連載
#2 特派員フォトリレー
【世界の昼ごはん】海越えたシリアの「弁当」 ウズベキスタンの食は
ところ変われば品変わる。世界のあちこちに住む朝日新聞の特派員が、同じテーマで写真を撮ってきました。今回のテーマは「昼ごはん」。ランチは外食ばかりではありません。英語には該当する単語がないと言われる「弁当」(日本式のものはそのままbentoと表記する)ですが、持ち歩きのできる食べ物は各地にありました!(朝日新聞国際報道部)
まずは中国でも指折りのグルメ都市、上海支局の宮嶋加菜子記者がお弁当屋さんをご紹介。案内役は東京・国際報道部の神田大介です。
中国ってこの手のお店が各地にあって、食いっぱぐれがありません。あと、どこに行ってもお湯があって、お茶を飲める。
中国の人って、あたたかくない食事を好まないんですよね。日本のように「さめていてもおいしい弁当」という感覚は、あまりないようです。
続いては、中央アジアの国々に出張中の中川仁樹記者。オフィスはロシアの極東・ウラジオストクにありますが、旧ソ連圏を中心に各地を飛び回っています。
日本ではインド料理店のカレーにつけあわせることでおなじみの「ナン」ですが、そのインドを中心に、中央アジアから中東まで幅広い国々で、ちょっとずつ形を変えて愛されています。このリピョーシカも、ナンの一種のようです。きれいな焼き加減でおいしそう。
それはそれとして、食べてる場所がすごかった。
地平線が見えちゃってる。壮大! なお、アヤップさんのとなりにいるのが中川記者です。
お次は中東のドバイから、高野裕介記者。
そうなんです。取材のツテをたどり、現地の法体系や「暗黙のルール」を知り、さらには税務をはじめオフィスの事務の切り盛りなど、地元の事情に精通した助手さんの力なしに特派員の仕事は成立しません。
しかし、肉ゼロですね。中東は全般にナッツ類が豊富で、好む人が多いです。それと、野菜を細かくカットしたサラダをよく食べます。
続いてアメリカの首都ワシントンから、沢村亙記者。
なんと、ドバイとワシントンが「シリアの弁当」でつながりました。直線で約1万1000キロ、直行便で14時間超のフライトになる距離です。
ご存じのようにシリアはいま内戦に揺れています。2011年に始まってから7年で、35万人以上が命を失いました。戦火を逃れるため、多くの人が国外へ出ました。難民の数は、トルコやヨルダンといったシリアのまわりの国々だけで、565万人超。国外へ逃れたシリア人は、さまざまな形で活躍しています。
ところで、わたし(国際報道部・神田)は2016年2月、シリアに出張したことがあります。その時に見かけた地元の「お弁当」を紹介します。
シリアの首都ダマスカスで、たまたま通りかかった総菜屋さんの店頭で見かけた「ウズィ」という食べ物。一つあたりゲンコツ1個分くらいありました。プラスチック製の容器に入れて売ってくれます。中をあけると、
羊肉、グリーンピース、アーモンドなどの入ったごはんをパイ生地で包んで焼くという、とても手の込んだ料理でした。日本でたとえれば、おにぎり? 1個食べればおなかいっぱいです。
シリアには他にも名物料理がいっぱいあります。早くふつうに食べられるようになることを願います。
最後は、北朝鮮との国境に近い中国・瀋陽支局の平賀拓哉記者から。
あー、これは白米がいくらあっても足らないヤツですね。山菜の浅漬け、おいしそう……。
なお、平賀記者によると、朝鮮族の料理は一般的な韓国料理に比べ、あっさりとした味付けなんだそうです。
というわけで、世界のお弁当でした!
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