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世界の端と端ぐらいがちょうどいい? withnewsスタッフブログ
在宅勤務をさせていただいています。
もう、2か月近く会社に行っていません。いや、もっとかも……。
対面取材も極力控えて、オンラインです。
リモートなことにも慣れていたつもりでしたが、「緊急事態宣言」が出たら、なんだか突然重くのしかかってきました。
そう、「人に会いたい」という気持ちが。
制限されると、それができない不自由さを実感するものなのでしょうか。
この間、たまたま、急遽必要になった書類があり、会社に行きました。
久しぶりの電車、社内の空気。なんだか、なんだか……。隣の人の咳一つに、緊張したり。
1か月振りに出社したという同僚にも、2メートル以上の距離を保ちつつ、声を掛けました。
「元気?」「元気元気、そっちは?」「元気だよ~」
それ以上会話が続かず、「…じゃあ元気で」と別れました。
あれ? なんだか疲れるよ? なぜ? 人に会いたかったのに。
私の雑談力が落ちたのか。もともとのコミュ力の低さが悪化したのか…。
とりあえず、自宅に帰ってホッとして、最近はまっているアプリを立ち上げました。
「Radio Garden」です。世界中のいろいろな町のラジオ番組を聴くことができるので、作業BGMにちょうどいい。
留学したことがあるインドネシアのジャワ島では、懐かしい歌謡曲の合間に、主婦っぽい人たちが出てくるCMを挟んでいます。漫談調で「ちょっと聞いた? ウイルスに効くってジャムゥ(伝統的な漢方薬)の詐欺があるんだって」「やだぁ、気を付けるわぁ」。
ハワイの放送局では、ノリノリの音楽がぶつっと途切れて、DJが「おやぁ、不具合かな? また復活したら、お届けするよ!」とフォロー。
世界中はどこもきっとコロナ禍なのに、ラジオの向こうの人間味や陽気さに励まされ、「今日も、どこかで誰かが頑張っているんだなぁ」と少しつながれた気になります。
17年ぶりの「再会」。私たちの間にある、実際の距離から想像もしていませんでしたが、3人の部屋にはIKEAの同じ本棚があり、学生時代の思い出と鬼滅の刃の話で、話は4時間近く経っても尽きませんでした。
「コロナ前だったら、距離が遠すぎて、食事会なんて考えもしなかった。オンラインが普通になった今だから会えたんだね」と笑い合いました。
離れろ離れろと言われ続けてきて、直接人と会うのに少し心が揺れてしまう今。
それでも人が恋しいから、もしかしたら世界の端と端、ぐらいの距離感に救われることもあるのかもしれない。
そう感じた週末でした。
◇ ◇
日本に暮らす外国人を取材する「となりの外国人」を担当しています。
番外編で、外国に住みながら日本に思いを寄せている歌い手のインタビューもしました。音楽って良いですね。