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ポールダンス、セクシー回帰? 封印された「エロ」解禁の理由
ポールダンスはいまや「ポール・スポーツ」のジャンルを確立し、五輪の正式種目入りをめざすほどになりました。競技人口は世界で100万人にのぼります。健全なイメージが広がる一方で、スポーツ化によって封印されていたセクシーさを見つめ直す動きが出ています。
東京・渋谷で11月上旬、エンターテインメントとしてのポールダンスを競う「ポールシアター」が開かれました。
2回目となった今年は、昨年より20組以上増えた107組がエントリー。予選を勝ち抜いた31組が演技を披露しました。
ポール・スポーツとポールシアター。ポールを使い、ダンスをする点は同じですが、採点基準が異なります。
例えば、ポール・スポーツは、この技を入れなければならない、つま先が曲がっていたら減点など、細かい規定があり、主に技の難易度と完成度を競います。
一方、ポールシアターでは、技のスキルと同等に、音楽や衣装、テーマ設定、そして観客をいかに喜ばせたかが重視されます。
ポールシアターは、4つの部門に分かれています。興味深かったのは、セクシーさを競う「ポールクラシック」部門。
この部門では、演技中に衣装から最低一つをアーティスティックに脱がなければいけない、という決まりがあります。
ちなみに、ポール・スポーツの場合は衣装を意図的に脱ぐ行為は禁止されており、失格となります。
最も驚いたのはTバック。ポール・スポーツではパンツの大きさも決まっているので、「お尻でてるけど、大丈夫?」と心配になりました。
ポールシアターはどの部門も、テーマとストーリーを引き立てるのであれば、衣装は自由です。
ポールシアターの発祥はオーストラリア・シドニー。「参加者それぞれが個性あるストーリーを表現し、ポールの可能性を探りたい」と2013年に始まったそうです。
日本では昨年から開催されるようになりました。より多くのポールダンスの表現を発掘しようと、セクシーさを競う「ポールクラシック」のほか、「ポールアート」「ポールドラマ」「ポールコメディー」の4部門に分かれています。
ポールシアターには、ポール・スポーツで世界大会に出場する選手も数多く出演しています。
ポール・スポーツではできない演技の数々に、「こういう表現があったのか!」と刺激を受けることも多いそうです。
ポール・スポーツによってイメージが良くなり、小中学生など若いポールダンサーがたくさん誕生しています。将来、ポール・スポーツが五輪の正式種目入りを果たしたときに日本代表になることが期待されます。
一方、今回のようなポールシアターの大会には、ポールダンス以外のプロのダンサー、サーカス団員らが参加。一流の人たちがおのおのの才能を発揮し、ポールの可能性を広げています。演技に魅了され、ポールのファンになる人も多いでしょう。
ポールダンス歴5年の雨宮友さん(33)は、「始めたころ、ポールダンスを習っているというと、『ストリップでしょ?』と言われた。でもいまは、スポーツやフィットネスとしてのポールが浸透して、口にしやすくなった。だからこそ、本来始めたかったセクシーなポールも抵抗なく学べるようになった」と話します。
ポールシアターの主催者で、東京・六本木のポールスタジオ「ポリッシュ」代表のSHI-KOさん(34)も、「スポーツとセクシーの両方があって、ポールの競技人口が増えてきた。ジャンル分けすることなく、誰もがポールで自分を表現できるようになったらいい」と期待しています。
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