連載
#5 #乳幼児の謎行動
「ごめんなさい」言えない2歳は悪い子? 大事なのは「なんで」の心
0歳~就学するまでの子どもたちの、思いも寄らない行動や不思議な言葉遣いに心当たりはありませんか?編集部では「#乳幼児の謎行動」をSNSで募り、乳幼児の「なんでそうなる?」を、同志社大学赤ちゃん学研究センター所長で小児科医の小西行郎さんに聞きました。第4回は「言いたくない言葉と、そうじゃない言葉の違いって?」です。質問者は2歳児に「ごめんなさい」を言わせたがりますが、小西さんとのやりとりを通じ、結果的に記者は反省することに…。どんな気づきがあったのでしょうか?
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さんによると、発達の段階の中では、9か月頃から「自我の目覚め」、1歳半ごろから「自己主張」…の二つの段階を経て自己肯定感ができるようになります。「それがいわゆるプライドといわれることの始まりかもしれません」
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
この質問をさせていただいてから半年。息子は2歳半を過ぎました。最近「ごめんなさい」を適切なタイミングで言えることが増えました。
ただ、うちの子の場合はまだ「ごめんなさい」と言葉にするよりも、「仲直りのギュウー」といって抱きしめる方が気持ちを表しやすいようです。
「ごめんなさい」という言葉にとらわれるのではなく、「けんかは嫌だな」「仲良くしたいな」「傷つけたくないな」という感情のコミュニケーションができればいいのかなと、気づかせてもらいました。
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小西行郎(こにし・ゆくお)
同志社大学赤ちゃん学研究センター長、教授。小児科医。日本赤ちゃん学会理事長。
専門は小児神経、発達神経科学。1947年生まれ。京都大学医学部卒業。
主な著書に「赤ちゃんと脳科学」(集英社新書)、「赤ちゃんのしぐさBOOK」(共著、海竜社)、「はじまりは赤ちゃんから」(赤ちゃんとママ社)、「発達障害の子どもを理解する」(集英社新書)、「今なぜ発達行動学なのか―胎児期からの行動メカニズム」(診断と治療社)など。
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赤ちゃん学
小児科学、発達認知心理学、発達神経学、脳科学、ロボット工学、物理学、教育学、霊長類学などの異分野研究の融合による新しい学問領域。赤ちゃんの運動・認知・言語および社会性の発達とその障害のメカニズムの解明から、ヒトの心の発達までを対象とする。2001年には「日本赤ちゃん学会」が設立。08年に同志社大学内に開所した赤ちゃん学研究センターは、16年に文部科学省の共同利用・共同研究拠点「赤ちゃん学研究拠点」として認定された。
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