①ラグビーW杯の歴史、「ブルームフォンテーンの悪夢」が衝撃的だった
②ラグビー日本、記録的大敗からはいあがっても……再び壁になったNZ
③記録的大敗を経て、史上最大の番狂わせ 「劇薬投入」で変わった日本
④ラグビーW杯、日本のベストシナリオとは 鍵を握る「10.13決戦」
藪木宏之(やぶき・ひろゆき) 1966年山口県生まれ。明治大学をへて88年に神戸製鋼ラグビー部に入る。神戸製鋼が89年~95年に日本選手権7連覇を果たしたころの主力メンバーとして活躍、98年に引退。企業人としては広報畑を歩み、2016年4月に日本ラグビーフットボール協会へ出向。現在、同協会の広報部部長。
「びっくり」南ア戦の大金星
志村
そこから態勢を立て直し、2009年にはW杯の誘致に成功しました。
藪木
ラグビー界だけじゃなく、スポーツ界で世界最大の番狂わせだといわれましたからね。
南アフリカに勝ち、喜びを爆発させる日本代表
出典: ロイター
でも、日本も同じぐらい身体を鍛えていて、タックルを繰り返して対抗しました。
エディ・ジョーンズという「劇薬」
そして、エディさん独特の、
日本人を熟知した強化態勢
のもとで、めきめきと力をつけていきました。
前日本代表ヘッドコーチのエディ・ジョーンズさん。日本大会にはイングランド代表のヘッドコーチとしてやってくるそうです
出典: 朝日新聞社
2007年から2大会、日本代表を率いたジョン・カーワンHC
出典: 朝日新聞
そのやり方じゃだめだと。
つまり、日本人のマインドがよくわかっている方だった。日本人が持つ我慢強さとか、細かいデリケートなこともやれることとか、ぜんぶ分かって指導していたんです。
サントリーを率いていたころのエディ・ジョーンズ氏
出典: 朝日新聞社
『日本代表に劇薬を投入した』という言い方が、いちばん似合うんじゃないですかね。
日本代表を指導するエディ・ジョーンズHC
出典: ロイター
後半残り10分、南アフリカがみせた焦り
きょうは厳しいな、
という感じですよね(笑)。
南アフリカ戦のワンシーン
出典: ロイター
そこで南アフリカがトライ(決まると5点、そのあとのゴールキックが決まるとさらに2点入る)を取りに来ると思ったら、ショット(ペナルティキックのこと、決まると3点)を選んだ。それが決まって29対32でリードされます。
南アフリカ戦のワンシーン
出典: ロイター
それが3点差だと1回トライを取れば5点取れて逆転できるわけです。そのモチベーションはかなり違います。負けている方も負けている感がぜんぜんないです。
一気に離せず、食らいつかれる展開は、リードしているほうが嫌なんです。ラグビーは結構、心理戦なんです。
南アフリカ戦のワンシーン
出典: ロイター
ラグビーに「番狂わせ」はあまりない
あと50cmボールを手前でもらっていたら完全にタッチに出されているんですけど、ほんとうにぎりぎりだった。
南アフリカ戦の勝利を決めたカーン・ヘスケス選手のトライ
出典: ロイター

- 前へ
- 次へ