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連載

#3 プレ親の質問箱

#さっき妊娠わかった 妊娠に気づかず飲酒…今からやめれば大丈夫?

読者の方から「妊娠とお酒」について取材リクエストを頂きました。※画像はイメージ
読者の方から「妊娠とお酒」について取材リクエストを頂きました。※画像はイメージ 出典: Getty Images

目次

取材リクエスト内容

妊娠中はアルコールを飲んではいけないと思いますが、妊娠がわかる直前に飲酒する機会がありました。大丈夫でしょうか? かおり

記者がお答えします!

「妊娠発覚前の飲酒は大丈夫か?」という取材リクエストを頂きました。妊婦さんは嗜好品とどう向き合えばいいのでしょうか。今回も前回に続き、アルコールについて回答します。(朝日新聞デジタル機動報道部・朽木誠一郎)
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【連載】プレ親の質問箱 #さっき妊娠わかった

初めて経験する妊娠・出産。わからないことばかりでネットを検索すると、そこにはやたらと恐怖心を煽ったり、ホントかウソかわからなかったりする情報が––そんな“プレ親”のみなさんから頂いた取材リクエストに、専門家や専門機関を取材して回答します。

専門医「気づいた時から禁酒を」

妊娠中は飲酒はNG。だからこそ慌ててしまうのが、妊娠がわかる前のアルコール摂取ではないでしょうか。多くの女性が妊娠に気づくのは2カ月目の頭ごろ。その前の1カ月に飲酒の機会があったということは珍しくありません。

産婦人科専門医の太田寛さんを取材しました。太田さんは「妊娠に気づいた時から禁酒してください」とします。

妊婦のアルコール摂取がNGとされる理由の一つは、アルコールが胎盤を通過し、へその緒を介して赤ちゃんに届いてしまうから。

妊娠中のアルコールの影響により、赤ちゃんに起きる低体重や、顔面を中心とする形態異常、脳障害など​​の異常は、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)と言われます。

しかし、妊娠直後は胎盤自体が未完成で、アルコールが赤ちゃんに届きにくい環境です。また万が一、赤ちゃんに影響があった場合にも、気づかないうちに妊娠が継続できず、流産となってしまうため、そもそも妊娠と判定されないと考えられる、ということでした。

「こうした声は外来でも多く聞かれます。妊娠の可能性があればお酒を飲まないのが理想ではあるものの、現実的には難しいことです。お母さんとしては不安になると思いますが、気に病んでも仕方がないことなので、妊娠に気づいてからしっかり禁酒しましょう」
 

気づいてからの注意点は?

現在、厚生労働省や日本産科婦人科学会は「アルコールは少量でも赤ちゃんに悪い影響を与えるため、飲酒は全期間についてNG」という見解です。太田さんは「妊娠中にはとにかく飲酒のリスクに結びつかないように注意するべき」とします。

「“ママ友”の間で『ちょっとくらいならOK』と言われることもあると聞きますが、『ここまでなら大丈夫』という飲酒量はわかっていません。実験するわけにいきませんから難しいでしょう。

今のところ、FASDは大量の飲酒・妊娠初期の飲酒・習慣的な飲酒(依存症)でリスクが上がると考えられています。『ちょっとくらいなら』は多量の飲酒につながるリスクになるため、やはり妊娠中は禁酒をお願いします」

このような理由で、ノンアルコールビールも「ノンアルコールで満足できずに飲酒したくなるようであれば、やはり望ましくありません」とします。

飲酒のリスクに結びつくという面では、他にも例えば、「料理酒やみりんを使った料理を食べたという程度ならあまり気にする必要はありませんが、それらをきっかけに妊娠中に飲酒することがないように、気をつけましょう」ということでした。

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