連載
#1 #わたしと学校
登下校の〝見守り委員〟を経験した母親 大変な中「良かった」気づき
「小学生の親は、とにかくやることが多い」のです
持ち物準備、名前付け、書類の記入・確認、子どもの見守りーー。「小学生の親はとくかくやることが多い」。そう話すのは、3児の母でイラストレーターの、つくもともよよさんです。しかし、小学生の登下校班の見守り委員を経験し、「大変」以上の気づきがあったといいます。
3児の母のイラストレーターのつくもとさんは、この春、長女が小学生になりました。さっそく、やることの多さにてんやわんやです。
ちょうど、町内児童会で子どもたちの登下校を見守る「見守り委員」の当番も回ってきました。夫よりも仕事の自由がきくことから、つくもとさんが学校に行って子どもたちのサポートをすることに。
「委員活動ってしんどいかなぁ」「どこまでやらされるんだろう」
そう構えていたつくもとさんですが、教室で上級生の行動を見て感動したといいます。
集合場所にいなかった1年生を探しに行く児童や、地図を見ながら通学路の危ない場所を確認する児童。子どもたちだけで話し合いをする姿に、頼もしさを感じました。
終わり際、つくもとさんは先生に「委員って何やるんやろって不安でしたよ~。でも…元気をもらいました」と伝えました。
「学校は子どもたちが主役。親は自分の子どもを通してほかの子どもたちとつながって、先生とつながって、学校という場の担い手になるのかもなぁ」と考えたつくもとさん。
「母と帰れてうれしかった!」という娘に、「母も行けて良かったよ~!」と笑いました。
作者のつくもとさんは、在宅仕事のため時間のやりくりがしやすく、学校や保育園の用事をメインで担っているそうです。
しかし、実際時間を拘束されるのは「きつい」と打ち明けます。「『わたしだって仕事してるのにー!』とか『家事もやってるのにー!』とか、自分本位に思ってしまうこともある」そうです。
学校の委員活動も、「大事だとわかりつつ『先生がやってくれたらいいのに……』『親にそこまで求めないで』と思っていた」と話します。
当初は大変で負担がかかるというマイナスイメージが先行していましたが、学校に行くと予想もしていない〝気づき〟がありました。
「学校は、先生たちが主導で物事を進める場だと思っていました。もちろん授業は先生主導ですが、今回描いた『町別児童会』は子どもたちが主導です。先生は必要な場面でアドバイスするのみで、『こんなに子どもたちにやらせるの!?』という衝撃がありました」
「子どもの持ってるパワーはすごいし、先生たちはそのパワーを信じているんだなぁ」と感じたつくもとさん。子どもたちの輪の中で発言する我が子を見て、家では見せない「外の姿」にも感動したそうです。
共働きが増えている現代、仕事と家事育児の両立に手いっぱいな保護者も多いかもしれません。つくもとさんもその一人です。
「あれもこれもとなると本当にしんどい。でも、実際に人と会ったり、頑張っている我が子を見たりすると元気が出ると思います」
「子どもたちが過ごす学校という場所は本当に大事ですし、親だって学校を良い場所にしたいと思ってるはず。わたしも学校という場を作る一員として、できる範囲で協力していけたらいいなぁと思っています」
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