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連載

棚からねこもちさんからの取材リクエスト

将来やりたいことがなくて悩んでいる人は何人くらいいますか? 大学生で進路先に悩んでいます。



#51 #就活しんどかったけど…

「やりたい仕事がない」大学生はどのくらい? 将来を決める時期は?

今すぐやりたい仕事がなくても、焦る必要はありません。

やりたい仕事が見つからないと悩む大学生はどのくらいいるのでしょうか(画像はイメージです)=Getty Images
やりたい仕事が見つからないと悩む大学生はどのくらいいるのでしょうか(画像はイメージです)=Getty Images

目次

取材リクエスト内容

将来やりたいことがなくて、悩んでいる人は何人くらいいますか?大学生で進路先に悩んでいるので、他にも同じ悩みの人がいるか知りたいです 棚からねこもち

記者がお答えします!

大学4年生と大学院2年生への調査(就職情報会社「マイナビ」実施)では、14.4%が卒業する年の夏になっても「やりたい仕事が見つかっていない(特にやりたい仕事はない)」と回答しています。

「就職活動中」にやりたい仕事が見つかったと回答したのは約半数でした。つまり、大半の学生が就活までやりたい仕事が固まっていなかったということになります。

一方、1、2年生でキャリアの方向性が決まっている学生は、40.8%という調査結果もあります。

企業の広報活動が解禁される3年生の3月までにキャリアの見通しが立っているとスムーズに就活を始められそうですが、就職情報会社の担当者は「社会人になってからもキャリアを考える機会は続くので、その都度取り組んでいくことが大切」と話します。

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就活しんどかったけど…

半数の学生「就活中にやりたい仕事が見つかった」

学生時代、「やりたい仕事が分からない」と悩んだ人は多いかもしれません。大学生たちは、いつのタイミングでやりたい仕事を見つけるのでしょうか。

就職情報会社「マイナビ」が、2025年卒業予定の全国の大学生、大学院生(大学4年生と大学院2年生中心)を対象にした調査(2024年8月25~31日、n=1257)によると、47.7%の学生が「就職活動中」にやりたい仕事が見つかったと回答しています。

就職活動前に自己分析や仕事研究などを進める中でやりたい仕事が見つかったと回答した学生は18.5%。「就職活動を終えてから」は2.3%、「まだ見つかっていない(特にやりたい仕事はない)」とは14.4%でした。

やりたい仕事が見つかったきっかけで特に多かったのは、「インターンシップ・仕事体験に参加して」で26.5%。次いで、「自己分析の結果」(22.3%)でした。

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やりたい仕事が見つかった時期で最も多かったのは「就職活動中」でした=マイナビ2025年卒学生就職モニター調査8月の活動状況より
やりたい仕事が見つかった時期で最も多かったのは「就職活動中」でした=マイナビ2025年卒学生就職モニター調査8月の活動状況より

方向性が決まっている1、2年生は40.8%

一方、マイナビが大学1、2年生を対象にした調査(2024年12月13~20日、n=1081)では、キャリアの方向性が決まっている学生は40.8%という結果になりました。この割合は、毎年おおむね変わらないそうです。

背景には、高校生の段階で卒業後のキャリアを意識して大学や学部・学科を選んでいたという事情があります。

マイナビの担当者によると、多くは医療・福祉系や教員といった資格が必要な職業をめざす学生だといいます。

キャリアの方向性が決まっている学生は、方向性が決まっていない学生に比べ、「資格取得のための勉強」や「大学のOB・OGに話を聞く」といった具体的な行動をしていることも分かりました。

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大学1、2年生への調査で、方向性が決まっている学生は40.8%でした=マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(2027・2028年卒対象) 
大学1、2年生への調査で、方向性が決まっている学生は40.8%でした=マイナビ大学生低学年のキャリア意識調査(2027・2028年卒対象) 

今すぐやりたい仕事がなくても

やりたいと思える仕事がない場合、どうしたらよいのでしょうか?

大学3、4年生・大学院生への調査を担当するマイナビキャリアリサーチラボ主任研究員の井出翔子さんは、「やりたいと思える仕事がないからと言って、焦る必要はありません」と話します。

「やりたい仕事を探すのではなく、キャリア選択の軸を見つけてほしいです。例えば『人の役に立ちたい』『ありがとうと言ってもらいたい』『一緒に働く人で選びたい』といったことが軸になる場合もあると思います」

軸を見つけるためには、「自己分析」と「企業・業界研究」が重要だといいます。

「自己分析と仕事研究を繰り返すことで、自分はどうなりたいかや大切にしている価値観などを明確にし、社会にはどのような仕事があるのかを知ることができます」

やりたい仕事が見つかったきっかけの上位=マイナビ2025年卒学生就職モニター調査8月の活動状況
やりたい仕事が見つかったきっかけの上位=マイナビ2025年卒学生就職モニター調査8月の活動状況

3年生の3月までに見通しを立てておく

調査を担当する研究員の中島英里香さんは、「大学1、2年生の場合、必ずしもやりたい仕事がある必要はないと考えています。やりたい仕事があることは素敵なことですが、なくても焦らないでほしいです」と話します。

一方で、「企業の広報活動が解禁される3年生の3月までにキャリアの見通しが立っている」とスムーズに就活を始められるそうです。

そうは言っても、「その時点で希望する業界や職種などすべてが決まっていないといけないわけではなく、自分は何が好きで何に興味があるのか、自己理解を深めていただいて、就職活動をする中で具体的に見つけていただければと思います」。

オープンカンパニー(職業説明会)や、企業が集まる1、2年生向けのキャリアイベントに参加したり、早い段階から自分の好きなこと・興味のあることを把握したりしておくことがおすすめだそうです。

マイナビが開催する大学1・2年生対象のイベント『DISCOVERY(ディスカバリー)』の様子。様々な企業が出展し、将来のキャリアについて考える機会になるといいます=マイナビ提供
マイナビが開催する大学1・2年生対象のイベント『DISCOVERY(ディスカバリー)』の様子。様々な企業が出展し、将来のキャリアについて考える機会になるといいます=マイナビ提供

大学によっては1、2年生を対象にしたキャリアガイダンスを実施している場合もあるため、情報収集しておくとよいといいます。

学生時代は自分自身や将来について深く考える時期ですが、社会に出てからもキャリアに悩むことはあります。

井出さんは、「社会人になってからもキャリア形成は終わることがありません。興味関心が生まれたタイミングでその都度取り組んでいただくとよいと思います」と話しています。

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