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韓国人、意外と日本好き お酒・妖怪ウォッチ・春樹…「文化は別」

国交正常化から今年で50年を迎えた日本と韓国。政治や外交の課題はあるものの、日本酒やアニメなどは韓国人に親しまれています。

「ONE PIECE(ワンピース)」のイベントで展示されたフィギュアを楽しむ韓国人ファン=2015年6月17日、ソウル
「ONE PIECE(ワンピース)」のイベントで展示されたフィギュアを楽しむ韓国人ファン=2015年6月17日、ソウル 出典: 朝日新聞

目次

 国交正常化から今年で50年を迎えた日本と韓国。慰安婦問題や竹島問題など、政治や外交の課題はあるものの、日本酒やアニメなどは韓国人に親しまれています。日本酒・小説・妖怪ウォッチ…韓国の「日流」を裏付けるデータがありました。

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第2外国語トップは「日本語」

 2014年に韓国の高校生が「第2外国語」に「日本語」を選んだ人数は63万5856人でした。これは全体のほぼ半数、49.8%を占めています。2位の中国語は34万1817人で、「日本語」が圧倒的に多いことがわかります。

韓国・東莱(トンネ)小学5年の日本語の授業=2008年7月14日
韓国・東莱(トンネ)小学5年の日本語の授業=2008年7月14日 出典: 朝日新聞

日本酒の輸入3322トン

 2014年の日本酒の輸入量は3322トンありました。2005年の526トンと比べると6倍強の数字になっています。新潟市の新潟酒販が販売する日本酒「がんばれ父ちゃん」は、韓国の日本式居酒屋で人気商品になっています。2006年ごろ、当時、不況だった韓国で「お父さんがんばってください」というフレーズがヒット。日本食ブームや、韓国焼酎よりも低い度数などが好まれたこともあって、売上げを伸ばしました。

韓国で大人気の日本酒、新潟酒販が販売するがんばれ父ちゃん
韓国で大人気の日本酒、新潟酒販が販売するがんばれ父ちゃん 出典: 朝日新聞
韓国で愛される県産日本酒がある。口ひげに赤ら顔の男性が描かれたパッケージが特徴で、その名も「がんばれ父ちゃん」。新潟酒販(新潟市)が2001年からプライベートブランドとして販売しているが、コンビニでの思わぬ出会いがきっかけで、ヒット商品になったという。
2014年11月28日:新潟県産日本酒、韓国で大人気 「がんばれ父ちゃん」思わぬヒット:朝日新聞紙面から
お隣の国、韓国で販売されるようになったのはそれから5年後の06年ごろ。県の誘いで参加したソウル市での食品展示会で、韓国の酒販会社長の洪淳學(ホンスンハク)さん(60)と出会った。しばらくして洪さんが商談で来県した時、たまたま立ち寄ったコンビニの店頭にがんばれ父ちゃんが並んでいた。当時、韓国は不況だったといい、洪さんは「苦しんでいるサラリーマンたちに、『お父さんがんばってください』というフレーズが気に入った」という。
2014年11月28日:新潟県産日本酒、韓国で大人気 「がんばれ父ちゃん」思わぬヒット:朝日新聞紙面から

妖怪ウォッチ1位と2位

 4月15日から30日に、大手スーパー「ロッテマート」のおもちゃの売上高をまとめたところ、1位と2位が日本のアニメ「妖怪ウォッチ」の関連商品でした。多くが、5月5日の「こどもの日」のためのプレゼントとみられています。

「妖怪ウォッチ」のキャラクター=(c)LEVEL-5/妖怪ウォッチプロジェクト・テレビ東京
「妖怪ウォッチ」のキャラクター=(c)LEVEL-5/妖怪ウォッチプロジェクト・テレビ東京

日本の小説4位と5位

 大手書店「教保文庫」の2014年小説部門ベストセラー4位は村上春樹の「女のいない男たち」、5位は東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」でした。特に村上春樹の人気が高いことが知られています。2013年7月、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が発売されると、行列をめったに作らないことで知られる韓国人が100人以上並ぶ事態に。その様子は、多くのメディアで紹介されました。

韓国の「教保文庫」光化門店に作られた、村上春樹の新作を山積みしたコーナー=2013年7月23日
韓国の「教保文庫」光化門店に作られた、村上春樹の新作を山積みしたコーナー=2013年7月23日 出典: 朝日新聞
7月1日、韓国・ソウル中心部の大手書店「教保文庫」光化門店。平日朝にもかかわらず、100人余りの列ができた。めったに並ばない韓国人が並ぶ光景を各メディアが取り巻いた。目当ては、村上春樹の3年ぶりの長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。先着順に直筆サイン本も販売された。「予約販売だけでベストセラー」。発売前から話題に上り、発売後も教保文庫で6週連続1位という人気ぶり。全3巻で200万部が売れた前作「1Q84」に迫る勢いだ。
2013年8月19日:(「日流」旋風 韓国の本棚:1)やみつき虚無的ハルキ:朝日新聞紙面から

W杯が一つの転機

 韓国の「日流」ブームは2002年のサッカー・ワールドカップの日韓共催が一つの転機とみられています。韓国で日本語や日本文化を教えている夫伯(プベク)・慶熙大教授は「日本が決勝トーナメントで敗退した後も、多くの日本の方々が韓国を応援する姿を目の当たりにし、韓国人たちの日本への認識が変化し始めたようだ」と指摘。「日本国・日本人全体をネガティブに見るのではなく、この時期からメディアや国民の間で、歴史問題と文化・民間交流は別次元で考えるべきだという視座が芽生えてきたのではないか」と分析しています。

ソウルのW杯スタジアム、W杯開会式で並ぶ日韓両国の国旗=2002年5月31日
ソウルのW杯スタジアム、W杯開会式で並ぶ日韓両国の国旗=2002年5月31日 出典: 朝日新聞
韓国で日本語や日本文化を教えている夫伯(プベク)・慶熙大教授(54)は02年のサッカー・ワールドカップの日韓共催が一つの転機とみる。「日本が決勝トーナメントで敗退した後も、多くの日本の方々が韓国を応援する姿を目の当たりにし、韓国人たちの日本への認識が変化し始めたようだ」と言う。「日本国・日本人全体をネガティブに見るのではなく、この時期からメディアや国民の間で、歴史問題と文化・民間交流は別次元で考えるべきだという視座が芽生えてきたのではないか」と分析している。
「日流」、韓国に健在 ラーメン・日本酒・アニメ人気:朝日新聞デジタル

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