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連載

#26 コミチ漫画コラボ

「当たり前をうまくできない」居場所ない人たちが描く、私たちの漫画

「居場所がない」という悲痛な思いを抱える日々の中で、漫画の主人公たちは拾い上げていくのでしょうか。

コミチ×withnewsコラボ企画「#わたしの居場所」
コミチ×withnewsコラボ企画「#わたしの居場所」
「当たり前をうまくできない」「落ち着ける場所がない」ーー。マンガのSNSを運営する「コミチ」とのコラボ企画として、「#わたしの居場所」をテーマに漫画を募集したところ、集まったのは「居場所がない」という悲痛な思いが描かれたものでした。そんな日々の中で、漫画の主人公たちは何を拾い上げていくのでしょうか。大賞・入賞に決まった4作品を、withnews編集部の寸評と共にご紹介します。居場所がないと感じるあなたに、読んでもらいたい作品です。
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【大賞】しずかに(コジママユコ著)

あの人にはできるのに、私にはできない。みんなそつなくこなしているのに、私は投げ出してしまう……そんな「ちゃんとできない」が積み重なって、あふれそうになる思いが痛いほど伝わります。

病院の先生の「あなたのような人はたくさんいますよ」という言葉で視野が広がり、見えるようになるのは、「あなたはここにいていいんだよ」というメッセージ。そして、ひとりひとりが苦しさを隠し続ける私たちのおかしさです。生きづらさの根源は何なのか、考えさせられる作品です。

【入賞】学校に行かないことを認めて欲しかったそんなわたしは、(のまり著)

仲がいい友達グループと離れ、クラスになじめず学校に行かなくなった中学生の女の子。家にいても、「きょうも行かなかったね」と話しかける親や、封筒いっぱいに入った同級生の「お手紙」に心休まらない気持ちが繊細に描かれています。

後半はその女の子が大人になったエピソード。「学校に行かないことを認めて欲しかったそんなわたしは、」というタイトルの意味が明かされ、「ああ、よかったな」と思わずつぶやいてしまいました。今しんどい人たちにも、こういう「先輩」が社会に確かにいることを知ってもらえたらいいなと思います。

【入賞】君が教えてくれた居場所(ヒヅキオキナ著)

モヤモヤとした気持ちを抱えながら学校生活を送る「ケイちゃん」は、毎日明るく過ごしている(ように見える)クラスメートの「マチちゃん」に、うらやましさを抱きます。しかしマチちゃんは彼女なりの苦しさを抱えています。物語はモノクロのトーンで描かれていきます。

しかしある日、二人がとある場所でいつもと違う時間を過ごすと、作品のトーンは「暖かみのあるオレンジ」に切り替わります。色の切り替えが、ケイちゃんの心の変化のようです。色を取り戻した毎日が、彼女を明るく照らしますように。

【入賞】ブルーモーメント(michi著)

クラスのどこにも居場所がない。夏休みは、自室で毛布をかぶり、「新学期」という現実の襲来に備える--。主人公が他人と思えないほど、共感を持つ描写です。

圧巻なのは、終盤に登場する描写です。真っ暗な部屋とは対照的に、淡い色調で描かれた、明け方の街並み。それを眺め、「心は生きている」と知る、主人公の涙の美しさ。言葉よりも、物言わぬ景色に励まされることがある。読み終えた後、他の人にとっての「原風景」を知りたくなりました。

    ◇     ◇     ◇

withnewsは2018年10月から、マンガのSNSを運営する「コミチ」とコラボ企画を始めました。毎月季節のテーマを出題し、作品を募集しています。

今回ご紹介できなかった応募作品は、コミチのサイトでご覧ください。

たくさんのご応募、ありがとうございました!
 

withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。

今年のテーマは「#居場所」。 

 目に見える「場所」でなくても、本や音楽…好きなことや、救いになった言葉でもいいです。生きづらい時間や不安な日々をしのげる「居場所」をみなさんと共有できたらと思います。 以下のツイートボタンで、「#居場所」について聞かせてください。


みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

いろんな相談先があります

・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

「居場所」を考えるイベント開きます

イベント

2学期が始まる。しんどくて、逃げたい……。夏休みが終わるのを前に、そんな思いを抱える子どもたちの「居場所」について考えるイベントを8月26日に昼と夜の2部構成で開きます。

(昼の部)10代が安心して過ごせる「居場所」とは?@日本財団ビル 14:30~17:30
子どもの問題を取材してきたノンフィクション作家の石井光太さん、自分の不登校経験をマンガ「不登校ガール」で描いた女優の園山千尋さん、フリースクールネモ代表の前北海さんが、「居場所」について考えるトークイベント。無料です。詳細や申し込みは→https://withyou-ibasho.peatix.com/view

(夜の部)本音トーク!「#居場所」@Twitter本社からTwitterライブ配信(@withnewsjp) 22:00~23:30
不登校経験があり、今は俳優や漫画家などとして活躍する個性的な面々が、つらい日々によりどころにした「居場所」について、本音トーク! ハッシュタグ「#わたしの居場所」に寄せられたアイデアもシェアしていきます!

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