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2017年05月19日

ぷよぷよをつくった天才クリエーター仁井谷正充さん、いま何してる?

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ゲームイベントに参加した仁井谷正充さん(中央)=4月29日、東京・千代田区

ゲームイベントに参加した仁井谷正充さん(中央)=4月29日、東京・千代田区

 ゴールデンウィーク(GW)が終わってしまいました。全国的に好天に恵まれた今年のGW。どこにも出かけずに家に引きこもってゲームざんまいだった人もいるかと思います。

 ゲームといえば、90年代に大流行した「ぷよぷよ」というゲームを知っていますか?

 画面上部から落ちてくるぷよぷよしたキャラクターを同じ色でまとめ、4匹がくっつくとキャラがはじけて消滅。その消滅の大きさ(連鎖)に応じて対戦相手に邪魔なキャラを降らせ、ゲームオーバーを誘うゲームです。テトリスとともに「落ち物パズルゲーム(落ちゲー)」の中で、空前のブームを巻き起こしました。

 そんな、ぷよぷよをつくった伝説のクリエーターが、いま家賃5万円のアパートで細々と暮らしているらしい……。話を聞きに、訪ねました。


アパートに迎え入れてくれた仁井谷正充さん=千葉・新松戸

アパートに迎え入れてくれた仁井谷正充さん=千葉・新松戸

千葉・新松戸の2DKに常磐線の電車音

 ピンポーン。

 「はーい」

 ぷよぷよのレジェンドこと仁井谷正充さん(67)=千葉県新松戸=は現在、家賃5万円のアパートで一人暮らしをしていました。

「男やもめに○○がわく」ということわざのごとく、お世辞にもきれいとはいえない2DK。足の踏み場に気をつけながら、台所とベッドが隣接する部屋を抜けます。

アパートの居間が仁井谷正充さんの仕事場=千葉・新松戸

アパートの居間が仁井谷正充さんの仕事場=千葉・新松戸

 奥の居間は巨大モニターとこたつがドーンと据えられ、その周りにゲームやら本やら衣類やらバッグやらが雑然と積み重なっています。

 障子越しに西日がさす、ほの暗い居間。窓のそばを走る常磐線の電車が通り抜けていく音が鳴り響きます。

 「ぷよぷよの社長をやってた最盛期は月収1千万円ぐらい。自社株を買うのに使ったから、倒産したら何にも残らなかった。残ってたらこんなところに住んでいないでしょ。離婚もしましたし」。

 こたつにすっぽり入った仁井谷さんが半生を語り始めました。

学生運動で除籍、広電車掌からショップ店員に

半生を語り始める仁井谷正充さん=千葉・新松戸

半生を語り始める仁井谷正充さん=千葉・新松戸

 1950年、広島県三原市生まれ。

 秀才だった仁井谷少年は広島大学理学部に現役合格するものの、ときは学生運動が盛んだった〝1969〟。学業そっちのけでのめり込み、果ては三里塚闘争で逮捕され、広島大学は7年在籍したのち除籍となります。その後、広島電鉄の車掌をやったり、塾を経営したり。職を転々とし、やがてPCショップ店員に落ち着きます。

 ショップ勤めかたわら、PCの草分けといわれる「Apple Ⅱ」を購入し、家でひとりコツコツとゲーム開発を始めた仁井谷青年。そのとき28歳。「モノをつくるのはもともと好きだった。作ったモノが自分の設計通りに動くのが楽しかったから」と振り返ります。

 プログラミングは本を片手に独学で身につけたそうです。

 そして転機が訪れます。

仁井谷正充さんの自宅にはいまもぷよぷよのキャラグッズが置かれていた=千葉・新松戸

仁井谷正充さんの自宅にはいまもぷよぷよのキャラグッズが置かれていた=千葉・新松戸

 「ゲームボーイでテトリスが世界中ではやっていた。作るなら落ちゲーだと思った」

 91年、ぷよぷよの誕生です。

ぷよぷよ絶頂期、崇拝されていた90年代

ゲームイベントにゲストとして参加した仁井谷正充さん(左)。会場では「ぷよぷよをつくったゲーム業界のレジェンド」と紹介されていた=4月29日、東京・千代田区

ゲームイベントにゲストとして参加した仁井谷正充さん(左)。会場では「ぷよぷよをつくったゲーム業界のレジェンド」と紹介されていた=4月29日、東京・千代田区

 90年のスーパーファミコン登場に乗り、ぷよぷよは年間100万本超の出荷という空前の大ヒットを記録します。

 設立した会社「コンパイル」は、96年度には売上高70億円企業に。自身の収入は月収1千万円を超えたそうです。まだまだバブルの余韻が残っていた90年代。さぞかしブイブイいわせたのでは?

 「いやいや全然。お酒も飲まないし、外車にも興味はなかったし、お姉ちゃんはべらせる趣味もなかったし。稼いだお金で自社株を買って、ゲームを作っていましたよ。仕事するのが趣味みたいなものだった」

ぷよぷよの大ヒットを伝える新聞記事。社長だった仁井谷さんの「世界的なゲームに育てたい」という言葉を紹介している=1996年9月25日、朝日新聞夕刊から

ぷよぷよの大ヒットを伝える新聞記事。社長だった仁井谷さんの「世界的なゲームに育てたい」という言葉を紹介している=1996年9月25日、朝日新聞夕刊から

 ゲーム販売の一方、95年に全日本ぷよ協会を設立。協会は「ぷよぷよ段位」を認定し、ユーザーを拡大させます。「ぷよぷよを囲碁のような世界的なゲームに育てたい」と当時の新聞にも載りました。

 ぷよぷよのキャラをあしらったコスプレをしたり、全国各地でぷよぷよ大会を開いたり。マスコミには成り上がったゲーム会社の派手な社長として紹介されます。

 その勢い、まるでぷよぷよがどんどん積み上がるかのように……。会社が「弾ける日」は着々と近づきます。(つづく)

【動画】仁井谷正充社長の波乱万丈記(風雲編)



【動画】仁井谷正充社長の波乱万丈記(風雲編)。ぷよぷよを開発し、時代の寵児(ちょうじ)となるまでの半生を動画で=戸田拓撮影・編集


ぷよぷよつくった天才クリエーター仁井谷正充さん、いま何してる?
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