新型コロナウイルスの影響で、まだ学校に行けない人が多くいますね。すみっコ図書館にも生徒が来ないのでとても寂しいです。こんにちは、埼玉県立飯能高校すみっコ図書館司書の湯川康宏と申します。前回はとてつもなく強力なライバルの登場で心が折れそうになりましたが、今回が最終回なので気を取り直して「すみっコ図書館の秘密」と「埼玉の高校図書館司書がおススメする本」をご紹介します。最後までおつきあいください。
私、花粉症で『のどかいかい』の人なのね、。電車の中でがまんできずに「コホ!」って咳をすると、まわりから「コロナかっ!」って『コロナ撃退光線』が発射されてめっちゃ痛いです。『わたし、のどかいかいです光線』を発射したいけど、まだうまくできないの。わかってもらえなくて、つらーい(>_<)
そこで、今回は「わかりあいたい」というテーマで本を紹介します。
自分と違うから「普通じゃない」?
「夢の国だー」なんていう生徒もいて、大人気だったんだけど、たぶんそういうのが好きだって友達にも言えなかったのに、図書館が「さあ、どうぞ!」ってマンガを並べたから、「ああ、正々堂々と見ていいんだ」って思ってくれたんじゃないかな。
おとなはよく「ふつう」っていうけれど、何が「ふつう」なのかは人によって感じ方が違うと思うの。
多くの人が「ふつう」って思ってることが正しいわけじゃないし、自分と違う考えや性質だから「ふつうじゃない」と決めつけるのはおかしいよね。
すみっコ図書館はどんな人とも仲良くできる図書館だから、少数しかいないせいで理解されない人たちや、差別されている人たちをテーマにしている本を、もっと知ってもらいたくて、その本棚に集めました。
いろんな個性や悩みや病気があるだけで差別されたり非難されたりされないように、そのコーナーを「ふつう」と「ふつうじゃない」境界線なんて誰にも引けないという意味で「際問い本(きわどいほん)」と名付けました。
今回はそのコーナーにある本から紹介します。
スラックスで通学する女子
スラックスで通学するボーイッシュな女子の秘密は、元人気アイドルグループ不動のセンターだったこと。
毎日ミニスカートの衣装を着ていた彼女は、ある事件を境にスカートがはけなくなってしまったの。今もなお彼女を苦しめるその犯人はいったい誰なのか・・・うーん、これは本当に小学生が読む漫画なのか?めっちゃ深いぞ!
14歳に男女が決まる…SFラブストーリー漫画
12歳を迎える頃に自分がなりたい性へと身体が変化していき、14歳になる頃には男性か女性へと姿が変わってゆく世界での話。
主人公は性別がはっきりしないまま、18度目の春を迎えたある日、幼なじみの男子と女子それぞれから告白されて…うらやましい…いや、とにかく衝撃的なSFラブストーリーマンガ。
主人公が女性の本
今回紹介するのはすべて女性が主人公の本です。女性であるというだけで差別や不公平な扱いをうけることがまだまだ多い世界です。でも、精神的には男性より女性の方がはるかに強いんじゃないかな。すみっコ先生のところは、おくさんの方が何もかも強いよー・・・しまった!また禁断の秘密をもらしてしまった、ヒェーッ・・・
マララさんのパワーはどこから
まとわりつくジェンダー
絶品の粒あん炊く女性への偏見描く
「無意識な言葉」で追い詰めているのに
これまで4回にわたりお付き合いいただきありがとう。ズキュンされてしまいそうな本に出会えたかな?
ズキュンは本の中だけじゃなくて、身の回りのいろいろなところにいます。きっとあなたの友達や学校の図書館にもたくさんのズキュンがいます。これからも、毎日の生活の中で新たなズキュンとの出会いを楽しんでくださいね。それでは、またどこかでお会いしましょう!
withnewsでは、独自の図書館作りで知られる埼玉県立飯能高校の主任司書・湯川康宏さんのコラムを不定期で掲載いたしました。
湯川さんの図書館運営についてはこちら。伝説の高校図書館つくった名物司書「情報源は本じゃなくてもいい」
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