

#7 #withyou 悩み相談

「学校が死ぬほどつらい」理由は言わなくていい 不登校新聞編集長

イラスト:(c)根本清佳、前田真由美(innovation team dot)、写真:貞国聖子
イラスト:(c)根本清佳、前田真由美(innovation team dot)、写真:貞国聖子

目次

【8/26無料イベント開催】しんどい子が安心できる「居場所」を考えます

学校に行きたくない。居場所がない。生きづらい。夏休みの終わりが近づく頃、そんな思いを抱えて悩む子どもたちがいます。「学校に行くのが死にたいほどつらいけど、親に言えない」という悩みに、中2で不登校になった経験もある石井志昂・不登校新聞編集長は「理由は言わなくてもいい」と答えます。(聞き手:朝日新聞東京社会部記者・貞国聖子)
【PR】「あの時、学校でR-1飲んでたね」

《著名人や専門家が「10代の悩み」に答えるシリーズです。石井さんに答えていただく悩みはこちらです。》
悩み


中1の夏休み前、友達から無視されるようになりました。それまでは学校生活も楽しく、友達もたくさんいました。だから、いじめられている自分を知られたくなくて親には言えませんでした。夏休み明け、無理して学校に行きましたが、誰ともしゃべることができませんでした。帰り道、駅のホームで午後10時半ごろまで過ごし、「死ぬしかないのかな」という思いもよぎりました。親に理由を言わずに学校を休みたい時、どうすればいいのでしょうか。(東京都浪人生女子18歳)
 

休むの、会社より過酷かも

まずお伝えしないといけないのは、大人の場合は、会社を休む時、有給休暇(給料が支払われる休み)などがあり、理由を言わずに休むこともできます。でも、子どもは基本的に親や学校に理由を言わないといけない。学校のほうが過酷と言えるかもしれません。

親に言い出せず無理して学校に行って、心身に支障をきたす人もいます。いま、社会では「死ぬぐらいだったら学校を休んで」という雰囲気がありますが、実際は、休む選択はハードルが高く、追い詰められた末にやっと休めたという子も多いのではないでしょうか。

不登校新聞の石井志昂編集長=東京都文京区、沢木香織撮影
不登校新聞の石井志昂編集長=東京都文京区、沢木香織撮影 出典: 朝日新聞

解決しようと頑張り、身を削っていた

私は中学2年の時から、不登校になりました。先生への不信感や友達との関係がこじれたことがきっかけです。学校を休む前の半年間は、無理して学校に行っていました。踏切の音が聞こえたり、マンションの上階に立つと吸い込まれそうな気持ちになったり……。今思えば、自分で何とか解決しようと頑張って、自分の身を削ったなと。

不登校を機に親子関係が改善するケースもあります。話してみると、すれ違っていた思いが解消されることもあります。私の場合、泣いているのを見た母親が「明日学校どうする?」と尋ねてくれ、「学校に行けない、行きたくない」と言うことができました。

行きたくない理由言わなくてもいい

親は子どもの変化にきっと気づいて心配しています。でも、一歩踏み出していいのかわからず様子をみているかもしれません。本当は親から先に動いて「学校よりあなたが大事」と伝えてほしいのですが。

どれだけ親に迷惑かけても心配かけてもいい。学校に行きたくない理由を言っても言わなくてもいい。自分の命を守ることを一番に考えてください。

【関連記事】「不登校でも夢かなう?」不登校新聞編集長に聞く

  ◇ ◇ ◇

著名人や専門家が10代の悩みに答えるこの企画は、電話などで10代からの相談を受け付けているチャイルドラインの高橋弘恵専務理事に協力いただいています。チャイルドラインの電話相談には2018年度、のべ19万人から相談があり、この企画の相談内容は実際に寄せられる相談をもとに、架空の内容を設定しています。また、回答はあくまで回答者の個人的な見解であり、悩みへの一意見です。

<石井志昂(いしい・しこう)>
19歳からNPO法人「全国不登校新聞社」(東京)にスタッフとして参加。2006年から編集長を務める。不登校新聞は月2回、8ページのタブロイド判(3100部)とウェブ版を発行。

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト
イベント

2学期が始まる。しんどくて、逃げたい……。夏休みが終わるのを前に、そんな思いを抱える子どもたちの「居場所」について考えるイベントを8月26日に昼と夜の2部構成で開きます。

(昼の部)10代が安心して過ごせる「居場所」とは?@日本財団ビル 14:30~17:30
子どもの問題を取材してきたノンフィクション作家の石井光太さん、自分の不登校経験をマンガ「不登校ガール」で描いた女優の園山千尋さん、フリースクールネモ代表の前北海さんが、「居場所」について考えるトークイベント。無料です。詳細や申し込みは→https://withyou-ibasho.peatix.com/view

(夜の部)本音トーク!「#居場所」@Twitter本社からTwitterライブ配信(@withnewsjp) 22:00~23:30
不登校経験があり、今は俳優や漫画家などとして活躍する個性的な面々が、つらい日々によりどころにした「居場所」について、本音トーク! ハッシュタグ「#わたしの居場所」に寄せられたアイデアもシェアしていきます!
 

withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。

今年のテーマは「#居場所」。 

 目に見える「場所」でなくても、本や音楽…好きなことや、救いになった言葉でもいいです。生きづらい時間や不安な日々をしのげる「居場所」をみなさんと共有できたらと思います。 以下のツイートボタンで、「#居場所」について聞かせてください。


みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

連載 #withyou 悩み相談

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます