連載
#5 ○○の世論
安倍政権の支持者、お菓子に例えると……「バウムクーヘンのよう」
自民支持層という「常連客」を固め、無党派層という「一見さん」をつなぎとめることで歴代最長となった安倍政権。政治家や有権者の意識分析に詳しい東京大学の谷口将紀教授(現代日本政治論)は、支持者が3層構造になっている「バウムクーヘンのよう」な状態だと指摘します。長期政権を支えてきた世論を探る最終回。若者の保守化は本当なのか? 「長続き」が目的になっていないのか? 谷口教授に聞きました。(朝日新聞記者・磯部佳孝)
磯部
谷口教授
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谷口教授
谷口教授の話を聞いて、この長期政権が成し遂げた「レガシー」って何だろうと思いました。
歴代の長期政権では、佐藤栄作政権なら沖縄返還、中曽根康弘政権なら国鉄民営化、といった「レガシー」と呼べる実績がありました。「アベノミクス」や集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障関連法が「レガシー」候補なのかもしれませんが、評価は割れています。拉致問題や北方領土問題は進展が見られず、憲法改正も道筋は不透明です。
朝日新聞は世論調査で、安倍首相に第2次政権で一番力を入れて欲しい政策を定期的に聞いています。今年7月の結果は次の通りです。
「社会保障」は2014年12月の調査で「景気・雇用」に代わってトップになり、それ以降はトップが続いています。こうした中、安倍首相は今年9月、少子高齢化の時代に合わせた「全世代型社会保障」のあり方を検討する会議を立ち上げましたが、歴史の評価に耐えうる成果は生み出せるのでしょうか。
長期政権となったものの、「長さ」だけが記録と記憶に残る政権となるのか――。安倍首相の任期は2021年9月まで。残り2年を切りました。
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