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「卓球王国」中国、惨敗の理由は…芸能活動だった?CMに歌番組まで!

卓球の平野美宇選手。2017年4月にあったアジア選手権の女子シングルス決勝で世界ランキング5位の陳夢(中国)にストレート勝ちし優勝した
卓球の平野美宇選手。2017年4月にあったアジア選手権の女子シングルス決勝で世界ランキング5位の陳夢(中国)にストレート勝ちし優勝した 出典: 朝日新聞

目次

 中国の「国技」と呼ばれる卓球ですが、2017年4月のアジア選手権でトップ選手3人が日本の平野美宇選手に連破されました。日本にとっては快挙となったこの大会、現地では「オオカミが本当に来た!」と大騒ぎに。さっそく様々な意見が飛び交う事態になりました。現地では、敗因の一つに選手の芸能活動を指摘する声も出ています。

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2014年のアジア大会に参加した平野美宇選手=韓国・仁川
2014年のアジア大会に参加した平野美宇選手=韓国・仁川 出典: ロイター

中国のメディア「惨敗」

 卓球には絶対的な自信を持つ中国。リオで男子シングルスの金メダルを取り、世界ランク1位馬龍選手は、すでに5年近く世界大会での連勝記録を持っていますが、今回の大会で韓国選手に負けました。

 また世界3位の許キン選手も1-3で日本の丹羽孝希選手に敗れました。

 もっとも衝撃的だったのは、17歳の平野美宇選手が中国女子のトップ選手の2人(世界ランキング1位と2位)を撃破したこと。シングルスの決勝戦は3-0で大勝し、優勝を許してしまったことです。

 この結果を中国のメディアは「惨敗」という見出しで報じました。

リオオリンピックで卓球男子シングルス金メダルを獲得した馬龍選手=2016年8月、ブラジル・リオ
リオオリンピックで卓球男子シングルス金メダルを獲得した馬龍選手=2016年8月、ブラジル・リオ 出典: ロイター

「オオカミが本当に来ました」

 中国の卓球界の最高指導者・スポーツ総局の蔡振華監督は、試合後、さっそく緊急会議を開催しました。

 孔令輝・女子監督は「日本の技術は中国よりも先進的」とコメント。劉国梁・男子監督兼総合監督も「オオカミが本当に来ました」と話しました。

 中国勢惨敗の理由について、中国の大手ポータルサイト「捜狐(Sohu)」スポーツニュースでは「人材流出」にあると指摘しています。

 近年、中国のナショナルチームから引退した選手や、代表に入れなかった地方のトップレベルの選手たちが、海外で活躍するケースが増えています。

 平野選手には、中国人の劉潔コーチがついており、平野選手自身も中国のスーパーリーグでプレーした経験があります。

 こうした中国からの「人材」と、日本人独自の技術力が結びついたという見立てです。

日本のオオカミが嚙み付いてきた。劉国梁監督も嘆いている。

2015の世界卓球大会に参加した平野美宇選手=2015年4月、中国・蘇州
2015の世界卓球大会に参加した平野美宇選手=2015年4月、中国・蘇州 出典: ロイター

ちょっと大きくなったボール

 ルールとボールの変更を指摘する声もあります。

 今回の大会では、国際卓球連盟が公表した新しいルールと新しいボールが適用されました。

 新しいボールは、従来のものより大きくなり、回転やスピードなどが大きく変わりました。

 中国の大手ニュースサイト『澎湃新聞』によると、トップ選手になればなるほど、これまでのルールやボールを体で覚えているため、この変化に対応できなかったのではないかと言われています。

卓球アジア大会で馬龍選手が韓国選手に負けた!新しいボールのせい

CM引っ張りだこ、歌も披露

 もう一つ、選手がスターになりすぎて、競技以外に時間を取られていることを挙げる記事も出ています。

 人気ニュースを集めるニュースアプリ『今日頭条』では、スター選手がテレビCMやテレビ番組に引っ張りだこになり、本業である競技に集中できなかったのではないかという指摘があります。

 2016年のリオ五輪で、中国の卓球チームは、すべての種目で金メダルを取りました。そして、次の2020年東京五輪はまだ3年近くあるこの時期は、選手にとって競技以外に時間を使いやすい時期でもあります。

 最もやり玉に挙げられたのは張継科選手です。張選手は人気が高く、歌も上手で、テレビの芸能番組によく出ています。

 メディアへの露出は、卓球のPRにつながりますが、今回のような「惨敗」という結果になると、その原因としてやり玉にあげられてしまいます。

リオオリンピックで銀メダルを獲得し、パリの世界卓球大会のチャンピオンだった張継科選手=2013年5月、パリ
リオオリンピックで銀メダルを獲得し、パリの世界卓球大会のチャンピオンだった張継科選手=2013年5月、パリ 出典: ロイター

張継科はバラエティ番組に出演し、芸能人並みと言われている

東京五輪の「卓球対決」

 今回の大会の前、リオ五輪でも、日本勢の躍進に対して、当時の中国の卓球の監督は「今後、最大のライバルになる」と話していました。

 中国チームも「惨敗」を受けて、さらに腕を磨いてくるはずです。2020年の東京五輪では、どのような「卓球対決」が繰り広げられるのか。目が離せません。

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