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2018年09月01日

「学校行きたくない」にどう返す? 石田ひかりさん、親の役割考える

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2人の娘を育てる石田ひかりさん(左)と、不登校の子どもを支える奥地圭子さん=仙波理撮影

2人の娘を育てる石田ひかりさん(左)と、不登校の子どもを支える奥地圭子さん=仙波理撮影

出典: 朝日新聞

 「もう、学校へ行きたくない」。わが子からそう打ち明けられたら、あなたはすぐに受け止められますか?その言葉は、勉強や友人関係に行き詰まった末、心から出た叫びかもしれません。しかし親にとって、子どもが登校できなくなるのは心配なことも事実。保護者として、求められる役割とは何なのでしょうか?新学期直前のこの時期に、中学生の姉妹を育てる俳優石田ひかりさんが、フリースクール「東京シューレ」の奥地圭子理事長と語らいました。(withnews編集部・神戸郁人)


「頑張りすぎて」登校できなくなることも

俳優の石田ひかりさん(衣装協力=クロス&クロス/ハグ オー ワー)

俳優の石田ひかりさん(衣装協力=クロス&クロス/ハグ オー ワー)

出典: 朝日新聞

<不登校を経験した子どもにとって、安心できる居場所を提供しようと設立された東京シューレ。この場所で行われた対談は、「学校に行けなくなる原因とは?」という問いかけから始まりました>

石田さん 私には、中学2年と3年の娘がいます。彼女たちにとって、学校は楽しい場所のようです。私自身も、行けなくなるほど悩んだ経験がありません。不登校の原因には、どんなものがあるのでしょうか?

奥地さん 状況によって違いますね。いじめなどで苦しい思いをしたとか、何となく学校の雰囲気になじめないとか。逆に「勉強大好き」「先生大好き」という子でも、授業や部活で頑張りすぎて、燃え尽き症候群のようになり、通えなくなる場合もあります。

 よく勘違いされるんです。「不登校は怠けているだけでしょ?」って。ほとんどの子は「学校に行かなきゃ」と思っていますよ。でも、何時間も勉強しなきゃいけないし、スピードも要求される。懸命に取り組んで、限界が来て、学校と距離をとるに至った状態なんです。

自分らしく生きられないことが苦しい

「東京シューレ」理事長の奥地圭子さん

「東京シューレ」理事長の奥地圭子さん

出典: 朝日新聞

<1985年の東京シューレ設立に関わった奥地さん。そのきっかけは、息子が不登校を経験し、自分らしく生きられない苦しみを知ったことでした>

石田さん 私が子どものころは、登校しないという選択肢が、今ほど一般的ではない時代でした。それを選ぶというのは、大変な勇気がいることですよね。
 
奥地さん 私の息子にも、不登校経験があります。小3の時、転校先の学校でいじめられたんです。「班競争」というのもやらされました。たとえば、漢字の小テストの得点を班ごとに集計して、最低だった班の児童全員に、間違えた数だけ校庭を走らせるとか。
 
石田さん 「班競争」。初耳です!
 
奥地さん 次第に、朝になると頭痛や腹痛、吐き気を訴え学校を休むようになりました。その意味が、私には分からなかった。しばらく休むと元気になるので、励まし、また学校に行かせました。

 私は当時、小学校の教諭でした。「教員がわが子も満足に育てられないのか」と、自責感にかられたことを覚えています。
 
 振り返ってみれば、「普通は学校に行くでしょ?」「このくらいで負けちゃダメ!」と考えていました。その後、児童精神科医の先生と出会い、不登校は自己防衛のための反応だと気づいたんです。

石田さん もし娘に「学校に行きたくない」と打ち明けられたら、私も奥地さんと同じような言葉をかけてしまうかもしれません。「社会はもっと厳しいんだよ!」って。
 
奥地さん 言っちゃうよね、やっぱり(笑)。
 
石田さん 私は学生の頃、競泳の選手でした。当時は2時間半の練習中、コーチに「水を一滴も飲むな」と言われていた時代です。つらい思い出しかありません。そういうスパルタ教育を経て、中2で芸能界に入った。だから、娘たちのわがままには、つい腹が立ってしまうことが多いです。「甘い!」みたいな(笑)。
 
 でも、その態度が、どれだけ娘たちを追い詰めてきたんだろう……。子どもが弱いところを見せてきたときに、まずは寄り添う、肯定するのが大事なんですね。
 
奥地さん 子どもって、自分を持っている。信頼してもらえる親になるには、同じ目線で考える必要があると感じますね。

親が学校に意見することも重要

子どもにとってより良い教育について語らう、石田さんと奥地さん=仙波理撮影

子どもにとってより良い教育について語らう、石田さんと奥地さん=仙波理撮影

出典: 朝日新聞

<2人の関心は、子どもの個性を伸ばす教育のあり方にも寄せられました>
 
石田さん 今の子どもたち、本当にお勉強頑張ってますよね。小学校でも、7時間目までやるところがあると聞きます。少し早く終わらせて、自由な活動ができる時間をつくり出せたら、学校の「居心地」が変わるかもしれませんね。

奥地さん 大賛成ですね!2007年に設立した「東京シューレ葛飾中学校」(東京都葛飾区)では、まさにその考え方を採用しているんです。学習指導要領通りではなく、子どもに合わせた授業ができる「教育課程特例校」として、国に認めてもらっています。
 
 不登校を経験した子しか入れないのですが、卒業後の進路は様々です。料理好きな子がコックになったり、馬が好きで調教師になったり。それぞれの個性がちゃんと花開く環境だから、あまり行き詰まらないのかな、と思っています。
 
 親も学校に、「ここはこう変えてほしい」と言って良いんじゃないでしょうか。
 
石田さん でも、「モンスターペアレント」と呼ばれてしまう不安があります。どこまで言っていいものか、多くの親は悩んでいると思います。
 
奥地さん 子どもがより良く学ぶための意見なら、親が言っていくべきですよ。先生の「こうせよ」という考え方を受け取るだけというのは、本来の学びではないと思います。
 
 上からの考えを教え込まれたり、枠にはめられたりすると、苦しいと思う子が出てきます。基準に沿わない者は劣っている、という考え方にもつながる。子どもの自己否定感が強まりますよね。

 学校も全てが見えているわけではありません。だから、親から見えるものを伝えていく。それは大事なことではないでしょうか。
 

◆石田ひかり(いしだ・ひかり)
 1972年、東京都出身。中学生時代に芸能界デビューし、大林宣彦監督の映画「ふたり」などで主演を務める。現在はテレビ番組の司会を始め、各方面で活動。中学生の娘2人を育てる母親でもある。

◆奥地圭子(おくち・けいこ)
 1941年、東京都生まれ。息子の不登校がきっかけで、85年にフリースクール「東京シューレ」を設立。不登校について考える親の会や、「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」の立ち上げにも関わる。


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「これは中2ぐらいかな? 本当に中学が嫌すぎたみたいで、成人式のとき地元を歩いてみたんですけど、中学だけ場所が分からなくなって、たどりつけなかった」と話す中川翔子さん=ワタナベエンターテインメント提供
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