close

閉

これフカボリしてほしい

リクエストする

閉

2018年09月01日

「学校行きたくない」にどう返す? 石田ひかりさん、親の役割考える


  • 35572

2人の娘を育てる石田ひかりさん(左)と、不登校の子どもを支える奥地圭子さん=仙波理撮影

2人の娘を育てる石田ひかりさん(左)と、不登校の子どもを支える奥地圭子さん=仙波理撮影

出典: 朝日新聞

最新ニュースを受け取る

 「もう、学校へ行きたくない」。わが子からそう打ち明けられたら、あなたはすぐに受け止められますか?その言葉は、勉強や友人関係に行き詰まった末、心から出た叫びかもしれません。しかし親にとって、子どもが登校できなくなるのは心配なことも事実。保護者として、求められる役割とは何なのでしょうか?新学期直前のこの時期に、中学生の姉妹を育てる俳優石田ひかりさんが、フリースクール「東京シューレ」の奥地圭子理事長と語らいました。(withnews編集部・神戸郁人)


「頑張りすぎて」登校できなくなることも

俳優の石田ひかりさん(衣装協力=クロス&クロス/ハグ オー ワー)

俳優の石田ひかりさん(衣装協力=クロス&クロス/ハグ オー ワー)

出典: 朝日新聞

<不登校を経験した子どもにとって、安心できる居場所を提供しようと設立された東京シューレ。この場所で行われた対談は、「学校に行けなくなる原因とは?」という問いかけから始まりました>

石田さん 私には、中学2年と3年の娘がいます。彼女たちにとって、学校は楽しい場所のようです。私自身も、行けなくなるほど悩んだ経験がありません。不登校の原因には、どんなものがあるのでしょうか?

奥地さん 状況によって違いますね。いじめなどで苦しい思いをしたとか、何となく学校の雰囲気になじめないとか。逆に「勉強大好き」「先生大好き」という子でも、授業や部活で頑張りすぎて、燃え尽き症候群のようになり、通えなくなる場合もあります。

 よく勘違いされるんです。「不登校は怠けているだけでしょ?」って。ほとんどの子は「学校に行かなきゃ」と思っていますよ。でも、何時間も勉強しなきゃいけないし、スピードも要求される。懸命に取り組んで、限界が来て、学校と距離をとるに至った状態なんです。

自分らしく生きられないことが苦しい

「東京シューレ」理事長の奥地圭子さん

「東京シューレ」理事長の奥地圭子さん

出典: 朝日新聞

<1985年の東京シューレ設立に関わった奥地さん。そのきっかけは、息子が不登校を経験し、自分らしく生きられない苦しみを知ったことでした>

石田さん 私が子どものころは、登校しないという選択肢が、今ほど一般的ではない時代でした。それを選ぶというのは、大変な勇気がいることですよね。
 
奥地さん 私の息子にも、不登校経験があります。小3の時、転校先の学校でいじめられたんです。「班競争」というのもやらされました。たとえば、漢字の小テストの得点を班ごとに集計して、最低だった班の児童全員に、間違えた数だけ校庭を走らせるとか。
 
石田さん 「班競争」。初耳です!
 
奥地さん 次第に、朝になると頭痛や腹痛、吐き気を訴え学校を休むようになりました。その意味が、私には分からなかった。しばらく休むと元気になるので、励まし、また学校に行かせました。

 私は当時、小学校の教諭でした。「教員がわが子も満足に育てられないのか」と、自責感にかられたことを覚えています。
 
 振り返ってみれば、「普通は学校に行くでしょ?」「このくらいで負けちゃダメ!」と考えていました。その後、児童精神科医の先生と出会い、不登校は自己防衛のための反応だと気づいたんです。

石田さん もし娘に「学校に行きたくない」と打ち明けられたら、私も奥地さんと同じような言葉をかけてしまうかもしれません。「社会はもっと厳しいんだよ!」って。
 
奥地さん 言っちゃうよね、やっぱり(笑)。
 
石田さん 私は学生の頃、競泳の選手でした。当時は2時間半の練習中、コーチに「水を一滴も飲むな」と言われていた時代です。つらい思い出しかありません。そういうスパルタ教育を経て、中2で芸能界に入った。だから、娘たちのわがままには、つい腹が立ってしまうことが多いです。「甘い!」みたいな(笑)。
 
 でも、その態度が、どれだけ娘たちを追い詰めてきたんだろう……。子どもが弱いところを見せてきたときに、まずは寄り添う、肯定するのが大事なんですね。
 
奥地さん 子どもって、自分を持っている。信頼してもらえる親になるには、同じ目線で考える必要があると感じますね。

親が学校に意見することも重要

子どもにとってより良い教育について語らう、石田さんと奥地さん=仙波理撮影

子どもにとってより良い教育について語らう、石田さんと奥地さん=仙波理撮影

出典: 朝日新聞

<2人の関心は、子どもの個性を伸ばす教育のあり方にも寄せられました>
 
石田さん 今の子どもたち、本当にお勉強頑張ってますよね。小学校でも、7時間目までやるところがあると聞きます。少し早く終わらせて、自由な活動ができる時間をつくり出せたら、学校の「居心地」が変わるかもしれませんね。

奥地さん 大賛成ですね!2007年に設立した「東京シューレ葛飾中学校」(東京都葛飾区)では、まさにその考え方を採用しているんです。学習指導要領通りではなく、子どもに合わせた授業ができる「教育課程特例校」として、国に認めてもらっています。
 
 不登校を経験した子しか入れないのですが、卒業後の進路は様々です。料理好きな子がコックになったり、馬が好きで調教師になったり。それぞれの個性がちゃんと花開く環境だから、あまり行き詰まらないのかな、と思っています。
 
 親も学校に、「ここはこう変えてほしい」と言って良いんじゃないでしょうか。
 
石田さん でも、「モンスターペアレント」と呼ばれてしまう不安があります。どこまで言っていいものか、多くの親は悩んでいると思います。
 
奥地さん 子どもがより良く学ぶための意見なら、親が言っていくべきですよ。先生の「こうせよ」という考え方を受け取るだけというのは、本来の学びではないと思います。
 
 上からの考えを教え込まれたり、枠にはめられたりすると、苦しいと思う子が出てきます。基準に沿わない者は劣っている、という考え方にもつながる。子どもの自己否定感が強まりますよね。

 学校も全てが見えているわけではありません。だから、親から見えるものを伝えていく。それは大事なことではないでしょうか。
 

◆石田ひかり(いしだ・ひかり)
 1972年、東京都出身。中学生時代に芸能界デビューし、大林宣彦監督の映画「ふたり」などで主演を務める。現在はテレビ番組の司会を始め、各方面で活動。中学生の娘2人を育てる母親でもある。

◆奥地圭子(おくち・けいこ)
 1941年、東京都生まれ。息子の不登校がきっかけで、85年にフリースクール「東京シューレ」を設立。不登校について考える親の会や、「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」の立ち上げにも関わる。


学校がしんどかったあの有名人 中川翔子さん・千原ジュニアさん…
前へ
「これは中2ぐらいかな? 本当に中学が嫌すぎたみたいで、成人式のとき地元を歩いてみたんですけど、中学だけ場所が分からなくなって、たどりつけなかった」と話す中川翔子さん=ワタナベエンターテインメント提供
次へ
1/9
前へ
次へ

もっと見る



コメント

あわせて読みたい

黒電話が博物館に入る時代に… 奈良の触れる...
黒電話が博物館に入る時代に… 奈良の触れる...
新元号もお構いなし? 我が道を歩み続ける...
新元号もお構いなし? 我が道を歩み続ける...
これが「令和」のスピード感! メルカリが新時代の号外を配布
これが「令和」のスピード感! メルカリが新時代の号外を配布
PR
「手かからぬ子いない」障害児受け入れ、学...
「手かからぬ子いない」障害児受け入れ、学...
注意で「攻撃対象」に…電車での独り言、障害...
注意で「攻撃対象」に…電車での独り言、障害...
えっ!猫がいるの? 見事な擬態の1枚が話題、撮影した飼い主に聞く
えっ!猫がいるの? 見事な擬態の1枚が話題、撮影した飼い主に聞く
すべての子供服で採用してほしい! 「おさがり」対応の名前タグとは
すべての子供服で採用してほしい! 「おさがり」対応の名前タグとは
「普通の顔になれるなら手術受ける?」見た目問題当事者と真剣トーク
「普通の顔になれるなら手術受ける?」見た目問題当事者と真剣トーク
顔の変形やあざ… 悩んだ3人が中高生に伝えた生きるヒント
顔の変形やあざ… 悩んだ3人が中高生に伝えた生きるヒント
イビツな恋だっていいじゃない!? 不器用なオトナに贈る物語
イビツな恋だっていいじゃない!? 不器用なオトナに贈る物語
PR
若きフレディが語った「映画を予感させる言葉」クイーン現象の今後
若きフレディが語った「映画を予感させる言葉」クイーン現象の今後
受けた相談1000件以上 野球「イップス研究家」が語る人生最悪の試合
受けた相談1000件以上 野球「イップス研究家」が語る人生最悪の試合

人気

もっと見る