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ポールダンスはエロちゃう、スポーツや! 偏見はねのけ世界王者も
ポールダンス始めました。えろいやつ?と聞かれますが、遅れてまっせ。今やオリンピック入りも検討されるほどスポーツとしての認知が広がっています。
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ポールダンス始めました。えろいやつ?と聞かれますが、遅れてまっせ。今やオリンピック入りも検討されるほどスポーツとしての認知が広がっています。
ポールダンスと言えば、ストリップのイメージ?いやいや、それはもう一昔前のハナシ。今、世界では「ポール・スポーツ」としてオリンピック競技入りも検討されています。
「ポール・スポーツ」は、ポールを使った技の完成度を競う競技。ポール上で回転しながら足を開いたり、体を反らせたりと技を決めていく様はフィギュアスケートと新体操が合わさったようなイメージ…といえばなんとなくわかるでしょうか?
2012年、ロンドン五輪のエキシビジョンとして、初めて世界大会が開かれました。
実はこの世界大会には日本人選手も出場しています。しかも、ダブルスで銅メダルを獲得!それが、大阪でポールダンスのスタジオを運営している岡本雅世さん(33)と中和也さん(33)のペアです。
岡本さんは、「ポールダンス=エロ」という偏見への反発を原動力にポールダンスをスポーツ競技へ牽引してきた一人。始めたばかりのころは、ライブで「どこまで脱いでくれるの?」と誤解を受けるなど嫌な思いもしたそうです。
それでも、ポール・スポーツの魅力を広めるために世界大会に次々と出場。11年にポールダンスの世界大会で優勝しました。
■姫支えくるくる 技磨く 初めてベガちゃんとポールダンスをしたのは2年前。男性はちょっと苦手のようなんですが、女性の多いスタジオなので人見知りもせず、生徒さんに可愛がられてました。 技をしながら抱っこ...
岡本さんの働きかけもあり、ポール・スポーツの世界大会に出場する日本人選手の数は増えています。第1回大会の12年は岡本さん・中さんペアの2人だけでしたが、今年7月にロンドンで開かれる第4回大会には18人が出場します。
急増する世界に通用する日本人ポールダンサー。岡本さんは「体を使って見せる競技なので、手足の短い日本人は不利かも。だけど、環境を整備して、競技人口が増えれば、日本のお家芸となる日も来るかも」と期待をかけています。
映画「想いのこし」で広末涼子がポールダンサーを演じたり、テレビタレントがポールダンスに挑戦する企画があったりしたことなどもあり、ポールダンス自体も身近になりました。08年に生徒数1人から始まった岡本さんのスタジオは、現在では、200人を超え、今年4月に地下スタジオを増築したほどの人気ぶりです。
スタジオには小学生向けの「キッズクラス」もあります。ここでは、未来のオリンピアンを目指す少女たちが日々練習を重ねています。
日本大会3位で日本代表に選ばれた岩崎知愛里さん(10)はポール歴3年。「みんなの前で踊るのが楽しい」と魅力を語ります。日本大会4位の荒木志乃さんは「週5で練習している。2人でオリンピックの表彰台を狙いたい」と目を輝かせます。
小学生の間でもポール・スポーツは広まっているのでしょうか。岩崎さんは「まだ知らない人がほとんど。みんなには『登り棒してるよ』って言ってる。もっとみんなに見てもらいたい」と話しています。
実は、筆者もポール・スポーツにはまった一人。昨年9月からスタジオに週4で通い、ポール歴半年を超えました。初めはどんな人が通ってるんだろう?と不安でしたが、医者、美容師、車屋さん……と職種は様々。年齢層も10~40代と幅広く、体を鍛えるために始めたという男性も少なくありません。
で、やってみてどうなの?という感想ですが、一言でいうと、とにかく痛い!!!太もも、脇、ウェストでポールをぎゅーっと挟んでとまるため、体中があざだらけに。「悪い男にでもひっかかったんちゃうのん」と職場で心配されるほど。それでも楽しくて仕方ない!!できなかった技ができるようになった時は達成感で叫び出したいほど!!痛さもぶっ飛ぶ快感です。
ポールに必要なのは大きく2つ。アクロバティックな技をするための筋力、伸びのあるしなやかな流れを出すための柔軟。もちろん、私にはどちらもない…というわけで、毎日コツコツお風呂上がりに柔軟。運動後にプロテイン。すると、半年で足は縦に床にぴたーっとつくようになり、体重は5㌔増量。いわゆる引き締まった体というのに近づきました。
ポール歴3カ月目。この頃には4日以上ポールを触らないと、交通標識の棒で踊り出しかねないという禁断症状が出始めました。
このままではアカン!と、自分へのクリスマスプレゼントに自宅にポールを買いました。うれしくて、年越しの瞬間はポールの上で迎えてみました。
買った当初はこれでいつでも踊れる!と、めくるめく愛欲の日々を想像していたのですが、8畳のリビング、2㍍もない天井で大技は練習できない!というわけで、今ではオブジェになっています。
少しずつうまくなってくると、誰かに見てもらいたいという気持ちが湧いてきました。ここで新たな壁にぶち当たる。そう、「ポールダンスをエロと見なす人たちの偏見」です。
「ポールダンスしてるんです」というと、「しっ!そんな破廉恥なこと大きな声で言うんじゃない!」と上司に怒られたことも。踊ってる写真を見せると「なんでこんな半裸で」とニヤニヤ顔。
いやいや、おっさん。落ち着いて。半裸なのは、ポール上に止まるためには肌を出さなきゃいけないだけで、露出が目的ではありません。
一方で、女性陣の反応はよく「かっこいい!」「やせますか?」と質問攻めに。あざを刻みながら、ムキムキになっていく様子を見守っている私のまわりでは「本当にポールってスポーツなんだね」という認知が広まっています。よしよし。
現在、ポール歴9カ月目に突入。お粗末ながらも、ショーデビューも果たしました。
もちろん、今からオリンピックを狙えるほど甘い世界ではありません。だけど、東京五輪が始まるころにはポール・スポーツは国内にも浸透しているかも!いや、そうに違いない!そのときに、テレビを見ながら知った風な解説をできたらいいなあと思ってます。