連載
#2 #乳幼児の謎行動
2歳の娘、信号の意味を覚えてくれない…悩む父に専門家「無理です」
0歳~就学するまでの子どもたちの、思いも寄らない行動や不思議な言葉遣いに心当たりはありませんか?編集部では「#乳幼児の謎行動」をSNSで募り、乳幼児の「なんでそうなる?」を、同志社大学赤ちゃん学研究センター長で小児科医の小西行郎さんに聞きました。第1回は子育て中の記者からの疑問、「理解する言葉の順番って?」です。2歳の子どもに信号の意味を教えようとする記者を、小西さんは「無理です」と一刀両断。子どもの言語発達についても聞きました。
小西さん
記者
小西さん
記者
小西さん
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小西さん
記者
小西さんによると、五感の発達は胎児期から始まっています。
発達の順番は、①触覚②聴覚③味覚(28週くらい)④嗅覚(30週くらい)⑤視覚(出生後)の順番。
聴覚に関しては、妊娠24,25週ごろからは少なくとも母親の声は聴き、30週ごろは2種類の音を区別していると考えられています。
意味のある言葉を話すという意味での発語は1歳から1歳半頃と一般に言われています。ただ、単語を話す前の段階として、「単語を覚える」という段階があります。単語を覚えるには、聞こえてくる会話の中から単語を切り出す能力が必要になります。半年から9カ月ごろにはできるようになります。
小西さん
記者
小西さん
小西さん
記者
小西さん
小西さん
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小西さん
小西行郎(こにし・ゆくお)
同志社大学赤ちゃん学研究センター長、教授。小児科医。日本赤ちゃん学会理事長。
専門は小児神経、発達神経科学。1947年生まれ。京都大学医学部卒業。
主な著書に「赤ちゃんと脳科学」(集英社新書)、「赤ちゃんのしぐさBOOK」(共著、海竜社)、「はじまりは赤ちゃんから」(赤ちゃんとママ社)、「発達障害の子どもを理解する」(集英社新書)、「今なぜ発達行動学なのか―胎児期からの行動メカニズム」(診断と治療社)など。
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赤ちゃん学
小児科学、発達認知心理学、発達神経学、脳科学、ロボット工学、物理学、教育学、霊長類学などの異分野研究の融合による新しい学問領域。赤ちゃんの運動・認知・言語および社会性の発達とその障害のメカニズムの解明から、ヒトの心の発達までを対象とする。2001年には「日本赤ちゃん学会」が設立。08年に同志社大学内に開所した赤ちゃん学研究センターは、16年に文部科学省の共同利用・共同研究拠点「赤ちゃん学研究拠点」として認定された。
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