MENU CLOSE

連載

#5 #withyou 悩み相談

「たぶん自信ある人ってそんなにいない」美容師の本音アドバイス

©︎小金丸侑莉、前田真由美(innovation team dot)
©︎小金丸侑莉、前田真由美(innovation team dot)

目次

「コンプレックスがあり、自分に自信が持てません」。そんな10代の悩みに、カリスマ美容師の高木琢也さんは「多分自信ある人ってそんなにいないと思う」と答えます。「完全なる赤の他人」だからこそ、ハサミを握りながら多くの相談に乗ってきた高木さん。「ちょっと変わるだけ」でも変わる自信の持ち方について聞きました。

【PR】手話ってすごい!小学生のころの原体験から大学生で手話通訳士に合格

《著名人や専門家が「10代の悩み」に答えるシリーズです。高木琢也さんに答えていただく悩みはこちらです。》
悩み

 

コンプレックスがあり、自分に自信が持てません。

 

<たかぎ・たくや>
1985年生まれ。2006年、早稲田美容専門学校卒業。2013年に美容室「OCEAN TOKYO」を設立。現在、渋谷・原宿に5店舗を展開している。2016年、最年少の美容師として日本武道館でのヘアショーに出演。予約は常に2か月待ち。日本最大規模のヘアコンテスト「HOT PEPPER Beauty AWARD」で、2017~2019年で3年連続1位。

人とつながり可能性広がる

自分に自信のない人って、どんどん下を向いていってしまうから、話しにくくなっちゃうんだよね。

だけど、例えば、いままで前髪が目にかかっていた人が、前髪を思いっきり切ったとするよね。友達とかに「その髪形いいじゃん」と言われると、ちょっと気持ちが変わる。
 
同じように、髪の毛を切ったり、パーマしたりして、クラスで「めっちゃいいじゃん」「いままでと全然違うじゃん」って周りのリアクションがくると、いままでの自分のキャラクターじゃないものが出てくると思うんですよ。
 
周りの子たちの反応が変わって、自信もついてきて、「こんな俺でもあの子に話しかけてもらえるんだ」と、そこで彼女ができるかもしれないし、いろんな人とつながればつながるほど、自分の可能性って広がってくると思ってて。
 
林敏行撮影
林敏行撮影

めちゃくちゃイケてる子だけが来るわけじゃない

うち(の美容室)に来る子たちが、クラスでめちゃくちゃイケてるかっていうと多分そうじゃない。僕たちは美意識の高い子たちというよりは、「美意識高くなりたいけど、何からしていいかわからない子たち」を集められればと思っている。
 
例えば、40人のクラスがあるとして、そのクラスのイケイケグループは、多分5人くらいかな。「本当は原宿で髪切りたい。おしゃれがしたい。だけどこんな俺が行ってもいいのか」と思ってる層が20人くらいいると思ってて、その20人の層を集めたい。
 
てか、みんなかっこよく、かわいくなればそれでよくないですか。
 
林敏行撮影
林敏行撮影

カットしながら悩みひもとく

いろんな職業の中で、「最近どうですか」「どういうことに興味があるの」って赤の他人と15分以上話す職業って美容師以外そんなにないと思う。だからか、悩み相談もかなり多い。
「どうして美容師になったんですか」とか「友達増やすなら高木さんならどうしますか」とか「告白するにはどうしたらいいと思いますか」とか。
 
美容師って、完全なる赤の他人だから、僕から(お客さんが話した)親や先生の愚痴がもれることは絶対ない。だから美容室って結構言いやすい環境だと思う。
カットしている中で、それをちょっとずつひもといていけたらいいと思っている。
 
ただ髪の毛を切ってるだけじゃなくて、その子のライフスタイルを聞きながら切ってあげた方がいい。そうすれば、「そんなに変わりたいならばっさりいっちゃおうか」とか言える。
 
うちのスタッフって、もともとイケてなかったけど、しゃべり方とか、洋服とか、なにかでちょっとずつ自信を積み上げてきた人が多いので、ある種、相談役のお兄さんというか。
どうせ切りに来るならテンションを上げて帰そうというのがうちのやり方。そうしたら結構楽になると思う。
 

ちょっと変わったら「道拓けたな」

変われるタイミングを、もっと日常的なものにして、ちょっとずつ変えるのが俺たちの仕事。ちょっと変わるだけでもいいんですよ。
いままで同じ髪形だった人とか、いままでお母さんと同じ美容室で切っていた子が、自分の意思で決めて、ちょっと変わったら「道拓けたな」ってなると思うんです。
 
林敏行撮影
林敏行撮影

俺だって自信ない

自信ある人ってそんなにいないと思ってる。自信ある風に見せているだけだから。「周りの人たちはすごい自信あるな」って思っているかもしれないけど、多分みんなないよ。
 
俺も自信ある人の代表格みたいに言われるけど、俺だって自信ない

だけど、例えば、「大学・高校に受かりたい」、「恋愛うまくいかせたい」みたいに、なにか成功させたいことがあるなら、自分でそう思わない限りは成功しない。

だから、自分の中だけでいいから、「これできるようになろう」って思うことから始めると、一個ずつクリアしていくのかなと思います。
 
◇ ◇ ◇

 著名人や専門家が10代の悩みに答えるこの企画は、電話などで10代からの相談を受け付けているチャイルドラインの高橋弘恵専務理事に協力いただいています。
 チャイルドラインの電話相談には2018年度、のべ19万人から相談があり、この企画の相談内容は実際に寄せられる相談をもとに、架空の内容を設定しています。
 また、回答はあくまで回答者の個人的な見解であり、悩みへの一意見です。

「居場所」を考えるイベント開きます

イベント

2学期が始まる。しんどくて、逃げたい……。夏休みが終わるのを前に、そんな思いを抱える子どもたちの「居場所」について考えるイベントを8月26日に昼と夜の2部構成で開きます。

(昼の部)10代が安心して過ごせる「居場所」とは?@日本財団ビル 14:30~17:30
子どもの問題を取材してきたノンフィクション作家の石井光太さん、自分の不登校経験をマンガ「不登校ガール」で描いた女優の園山千尋さん、フリースクールネモ代表の前北海さんが、「居場所」について考えるトークイベント。無料です。詳細や申し込みは→https://withyou-ibasho.peatix.com/view

(夜の部)本音トーク!「#居場所」@Twitter本社からTwitterライブ配信(@withnewsjp) 22:00~23:30
不登校経験があり、今は俳優や漫画家などとして活躍する個性的な面々が、つらい日々によりどころにした「居場所」について、本音トーク! ハッシュタグ「#わたしの居場所」に寄せられたアイデアもシェアしていきます!
 

withnewsでは、生きづらさを抱える10代への企画「#withyou ~きみとともに~」を続けています。

今年のテーマは「#居場所」。 

 目に見える「場所」でなくても、本や音楽…好きなことや、救いになった言葉でもいいです。生きづらい時間や不安な日々をしのげる「居場所」をみなさんと共有できたらと思います。 以下のツイートボタンで、「#居場所」について聞かせてください。


みんなの「#withyou #きみとともに」を見る

いろんな相談先があります


・24時間こどもSOSダイヤル 0120-0-78310(なやみ言おう)
・こどものSOS相談窓口(文部科学省サイト
・いのち支える窓口一覧(自殺総合対策推進センターサイト

連載 #withyou 悩み相談

その他の連載コンテンツ その他の連載コンテンツ

全連載一覧から探す。 全連載一覧から探す。

PICKUP PR

PR記事

新着記事

CLOSE

Q 取材リクエストする

取材にご協力頂ける場合はメールアドレスをご記入ください
編集部からご連絡させていただくことがございます