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#42 #就活しんどかったけど…
「就活疲れ」の学生が8割超 ストレス発散・リフレッシュの方法は?
「面接で緊張」「やること多い」就活生の悩み
2025年3月に卒業予定の学生の約8割が、すでに「就活疲れ」を感じているーー。エントリーシートの提出や面接など企業の採用選考が早期化するなか、就職情報会社の調査でそのような結果が出ました。学生たちは就活の何に疲れていて、どのような方法でリフレッシュしているのでしょうか?
2025年3月に卒業予定の全国の大学生・大学院生を対象に、就職情報会社「マイナビ」が行った調査(2月25〜29日、有効回答数2428人)によると、「就活疲れ」を「かなり感じた」学生が40.6%、「やや感じた」学生が40.7%という結果になりました。
政府主導のルールでは、学生の就活は3月1日に会社説明会など「広報活動の解禁」、6月1日に面接など「採用選考の解禁」となっています。しかし、強制力はないため、3月を待たずして選考を進める企業もあります。
マイナビの調査では、2月時点で38.7%の学生が「内々定を得た」と回答。前年よりも10.6ポイント増えたそうです。
「就活疲れ」の理由でもっとも多かった回答は「面接を受けるのに緊張してしまう」(33.9%)で、「自己PRが思いつかない、うまくプレゼンできない」(30.9%)、「やることが多い」(27.2%)と続きました。
文理別では、理系の学生より文系の学生の方が「就活疲れ」を感じる割合が多かったといいます。
文理で差が出た項目もあり、「進みたいキャリアが決まらない」は文系19.7%、理系14.3%、「学業との両立が難しい」は文系10.9%、理系21.3%でした。
「就活疲れ」を感じるなかでも、多くの学生は自分なりのストレス発散やリフレッシュ方法に取り組んでモチベーションを上げているようです。
「就活疲れ」をためないための工夫や考え方としては、次のような意見が寄せられていました。
「ジムに通ったり、ライブを観に行ったり、趣味の時間を削らないこと」(理系女子)
「ファーストキャリアの重要性を様々なOBの方から伺い、人生この先40年を考えると危機感から疲れを無視できるようになりました」(理系男子)
「疲れたと思った時は散歩をしたり友達と会ったりして心を落ち着かせる。また、他己診断をしてもらい自分の気が付かなかった長所や短所を教えてもらう」(文系女子)
「インターンで社会人の話を聞くことを楽しみにする。 対面のインターン(交通費全額支給)を多く受けていたので、旅行気分で就活していた」(文系男子)
就活の向き合い方については、以下のように答える学生がいました。
「やりたくない日は切り替えて就活をしない選択をする」(理系女性)
「結果に一喜一憂することが一番の就活疲れにつながる行動だと考えているため、選考に落ちてしまってもご縁がなかったのだと割り切って深く考えないことにしている」(理系女子)
「大学受験と同じで一人一人のペースや行き着く場所が違うので、自分のペースで行こうと言い聞かせる」(文系女子)
「キャリアセンターやエージェントに相談する。SNSや周りの情報に流されない」(文系女子)
「早い段階から、ゆるくてもいいから準備をしておく。普段から適度に自己分析を行っておく」(理系男子)
「自信を持つために人にほめてもらう」(文系男子)
「就活疲れ」への対応を聞いた自由回答では、「活動する日、しない日のメリハリをつける」「趣味やサークル、友人と遊ぶ、推し活など好きなことでリフレッシュする」「スケジュールに余裕を持って進める」という答えが多く寄せられました。
調査を担当した同社キャリアリサーチラボ主任研究員の井出翔子さんは、「それらのスキルは、社会に出てから『仕事疲れ』に陥らない工夫にも応用できると思います」と話します。
周囲にできるサポートは「学生の相談相手になること」。企業として学生と社員がざっくばらんに話せる機会を設けることも「学生にとってその企業が自分に合うかどうかの判断につながり、社内の環境も知ることができて不安の解消につながる」そうです。
2025年卒の就活はこれから本格化します。学生に対しては、「就活を進めるなかで周りの学生と比べてしまい、焦りを感じる方もいるかもしれませんが、自己分析をしっかりして『なりたい自分』を明確にしていただくことが大切です」と話しています。
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