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2018年11月01日

「障害は武器だ」 発達障害の大学生、もがきながら前へ


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自身の経験について座談会で話すTenさん=滝沢美穂子撮影

自身の経験について座談会で話すTenさん=滝沢美穂子撮影

出典: 朝日新聞デジタル:(#withyou~きみとともに~)つらいとき、私もある 4人の若者に聞く

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 障害への理解を深めるイベントを開催している団体「Ledesone」の代表で大学生のTenさん(20、大阪府在住)が、発達障害があることを告げられたのは小学生の時でした。とっさに漢字を書くことができなかったり、衝動的に感情を爆発させてしまったりする自分に感じる生きづらさ。それでも、前を向こうと模索を続けています。

イベントでLedesoneの活動について語るTenさん=本人提供

イベントでLedesoneの活動について語るTenさん=本人提供

腕時計で左右認識、ひらがなだらけの提出物

 左右の目印は右腕にする腕時計。とっさに漢字が書けず、授業中に配布されその場で提出が必要なものはひらがなだらけ……。Tenさんは、幼い頃から「みんなができることが、なぜ自分はできないんだろう」と悩んでいました。

 理由は特に告げられず、小学3年生で特別支援学級のある学校に転校。しかし、周囲に溶け込めない、クラスメートから悪口を言われる、などの悩みを抱え、教室の窓から飛び降りようとしたこともありました。そのときは先生に制止され事なきを得ましたが、この一件後、母親から「学習障害がある」と知らされました。「いま思えば、このとき、自分が周りと違うことに納得でき、少し落ち着いた」。

支えてくれた人がいた

 中学進学後も、周囲とうまくなじめず陰口を言われるなどのいじめを受けましたが、友人や、相談に乗ってくれる教師と出会うこともできました。
 文字を書くことが苦手なTenさんのため、友人のノートをコピーさせてもらえるよう学校に掛け合ってくれた母親、じっくり話を聞いてくれた友人……「多くの人に支えられながら生きてきたんだと思います」

自身の経験について座談会で話すTenさん=滝沢美穂子撮影

自身の経験について座談会で話すTenさん=滝沢美穂子撮影

出典:朝日新聞デジタル:(#withyou~きみとともに~)つらいとき、私もある 4人の若者に聞く

きっかけは障害者の支援

 高校2年生のとき、大学のAO入試に必要だったため、視覚障害者の外出を支援する同行援護従事者の資格を取得しました。当事者の話を聞くうちに、自分の障害についてもはっきり自覚するようになったといいます。
 「それまで『障害がある』という事実は理解していたけど、どのようなもので、どうしたらいいのかなんて考えたことがなかった」と話すTenさん。その頃から「障害は武器だ」を自分のモットーにするようになりました。

「可能性生み出す武器」

 その言葉の意味についてTenさんは語ります。

 「障害イコールなにもできないと思われがちなところがあると思います。でも、僕は、ADHDの特性である『多動』があるからこそいろんな人に会いにいける、ディスレクシアという字を書きにくい症状があるからこそ、文章を書くときにいかに自分が書きやすい文章にできるか考えることができるし、障害がなかったら同行援護従事者の資格をとっても、障害について人生が変わるほどの興味を持つことはなかった」

 「だから僕は、障害は様々な可能性を生み出す武器だと思うんです」

「多動性-衝動性優勢型」
多動と衝動の症状が強く出ているタイプです。次のような特徴が現れることがあります。
・落ち着きがなく、授業中などでも構わず歩き回ったり、体を動かしてしまうなど、落ち着いてじっと座っていることが苦手
・衝動が抑えられず、ちょっとしたことでも大声を上げたり、乱暴になったりしてしまい、乱暴な子、反抗的だととらえられやすい
・衝動的に不適切な発言をしたり、自分の話ばかりをする
・全体的にみるとこのタイプは少ないが、男性(男の子)に現れることが多い

出典:LITALICO発達ナビ「ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは?症状の分類と年齢ごとの特徴 、診断方法や治療まとめ」より

多動性とは、「じっとしていられない、おしゃべりが止まらないなど」

多動性とは、「じっとしていられない、おしゃべりが止まらないなど」

出典:発達障害とは?もし「発達障害かも」と思ったら?イラストで解説!

生きづらさ、なくなったわけじゃない

 ただ、全てがうまくいっているわけではありません。自分の思い通りにいかないと、抑えきれない怒りや悲しみを友人たちにぶつけてしまうこともあります。「どうすればコミュニケーションをうまくとれるのかわからなくて、しんどい」。自分が嫌いになってしまいそうなこともあるといいます。

 Tenさんはそんな日々を、「障害は武器だ」という言葉と共にもがいています。「無理やりにでも『こうありたい』という言葉で、自分に向き合いやすくし、前を向こうとしている面もあるのかもしれません」。

福祉職の人たちと交流するイベントでのTenさん=写真家・水本光さん提供

福祉職の人たちと交流するイベントでのTenさん=写真家・水本光さん提供

物作りへの関心、かたちに

 現在は、アルバイトで障害者の支援をしたり、Tenの名前で障害に関する考えをネットで発信したりしています。
 代表をつとめるLedesoneでは、「障害者の可能性を広げられるような活動をしたい」とTenさん。幼い頃から物作りに興味があり、アイデアを形にすることに関心があります。大学でも、医療福祉の現場で活躍するロボット開発など学ぶ学部に在籍していて、来春には発達障害当事者の「集中力が続かない/続きすぎる」、「管理能力が低い」などの特徴をエンジニアと共有し、その特徴を解決するツールを考えるイベントを企画しています。

【お知らせ】イベント開催します


10代のハッタツ・トーク!センパイ当事者3人の『ワタシ』的生き方

 11月10日(土)、発達障害がある10代の方々を対象にトークイベントを開催しました。

 発達障害の当事者であり、自分らしく生きていらっしゃる以下3名が、小中学校のころの生きづらさや今について語りました。

動画やSNSなどで発達障害について発信している 彩乃さん
15歳で「HORIZON LABO」を始めたコーヒー焙煎士 岩野響さん
NPO法人AVENGE OF MISFITS 代表理事 池田誠さん  

 「学校生活・友人関係がうまくいかない」「親とどうしても通じ合えない」「このまま生きていって、進路やその先の生活は大丈夫だろうか」など不安に思っている人のヒントになる話・共感できる話がたくさんあります。

 発達が気になる子どもの親向けポータルサイト「LITALICO発達ナビ」さまとの共催です。イベントの詳細は、発達ナビさまのサイトをご覧ください。

 イベントの様子は、ハッシュタグ「#ハッタツトーク」を付けてツイッターで発信しました。2019年5月ごろまで動画でもご覧いただけます。
 
ハッタツ・トーク!イベント動画はコチラ
 

 

 withnewsは4月から、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou」を始めました。日本の若い人たちに届いてほしいと、「#きみとともに」もつけて発信していきます。以下のツイートボタンで、みなさんの生きづらさも聞かせてください。


みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

 

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

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