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#8 #withyou 悩み相談

「不登校でも夢はかなう?」不登校新聞編集長が心配する「落とし穴」

イラスト:(c)根本清佳、前田真由美(innovation team dot)、写真:貞国聖子
イラスト:(c)根本清佳、前田真由美(innovation team dot)、写真:貞国聖子

目次

【8/26無料イベント開催】しんどい子が安心できる「居場所」を考えます

「不登校でも夢はかなえられる?」こんな悩みを抱える高校生に、不登校経験がある石井志昂・不登校新聞編集長は「『こうしなきゃ』に振り回されないで」とアドバイスを送ります。「夢の形が変わっても、夢をかなえられる」。そんな考え方をしてほしいという石井さん。「やりたいこと」の見つけ方を聞きました。(朝日新聞東京社会部記者・貞国聖子)
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《著名人や専門家が「10代の悩み」に答えるシリーズです。石井さんに答えていただく悩みはこちらです。》
悩み


いじめが原因で、小2のころから不登校になりました。上級生からからかわれ、全校朝会が嫌でした。保健室やフリースクールにもあまり通えず、友達がつくりづらく、孤立していき、精神的にも苦しくなりました。いま、家にいるのがとても心地よく、ひきこもりぎみです。将来、俳優になりたいという夢があります。不登校でひきこもりの自分が俳優をめざせるのかなとも思います。このままでいいのか将来が不安です。(東京都 高校2年女子17歳)
 

「なぜそこをめざすの?」が大切

不登校だったから夢がかなわないということはありません。不登校やひきこもり経験者で、俳優や声優、漫画家、宝塚歌劇団への夢をかなえた人はたくさんいます。不登校新聞の取材に、不登校経験や当時思っていたことが自分の原型をつくったと語ってくれた人もいます。

夢をかなえた人は、自分が何をめざしているのか本質を捉えている人が多いなと思います。そこに向かって歩んだ人は、夢の形が変わっても夢をつかんでいるように思います。夢は職業ではなく、なぜそうしたいのか、なぜそこをめざすのかが大切です。

石井志昂・不登校新聞編集長
石井志昂・不登校新聞編集長 出典: 朝日新聞

夢の形が変わっても、夢をかなえられます

私も不登校経験者です。学校に行っていないと、自分が何も持っていない、手持ちがない気持ちになります。だから形をすごく追ってしまうことがある。

たとえば元気が出てくると「この高校に行く」と自分で希望を語ることもありますが、逆にその希望が重しになることがあります。「こうしなきゃ」とか「こうあるべき」に振り回されるのではなく、本当にしたいことは何かを追いかけてください。そうすれば、夢の形が変わっても、夢をかなえられます。

不登校の10代の男の子が1年間掛けて作り出した短い歌詞が秀逸でした。「やりたいと思ってやらなかったことは、本当はやりたくないことだったんだな」
これを聞いた時、腰が抜けるほどの衝撃を受けました。そうです。焦りやプレッシャーで動くのではなく、何かに突き動かされて行動したくなった「やりたいこと」が大切なのです。

【関連記事】「学校休みたいけど親に言えない」不登校新聞編集長に聞く

  ◇ ◇ ◇

著名人や専門家が10代の悩みに答えるこの企画は、電話などで10代からの相談を受け付けているチャイルドラインの高橋弘恵専務理事に協力いただいています。チャイルドラインの電話相談には2018年度、のべ19万人から相談があり、この企画の相談内容は実際に寄せられる相談をもとに、架空の内容を設定しています。また、回答はあくまで回答者の個人的な見解であり、悩みへの一意見です。

<石井志昂(いしい・しこう)>
19歳からNPO法人「全国不登校新聞社」(東京)にスタッフとして参加。2006年から編集長を務める。不登校新聞は月2回、8ページのタブロイド判(3100部)とウェブ版を発行。

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト
イベント

2学期が始まる。しんどくて、逃げたい……。夏休みが終わるのを前に、そんな思いを抱える子どもたちの「居場所」について考えるイベントを8月26日に昼と夜の2部構成で開きます。

(昼の部)10代が安心して過ごせる「居場所」とは?@日本財団ビル 14:30~17:30
子どもの問題を取材してきたノンフィクション作家の石井光太さん、自分の不登校経験をマンガ「不登校ガール」で描いた女優の園山千尋さん、フリースクールネモ代表の前北海さんが、「居場所」について考えるトークイベント。無料です。詳細や申し込みは→https://withyou-ibasho.peatix.com/view

(夜の部)本音トーク!「#居場所」@Twitter本社からTwitterライブ配信(@withnewsjp) 22:00~23:30
不登校経験があり、今は俳優や漫画家などとして活躍する個性的な面々が、つらい日々によりどころにした「居場所」について、本音トーク! ハッシュタグ「#わたしの居場所」に寄せられたアイデアもシェアしていきます!
 

withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。

今年のテーマは「#居場所」。 

 目に見える「場所」でなくても、本や音楽…好きなことや、救いになった言葉でもいいです。生きづらい時間や不安な日々をしのげる「居場所」をみなさんと共有できたらと思います。 以下のツイートボタンで、「#居場所」について聞かせてください。


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