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奈良名物「マラソンタオル」地味に消滅の危機 せつない理由とは?
奈良県民の誇り「マラソンタオル」って知っていますか? 実際に母に作ってもらいました。そして、これだけ機能性の高いマラソンタオルですが、記者の生まれ故郷・生駒市の一部では消えつつあるようです。少しでも多くの人に知ってもらえるよう紹介します。
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奈良県民の誇り「マラソンタオル」って知っていますか? 実際に母に作ってもらいました。そして、これだけ機能性の高いマラソンタオルですが、記者の生まれ故郷・生駒市の一部では消えつつあるようです。少しでも多くの人に知ってもらえるよう紹介します。
御船 紗子 朝日新聞東京社会部
共同編集記者奈良県民の誇り「マラソンタオル」を知っていますか? これからの季節のマラソンには必須の優れもの。見た目は微妙でも、素肌と体操着の間に着るだけで、走る前には暖かく、走った後には汗を吸い取ってくれます。こんなに機能性の高いマラソンタオルですが、私(御船)の生まれ故郷・生駒市の一部では消えつつあるようです。その「せつない理由」とは?(朝日新聞盛岡総局・御船紗子、デジタル編集部・影山遼)
マラソンタオルとは、市販の普通のタオルを加工して作ります。タオルの前がベストのようになっており、素肌に直接着け、上から体操着を着ます。
マラソンを終えて授業に戻る時には、体操着の後ろからタオルを引っ張り出せば、きれいな汗臭くない体操着だけが残る仕組みです。
そんなマラソンタオルですが、他県では知らない人が多いことがわかりました。ショックを受けた私は、急いで奈良に帰り、聞き込みを開始。街中を行く5人に聞いたところ、ちゃんと存在は知っていました。
うれしくなって、自分がお世話になった生駒市の幼稚園を訪ねてみました。当時から変わっていなければ、園児たちは今でもタオルを愛用しているはずです。
対応してくれたのは、なんと20年前に私を受け持ってくれた方。
しかし、話を聞いてみると、園児に着せて走るのは数年前からやっていないとのこと。その理由は「人手不足」。
「少ない先生が大人数の園児をみながら町内を走るのは大変。防犯の観点から、日常的に町内を走ることはやめました」と残念そうに教えてくれました。
近くの小学校にも聞いてみたところ、答えは同じ。校長先生によると「もう昔のように走らなくなったから」だそうです。かつては期間を設けて走り込んだ寒中マラソンも、今では体育の時間に校庭を走る程度。タオルも2年前から使わなくなり、走った後は素直に着替えるようになったといいます。
もう使われていないなんて、そんな……。今どきの子どもたちは、奈良に生まれてもマラソンタオルを知らずに育つのかと思うと、寂しくなりました。
一方で、奈良市や生駒市でも別の地区では現在もマラソンタオルが使われているという情報もあります。一部では商業施設やバザーで売られているそうです。
これからの世代にもぜひマラソンタオルは受け継がれてほしいです。見た目は一癖ありますが、とっても便利。県民として、ファンとして、記事をきっかけにより多くの人に魅力が伝わればうれしいです。
ということで、実家の母に作り方を教わってきました。
①フェースタオルに型紙を使ってチャコペンシルで印を付ける。
②印に沿ってハサミで切る。
③バイアステープを裁断した部分に合わせて切る。
④首回りのバイアステープにアイロンで円く型をつける。
⑤まち針で留めたところをミシンで縫っていく。いきなりミシンをかけるのが不安な人は、先にしつけ縫いをする。
⑥糸や余ったバイアステープを切って完成。
タオルは好きな柄を選んで、自分だけのオリジナルにしても良いです。ただし、柄ものは体操着の下から透けて見えるので注意を。
ダサいだけなのか? 便利なのか? 実際に着て、試してみてほしいです。
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