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雨量、風向、気圧…気象観測どう変わった?気象業務が始まって150年

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今日は雨が降るだろうか。今年の夏は猛暑になるだろうか――。普段から私たちが何気なく見ている天気、気象ですが、実は今年は、東京気象台が気象観測の業務を始めて150年の節目の年です。この150年の観測手法や気象業務の歴史を振り返る企画展も開かれています。
日本は「災害大国」ともいわれるように、一年を通して災害に見舞われます。
秋には台風が列島を襲い、それに伴った集中豪雨の被害を受けることもあります。また、地震や津波、火山の噴火といった災害も多く、私たち日本人の暮らしと自然災害は密接に関わってきました。
明治時代、政府は海外からの技術を取り入れた近代的な国づくりを進めました。その中で、測量を担当していたイギリス人によって、気象観測の必要性が提唱されたといいます。
そして、今の東京都港区虎ノ門に気象庁の前身の「東京気象台」が開設され、150年前の1875年6月1日に地震観測、6月5日には気象観測が開始されました。
この気象業務を開始した日を記念して、毎年6月1日は「気象記念日」に制定されています。
気象庁によると、東京気象台は観測を始めた8年後の1883年、天気図の作成と暴風警報の発表、そして、翌年の1884年には天気予報の発表を始めました。
その初回の天気予報の発表は1884年6月1日午前6時。「全国一般風ノ向キハ定リナシ 天気ハ変リ易シ 但(ただ)シ雨天勝チ」という全国一律の簡単なものだったそうです。
戦後は気象レーダー、気象観測システムのアメダス、空から観測する気象衛星などが整備され、細やかな気象観測が可能になりました。また、地震や津波、火山の観測エリアも広がっていきました。
現在、気象庁では、スーパーコンピューターの整備や、数値予報モデルの開発・改良を行い、近年頻発する線状降水帯や台風の予測精度を向上させ、大規模な地震や火山災害の対策に取り組んでいるそうです。
気象観測の業務が始まって150年の節目ということで、国立科学博物館(東京都台東区)では、6月15日まで企画展「地球を測る」が開かれています。
企画展では、様々な自然現象を観測する手法やその歴史を振り返っています。
湿度計や風向計、気圧計、上空の気象を観測する「ラジオゾンデ」などが展示してあり、観測機器の変遷を楽しむことができます。
例えば、雨量を測るための雨量計。昔は気象庁の職員が雨が降るたびに、缶を外に出して、たまった雨水を計量器に入れて測っていたとのこと。
今では、二つのますがシーソーのようなしくみになっていて、雨の量をはかる「転倒ます型雨量計」を使っています。そんな機器の違いも見ることができます。
また、以前使われていたという、髪の毛が伸び縮みする性質を利用した「毛髪湿度計」という面白い計測機器も展示されています。
企画展では、日本列島で頻繁に起こっている地震や火山噴火の観測についても学べ、2021年に起きた活火山の福徳岡ノ場の噴火で放出された軽石もあり、必見です。
企画展の担当者は「150年の観測機器の変遷を楽しむことができます。昔は地上からの観測しかなかったですが、今では衛星といった空からの観測の視点も加わりました。技術の進歩が防災・減災につながっていることを知ってもらえればうれしいです」と話しています。
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