IT・科学
ZOZO前澤社長の1日に密着「恋愛は?」「年収35億円、使い道は?」
「なんか、社長ってやたらと千葉推しなんですよね」
「そうですね。会社は幕張にありますし、スタジアムや「ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA」※のネーミングライツも取得しましたし、幕張で行われる花火大会のスポンサーにもなりましたし、千葉に家も建ててますし、『幕張手当』って会社の近くに住んでいる人には月に5万円の手当をお支払いしてます」
「なんでそんなに千葉に肩入れするんですか?」
「ひとつはさっきも言った『競争しないこと』っていうモットーから来るものですね。六本木とか渋谷みたいな場所に会社を構えると色んな会社があるからやっぱり埋もれちゃうじゃないですか。家賃だって高いし。だから競争から逃げて千葉に会社を置いてます。ここならじゅうぶんに存在感を出せますから」
「なるほど」
「あと、僕は千葉出身なので単純に千葉が大好きなんですよ……。だから僕を育ててくれた街に何かしらの恩返しがしたい、って」
「なるほど」
「国籍なんてどうでもいい、って言ってた人の発言とは思えん」
「僕、元々はしがないバンドマンだったんですけど、こういう車が大好きだったんで、『いつか買ってやろう』ってずっと思ってたんですよね。だから若くてお金が無い頃、汚い恰好でこういうお店に来て『カタログをください』ってお願いしたんですよ」
「ああ、そういうのを見て『いつかビッグになるぜ!』って夢を膨らます、みたいな」
「そうそう。そしたら『カタログ?ないよ』みたいな。店員さんが寄っても来ない」
「ハッハッハ!カタログが無いわけないじゃん!うわー、そういうのって実際あるんだ!」
「あるある!今じゃピシッて出迎えてくれますけどね!」
「あ、スタッフさんが苦笑いしてる。まあ別のお店の話ですよね。別のお店」
「そうそう、別のお店!」
「僕、『ここにしかないもの』『こだわってるもの』が好きなんですよ。職人が丹精込めて作った一品もの、とかそういうのに弱くて。アート作品が好きなのはそういう部分があるからですね。別に高いものが好きっていうわけではなくて、例えば今日履いてるジーパンもプライベートブランド「ZOZO」の3,800円のものですし。ただやっぱりこのジーパンむちゃくちゃこだわって作ってるものなので、その『こだわり』が好きなんです」
「なんでアートにハマったんですか?」
「最初は『壁に絵でも飾るか』くらいの感じだったんですが、一点ものの作品を買ったら『これはいいぞ』ってなりまして。文脈とか歴史があって、ここにしかない、みたいなものに感動を覚えるんです」
「なるほど。そのテンションでZOZOのオリジナルブランドとか作ったらこだわりが強くなりすぎてめちゃくちゃ大変そうですね」
「いやー、実際めちゃくちゃこだわってますよ!大変です!」
「ストラディバリウスって、『こち亀』で見たことがある気がするんですけど、めちゃくちゃ高いバイオリンですよね?」
「そうそう。世界中の人が欲しがるバイオリンの逸品ですね。現存するのは世界に600本って言われてます。『買いませんか?』って売り込みがあったんですけど、『一回音を聴かせてください』ってお願いして今日の集まりを開いて頂きました」
「そういう売り込みって、会社宛に来るんですか?」
「いえ、僕のInstagram宛です」
「笑う。DMで『ン億円のバイオリン買いませんか?』って?相手にする前澤さんも前澤さんだけど、これ、書いちゃったら他にもばんばんセールスが来るかもしれないですね。まあ書くけど……」
「普段はそういうの無視するんですけど、『一回聴いてみたいな』って思って。だって、ストラディバリウス聴いてみたくないですか?」
「僕、音楽はサッパリなんでなんとも……」
「僕もバイオリンはあんまりわからないんですけどね……。正直言うと、今のところ別に買おうとは思ってないんですよ、でもちょっと聴いてみたいな、って。人生に一回くらい」
「いやー、すごいですね。高音域であれだけ厚みのある音が出るのがすごい……」
「すいません、僕にはサッパリわからないです」
「いやー、良いな……」
「あっ!欲しくなってるでしょ」
「いやでも、こういう名機を僕が持っててもしょうがないですからね。僕バイオリン弾けませんし。ストラディバリウスだって、ちゃんとした音楽家の人に弾いてもらった方が幸せでしょうし。うーん……。何かこれを活用する良い方法があれば……。お店を作って、来た人が演奏出来るような仕組みにすればいいのかな。でもそれだとセキュリティが……」
「やべぇ、買う理由を探し始めたぞこの人」
「なるほど。コンクールを開催したりするんですね」
「どんどん話が大きくなってきとる」
「でも、今週はちょっとお金を使いすぎちゃってるんですよね」
「何を買ったんですか?」
「京都で骨とう品買ったり、ちょっと大きな買い物の頭金を入れたり」
「今日はどうでした?面白い記事になりそうですか?」
「いやめちゃくちゃ面白かったですよ。ポンポン出てくるお金の桁が意味不明すぎて脳味噌がバグるかと思いました」
「いやー、でも『この成金野郎!』って叩かれそうだな……」
「まあね。まあまあ。それは言われるでしょうね。ただ僕、今日丸一日くっついてて思ったことがあるんですよ。社長ってめちゃくちゃ矛盾を抱えてるなって」
「ほほう。と言いますと?」
「例えば、『国籍や戸籍に縛られたくない』って言ってた癖に、社長自身が地元の千葉にめちゃくちゃこだわってるじゃないですか」
「あー、確かに」
「あと、『お金がいらない国が理想』とか言いながら自分はお金使いまくってるし、『寂しがり屋だからみんなと一緒がいい』って言うくせに『人と同じものは嫌だ』とか言うじゃないですか。これ、めちゃめちゃ矛盾しとるぞって思ったんですよ」
「あーーー、言われてみればそうですね!」
「でね、僕は考えたんですよ。この矛盾する考え方を、どう説明したら良いのかな、って。どういう言葉で表すのが正解なのかなって。それでずっと考えてたんですけど、結論が出ました」
「おお、なんでしょうか」
「社長、つまり貴方は『ワガママ』です!」
「あー、ワガママかぁ。そう言われてみれば確かにワガママですね!」
「でしょ!車選ぶ時も『あれがいいこれは嫌だ。ここは特注しよう』とかずっと言ってるの見てて『なんてワガママなやつだ』って思ったんですよね。そういう意味では社長ってオタク気質なんですよ。めちゃくちゃお金持ってるワガママなオタクって感じです。こだわりの強さとか、欲しくなったら居ても立ってもいられなくなるとか」
「なるほど……。まさか『ワガママ』の一言で済まされると思わなかった」
「いや、でもそれで良いんだと思いますよ。社長が言ってた『常識を打ち破る』なんて、ワガママな人にしかできないことだと思います。『人と違うことをしよう』とかもそうです。なんだかんだ言ってみんな反発を恐れて協調しちゃって常識を打ち破れずに結局妥協することを繰り返すわけですから。今の日本社会って閉塞感がすごいし、みんな『誰かここの現状を打ち破ってくれよ』って思ってると思うんですよ。そういう時代に必要なのって、行動力を持った究極のワガママ経営者じゃないですかね」
「上手い具合に言っていただいてありがとうございます」
「いやお世辞じゃなくて本当にそう思ってますよ。これくらい吹っ切れた人じゃないと、時代ごと動かす、みたいな大きな仕事は出来ないんだろうなってすごく思いましたし、個人的にも勉強になりました。今日はお忙しいところありがとうございました!」
「こちらこそありがとうございました!」